第3話 訓練は実戦になり
港を出た二隻は、途中で訓練を行いながら、呉へと向かっていた。
「敵艦捕捉、数2、巡洋艦とフリゲートです」
「よし、総員、戦闘配備!対水上戦闘用意!」
これは訓練である。
「ハープーン発射用意。目標敵巡洋艦及びフリゲート艦」
「ハープーン発射用意完了」
「発射!」
もちろん実際にハープーンを撃つわけではない。
「3、2、1、着弾!」
命中した数はコンピュータででる。
「発射8発中4発命中。フリゲート艦撃沈」
艦長、秋津洲大河一等海佐は結果を見てつぶいた。
「まだまだだな…」
艦長が考えていると、水測室から報告が入った。
「艦長!報告です。水測員より、本艦を追ってきている潜水艦がいると!」
「来るとは思っていた。何隻だ?」
艦長は落ち着いて尋ねる。
「ロサンゼルスが一隻です」
「そうか。このイージス戦艦陸奥もなめられたものだな。総員、第1配備。これは訓練にあらず!」
「なんだ?」
機関室で機関をいじっていた将は、第1配備の放送に首を傾げた。
そんな将に陸奥は説明する。
「どうやら私をつけてくる潜水艦がいるみたいです」
さらっと言う陸奥に、将は不安を覚える。
いくらこの艦が最新鋭でも、魚雷を受ければ撃沈の可能性もある。
機関室が破壊されれば航行不能にもなる。
将は身震いした。
「じゃあどうすんだよ」
将の問いに、陸奥は少し笑って答える。
「艦長がなんとかしてくれますよ」
原子力潜水艦 ロサンゼルス
「まさか国に帰る間際にこんな任務が下りるとはな」
ロサンゼルスは、アメリカに帰る直前に、陸奥を撃沈せよという命令がおりたのだった。
「魚雷発射管注水完了。いつでも撃てます」
副長から報告が入る。
「そのまま待機だ」
艦橋には一人の金髪碧眼の少女がいた。歳は15歳くらいで、上を見つめていた。
普通、こんな所に少女はいない
彼女は原子力潜水艦ロサンゼルスの艦魂、ロサンゼルスである。
「戦艦なんて作るから…。あまり日本とは戦いたくないのに…」
「CIC、VLSアスロック4発発射用意」
「艦長、撃つおつもりですか?」
自衛隊は先制攻撃をしてはならない。撃たれてから初めて攻撃できるのだ。
もし潜水艦より先に撃ったとなれば、日米の関係は完全に崩壊するだろう。
「アスロック発射」
「艦長っ!」
秋津洲は、副長の言葉も聞かずに独断でアスロックの発射を決行した。
「ただし、着弾3秒前までに敵潜が攻撃して来なかったら自爆させろ」
「CIC了解」
艦長の命令に副長は少し安心する。さすがに無抵抗の敵を沈める気はないようだ。
「着弾まであと5秒」
「こちら水測室、敵潜魚雷発射」
「よし、着弾させろ!」
アスロックが着弾するのが早いか、魚雷が命中するのが早いか、CICから報告が入る。
「アスロック着弾します!」
ドドォォーーン!
