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第6話 臨時会議

名前 おおたか

年齢(見た目) 13、14歳

身長 152cm

体重 軍事機密です

好きな物事 いたずら トラップ作り

嫌いな物事 薄い反応 

長所 いつでも明るい

短所 反省しない

武器 パンツァーファウスト3

ミサイル艇おおたかの艦魂。

いたずらが好きでトラップ作りが趣味。いろんな人をターゲットにするが、特にさざなみや将を狙う事が多い。

陸奥と仲がよく、結構一緒にいる。




名前 さざなみ

年齢(見た目) 16、17歳

身長 163cm

体重 軍事機密です

好きな物事 楽しいこと 人をからかうこと 浅間

嫌いな物事 つまらないこと 無益な戦闘

長所 たいていの人と仲良くできる

短所 怒ると実力行使にでやすい

武器 64式76.2mm小銃 九九式軽機関銃(極稀に) 木刀

汎用護衛艦『さざなみ』の艦魂。

男勝りの性格で一人称は俺。

よくおおたかの標的にされているが、仲はいい。

浅間という艦魂が見える人間が乗っている。

7月9日 アメリカワシントン



第47代大統領ノーマン・ウィリアムズは秘書の持ってきた書類を一通り読んだあと、机にたたき付けた。

「潜水艦が沈められただと!?」

大統領は秘書に怒鳴り付ける。

秘書は大統領の声に怯えながら答えた。

「は、はい。日本は正当防衛だと主張していますが…」

「日本政府に連絡して攻撃はなかったと言え!それから第7艦隊を日本の領海近くに置いておけ!ただし攻撃許可はまだだすな」

大統領が言い終わると秘書は

「了解しました!」

と言って、逃げるように部屋を出ていった。




7月11日 日本



日本の某所では、海上幕僚長による記者会見が行われていた。

「えー、今回の事につきましては、アメリカの潜水艦が先に魚雷を撃ってきたので正当防衛ということになります。したがって自衛隊側に問題はありません」

海上幕僚長は言い切った。

すぐに記者から質問が飛んでくる。

「放射能汚染のの問題はないんですか?」

「正当防衛とおっしゃいましたが、沈めたのは過剰防衛ではないんですか?」

「潜水艦の乗組員は無事なんですか?」

次々に記者から飛んでくる質問に幕僚長は、個別に答える事なく、一言で終わらせる。

「それらにつきましては、現在調査中ですのでお答えできません」

幕僚長はそれだけ言うと部屋を出ていった。




同日午前8時 呉



「じゃ、行ってくる」

海上自衛隊二等海士の秋月将は、そう言った。

はたから見れば一人で部屋にしゃべっている変人に思われるかもしれない。

だが、彼には一人の人物が見えていた。

イージス戦艦陸奥の艦魂、陸奥である。

「ちゃんと買ってきてくださいね?」

陸奥が念を押して言う。

朝からそんなやり取りを何度も繰り返してきた将は、

「はいはい…」

と適当に返事をして、ラッタルを下りていった。




将の部屋に戻った陸奥は、彼の机から本を一冊取り、ベッドに座って読み始めた。本のタイトルは『陸奥爆沈』だ。

前に読んでいた『戦艦武蔵の最期』もこの本も、将の持ち物である。

陸奥が本を読んでいると、部屋の中央に光が発生し、中から人影が現れた。

「遊びに来たよ~」

でてきたのはおおたかだった。

陸奥は読んでいた本を閉じて顔を上げた。

「どうしたの?」

陸奥が聞くと、おおたかは笑って答えた。

「暇だったからね~」

おおたかはそう言うと部屋の見回した。

「ここが秋月二士の部屋か~」

陸奥は空間からお茶を二人分出して机に置いた。ついでにポテチの袋も開ける。

「はいお茶」

おおたかは

「ありがと~」

と言ってお茶を飲んでポテチに手をのばした。

「陸奥~、これ本物?」

おおたかはポテチの袋を指差して陸奥に聞いた。

陸奥は、

「うん。秋月二士のやつ」

と何でもないように答えた。

「いいの~?」

おおたかの問いに陸奥が答える前に、部屋の中央にまた光が発生し、中から声がした。

「おおたか、なんか楽しそうだなあ」

光から出てきた人に、おおたかは声をかける。

「あ、さざなみだ~」

来たのはさざなみだった。

「何したの~」

おおたかは笑顔だが、さざなみは全く笑っていない。

それどころか、かなり怒っているように見える。

さざなみはじりじりとおおたかに近付き、おおたかは少しずつ後退する。

おおたかはちょうど壁に背がついた時、ニヤリと笑った。

さざなみはさらに進んだ。

その時、さざなみの足元から、プツッと何かが切れる音がした。

次の瞬間、


ガーーン!!