物凄い音がした。爆圧で艦体が揺れる。
「敵潜撃沈しました。どうやら弾薬庫に命中したようです。魚雷は爆発に巻き込まれて誘爆した模様です。他の敵艦はありません」
「そうか。総員第2配備に移行せよ」
とりあえず、アメリカの潜水艦を沈めたことを基地に報告しなければならない。
「呉基地に報告しろ」
「了解」
機関室では将と陸奥が、第2配備移行の放送を聞いて安堵していた。
「全く、死ぬかと思ったよ」
将は大きくため息をついた。
それに対し陸奥は、
「大丈夫ですよ。何たって私は戦艦陸奥なんですから。」
と、大してありもしない胸をはる。
それを見て将は、少し笑ってしまった。
「な、なんで笑うんですか!?」
陸奥が真っ赤になって怒る。
それを将は機関をいじりながら謝った。
「ハハハ、ごめんごめん」
だが陸奥は、
「ふん。笑いながら謝ってもだめです」
と、そっぽをむいてしまった。
「陸奥、悪かったよ。だから」
将がちゃんと謝るが、陸奥は許してくれない。
「もう!秋月ニ士は魚雷に当たった機関室にいればいいんです!」
さすがに港に着くまでこの調子だと困るので将は必死に陸奥の機嫌をとる。
「後で飯持ってきてやるから」
「……」
全く反応がない。
「後でなんか好きなものやるから」
「……」
これにも反応なし。
「今度上陸の時お土産買ってきてやるから」
「……!」
今度は反応した。
将はここぞとばかりに総攻撃をしかける。
「今度上陸の時好きなもの何でも買ってきてやるから」
「ほんと?」
やっと返事をしてくれた。
このチャンスを逃すまい。
「ほんとだ」
「じゃあ、蜜饅頭とメロンパンとフライケーキと肉じゃがと…」
陸奥は次々に物をあげていく。
産まれてそれほどたってないのにこんなに知っているのが不思議だ。
「多過ぎだろ!何でそんなに知ってるんだよ!つか、人の財布の心配もしろよ!」
「ドックの中にいたころ、ずっと呉について調べてたんです。それに秋月ニ士はさっき何でも買ってくれるって言ったじゃないですか」
これで不思議は消えたが、このままだと財布の中身も消えてしまう。
将はどうにかしようとするが陸奥は勝ち誇った笑みを浮かべる。
将はがっくりとうなだれる。
勝ち目は無いと悟ったようだ。
「分かったよ買ってくりゃいいんだろ?」
そう言うと陸奥は嬉しそうに頷いた。
3日後、二隻は呉の近くまで来ていた。
今日も陸奥は機関室で将と話をしていた。
その二人の横にいきなり光が現れ、16、7歳くらいの少女がでてきた。その少女はショートカットで、眼鏡をかけた、いかにも真面目という雰囲気を出していた。
その少女が口を開いた。
「陸奥司令、後2時間ほどで呉に到着します。それと、この書類に目を通しておいてください」
「分かった」
少女は用件を伝え、陸奥に書類を手渡すと、帰ろうとしたが、将がそれを止める。
「君は?」
すると少女は驚いた顔になった。
「あなたには私が見えるのですか?」
このやりとりももう3回目である。
「ああ、見える。それで、君はもがみの艦魂でいいのか?」
「はい。私は重装護衛艦の艦魂、もがみです。あなたは?」
将は、ああ、またこのやり取りかと思いつつ答える。
「俺は秋月将二等海士。陸奥の機関士をやってる」
将が答えるともがみは、分かりましたそれではと言って、消えてしまった。
横では陸奥が書類を読んでいる。
将も自分の仕事を真面目にやることにした。
2時間後、陸奥ともがみは呉に入った。
サムライ「はい投稿完了」
陸奥「やっぱりこれくらいの早さですね…」
サムライ「明日からまた遅くなるよー」
将「なんでだよ!もっと早く書け」
サムライ「しょうがないんですよ。明日からまた講習」
陸奥「それならしょうがないですね」
将「いや、サボれ!」
サムライ「さすがにそれは無理。まあでも、授業中に携帯で書くけどね」
陸奥「できるんですか?」
長門「いや、だめでしょう?」
サムライ「自分は携帯で書いたのをメールでパソコンに送ってから投稿してますから。ばれなきゃいいんですよばれなきゃ」
長門「いや、だめでしょう」
将「生きるためにする悪は許される。実際俺は仕事中に陸奥と話してるし」
陸奥「投稿しなくても生きれますよ」
サムライ「授業中に携帯をいじれないってなら、まずはその幻想をぶちころ「死ね!」ぐはっ!」
長門「作者が倒れちゃったわね。まあいいか。そういえば今日は終戦記念日ね」
陸奥「あの戦争で亡くなったすべての人に、黙とう」
陸奥・長門・将「……」
長門「それじゃあ
長門・陸奥「意見と感想まってます」