と凄い音がして、さざなみが頭を押さえてしゃがみこんだ。

「大丈夫ですか?」

陸奥がさざなみに駆け寄った。

さざなみの頭に落ちたのは金だらいだった。

「くそっ!」

さざなみは笑い転げているおおたかをにらみ、空間から何か黒い物を取り出した。

それを見た陸奥は部屋の隅っこでしゃがんで震えている。

さざなみが取り出したのは、第二次世界大戦のとき陸軍が使用した、九九式軽機関銃(銃剣つき)である。

さざなみは機関銃の先端の銃剣を、未だに笑っているおおたか目掛けておもいっきり突いた。

いや、正確には突こうとした。しかしさざなみの腕は、第三者によって掴まれていた。

「はいそこまで」

陸奥は立ち上がっていつの間にか現れていた人に質問する。

「きりしまさん?いつの間に?」

するときりしまは陸奥に、

「護衛艦はステルス性も必要なのよ?」

と、あまり答えになっていないような事を言った。

「そんな事より今から臨時の会議開くから『陸奥』の予備会議室にいくわよ?」

そう言うとどこかに転移した。

さざなみもそれに続くように消えた。

「おおたかも早く行こう?」

陸奥はまだ残っているおおたかに声をかけた。

「ちょっとまって、うん。いいよ」

おおたかは何か作業しているように見えたが、陸奥にはわからなかった。

そして二人も、光とともに消えていった。




一一〇〇 戦艦『陸奥』予備会議室



陸奥の予備会議室には第4護衛艦隊の艦魂が集まっていた。

「みんな資料渡ったわね?」

陸奥は司令になって初めての会議なので、今回はきりしまが司会になっている。

「それは今日の何種類かの朝刊の紙面のコピーなんだけど…」

きりしまは一度言葉をきる。

「陸奥、トップ記事の見出し読んでみて?」

きりしまは陸奥に言った。

「えーっと、『自衛隊側に問題か?アメリカは攻撃してないと主張』、ですか?」

陸奥は言われたとおりに読んだ。

「多分、アメリカと一悶着あるわ。もしかしたら一戦交えるかも……」

きりしまはそう言った後に、小さい声で呟いた。

「……一戦だけですめばいいけど……」

その呟きは、近くにいた陸奥にしか聞こえなかった。

きりしまはそれからみんなの方を見て、何か質問や意見がないか聞いた。

するとみねかぜから手が挙がった。

「アメリカと戦っても勝ち目はないと思うが。大戦と同じ結果になるだけだろう?」

確かにアメリカと戦えばみねかぜが言の言うとおりになるだろう。

日本の自衛隊は実戦経験がないため、いざというときに動けない可能性もある。

「でも仕方ないわ。実際に陸上自衛隊は日本の米軍基地を封鎖してる」

きりしまのその言葉に部屋にいたみんなが固まった。

「さすがに早過ぎじゃねえか?」

さざなみが沈黙を破り発言した。

さざなみの言葉にきりしまは、

「もがみ、あれだして」

ともがみの方を見た。

もがみはきりしまに言われたとおりに空間から数枚の紙を取り出した。

「これですか?」

きりしまは紙を受け取った。

きりしまはそれを、

「これ、みんなに回して」

と、陸奥に渡す。

資料が全員に渡ったのを確認すると、きりしまが口を開いた。

「それは沖ノ鳥島沖約10km地点の写真よ」

「これがどうしたんですか?」

手を挙げて陸奥が聞く。

「米艦隊が展開してるでしょ?」

きりしまの言葉に陸奥はさらに尋ねる。

「単に横須賀に帰港してるんじゃないんですか?」

「いえ、他にも何枚かあるけど、どれも動いてないわ」

きりしまは続ける。

「日本に対する圧力ってところかしら」

でも、ときりしまは言葉を続ける。

「今回は政府も強気みたいよ。多分今日か明日には私たちに出撃命令がでるわ」

きりしまはそこでみんなの方を見て言った。

「意見はある?なかったら解散ね」

きりしまがそう言うと、みんな瞬間移動で自分の艦に戻り始めた。

「陸奥~。どうする~?」

おおたかが転移しようとしていた陸奥のところにやってきた。

「秋月二士の部屋に行く?もう少しで帰ってくると思うよ?」

陸奥が聞くと、おおたかは、

「行く~」

と即答した。

「じゃ、行こう」

二人は転移せずに部屋を出た。




15時30分 戦艦陸奥

いろいろと物を買った将は、軽くなった財布をポケットに入れてラッタルを上った。

そして自分の部屋の前に着くとドアをノックする。

さすがにまたあんな目にはあいたくない。

ノックすると、中から

「はーい」

と返事がきたので、将はドアを開け部屋に足を踏み入れた。

しかし一歩足を出した時に足元で、プツッ、と何かが切れる音がした。

次の瞬間、


ガーーンッ!!


という音とともに頭に衝撃がはしった。

「いってえ、なんだ?」

将は部屋の中を見る。

足元には上から落ちてきたと思われる金だらい。

机にはお茶が二人分置いてある。

そしてベッドの上には隣を見て呆れている陸奥とその隣で笑い転げているおおたかがいる。

将は一つの答えを出した。

「おおたか、お前か!」

将は頭を押さえながらおおたかを睨んだ。

「アーッハッハッハッハ~!引っ掛かった~!」

おおたかは未だに転がっている。

だが艦魂といえど一応少女なので殴る訳にもいかないので、将は無視して買ってきた物を机に置いた。

「秋月二士、買ってきてくれましたか?」

目をキラキラさせながら聞く陸奥に、将は呆れながらお土産を出していく。

「ほらよ、蜜饅頭とフライケーキとメロンパンだ」

「いっただっきまーす!」

「いただきま~す!」

袋から出したお菓子の包みを開けて食べ始める陸奥とおおたか。

「オイおおたか、人にあんなことしといて食うのかよ!」

「もちろ~ん」

将はため息をついた。と同時にあることに気がついた。

「俺の分!」

結局、彼はあまり食べる事ができなかった。




17時すぎ

お菓子も大体食べ終わり、三人が世間話をしているとドアがノックされ、鈴谷が入ってきた。

将は制服でなかったので敬礼はせずに鈴谷に尋ねた。

「どうしたんですか?」

「沖ノ鳥島の近くに米艦隊がいるのは知ってるだろ?」

鈴谷は将の問いに答えず逆に聞く。

「はい、知ってますけど……」

「明日の〇七三〇に出撃だ。米艦隊の監視と抑止が目的だがそれ以上の事があるかもしれない。だから〇七〇〇に機関室に来い」

鈴谷は言い終わると部屋を出ていった。

鈴谷の話を聞いていた陸奥とおおたかは顔を見合わせた。

「意外と早かったね~」

「私もこんなに早く出撃するとは思わなかった」

二人はそれだけ言うと、また世間話に戻った。




おおたかは自分の艦に帰り、将は夕食を食べ終わって自室に戻った。

部屋では陸奥が、書類を整理していた。

「陸奥、ただいま」

将が声をかけると陸奥は振り返り、お帰りなさいと返事をした。

「明日出撃だな」

「はい」

書類を空間にしまった陸奥はベッドに座る。

その顔はどこか

「どうした?」

「もし撃たれたらと思うと怖いんです」

陸奥は俯いて言う。

確かに15歳くらいの少女にとって、自分が撃たれるかも知れない場所に行くのはとても怖いのだろう。

そんな陸奥に、将は言葉をかける。

「大丈夫だって。この前だって何とかなっただろ?それにもし怖かったら俺のとこに来い。話し相手にはなってやる」

将は言ってから顔を少し反らした。

でも将のその言葉に陸奥は少し元気づけられたようだ。

「そうですね。それに私がこうだと乗員に影響が出ちゃいますね」

陸奥はベッドから立ち上がり、ドアのところで止まった。

「おやすみなさい」

陸奥がそう言ったので将も

「おやすみ」

と返す。

そして陸奥はドアを開け、部屋を出る間際にこう言った。

「ありがとうございます」

それも飛び切りの笑顔で。

将は不覚にもドキッとしてしまった。

陸奥は人間ではなく艦魂なのだが、やはり美少女なのだ。



その後、彼はベッドに入り、明日のことを考えながら眠りについた。



海上自衛隊艦魂広報課

『広報かんこん』第2版


『反日デモについて』


サムライ「最近反日デモが中国で行われていますが、どう思いますか?」

さざなみ「ここまで多いと中国政府がやらせてる気もすんだが……」

きりしま「そのうち戦争が始まっもおかしくないんじゃない?『第二次日中戦争』とか」

陸奥「そんなこと言っちゃだめですよ。中国政府も頑張っているんですよきっと!」


『1944年10月25日 扶桑沈没』


サムライ「今日はレイテ沖海戦が終わった日です」


きりしま「レイテ沖海戦で戦死されたすべての人に、黙祷」

全員「……」


『編集後記』


サムライ「やっと書けました!」

さざなみ「ぎりぎり一ヶ月にならなかったな」

おおたか「なにやってたの~?」

サムライ「それが記憶にない」

陸奥「アルツハイマーですか?」

きりしま「それは全国のアルツハイマーの人に失礼よ」

サムライ「ひどっ!自分の祖母がそうだけど」

さざなみ「まあ馬鹿話は置いといて」

陸奥「アルツハイマーは馬鹿話じゃないと思いますけど……」

きりしま「これからもこんな速度?」

サムライ「……」

おおたか「もっと早く書こうよ~」

サムライ「善処します」

さざなみ・おおたか「ご意見・ご感想、待ってるぜ(待ってるよ~)」

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