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第2話 陸奥と長門と二等海士

 翌日、朝食をとった将は機関室へ向かっていた。

陸奥の出港は1000(ヒトマルマルマル)だがそれより前から準備しておかなければならない。

「勉強しておいてよかったなこりゃ」

目の前にあるのは最新式の機関だ。こんなものは、将は見たことがない。将は必死に昨日覚えた事を思い出す。

「まずこれを引いて…」

新型機関に苦戦している彼に横から声が掛かった。

「よぉ、苦戦してんな」

声を掛けたのは鈴谷だった。

周りには少しだが人がいるので、将は敬礼をする。

「鈴谷二尉、何かご用ですか?」

「いや、用はないんだが苦戦してると思ってな」

「確かに難しいです。でも、二尉こそ自分の仕事しないと機関長に怒られますよ」

「ハハハ、お前にそうゆうこと言われるとは思わなかったな。俺の仕事は終わったからいいんだ」

鈴谷は笑いながら答える。

「まあ、一応ちゃんとやれてるみたいだな。俺は他の奴のとこにも行かなきゃなんないから、じゃあな」

鈴谷は行ってしまった。

「また一人でやんなきゃなんないのか…」

将は再び目の前の怪物じみた機関と格闘し始めた。




何とか初仕事を終えた将は、艦内をぶらついていた。

「あー、疲れた」

出港までまだ時間がある。将はそれまでなにをして過ごそうかと考えていた。

部屋で機関の本の続きでも読もうとか思っていた。その時、前の曲がり角から人影が飛び出してきた。

しかし、考え事に集中していた将は、目の前に飛び出してきた人影を避けることが出来なかった。


ドスン!


将と、飛び出してきた人影はお互いに後ろに倒れた。

「いたたた…」

「いたたた…」

二人は同時に立ち上がる。

「あっ、すみません」

ぶつかってきたのは昨日と同じ少女だった。少女は走り去ろうとした。

将はその少女を呼び止めた。

「おい、待てよ」

その言葉に少女は立ち止まる。

「へっ?」

驚いた顔をして少女は振り向いた。

その少女は、美少女としか言いようがなかった。14、5歳くらいの整った容姿に背中の真ん中あたりまでの流れるような黒い髪。服装は常装第1種夏服である。階級章はついているが自衛隊のものとは異なっているため、階級は分からない。

その少女が口を開いた。

「あの、私が見えるんですか」

少女がいかにも不思議という感じで聞く。

「見えるってどういうことだ?」

まず、この艦に女性自衛官がいないことは、昨日鈴谷に聞いて知っている。

「あなたは、艦魂について知っているますか?」

再び少女が聞いてきた。

「艦魂?」

将は首を傾げた。

一応名前くらいは聞いた事があるが、詳しくは知らない。

すると少女は説明してくれた。

少女の説明によると、艦魂は艦に宿る魂で、みな若い女性の姿をしているらしい。

そして戦艦からミサイル艇まで、すべての艦艇に艦魂は存在するらしい。

また艦魂は瞬間移動や空間から物を出すなど、いろいろな能力が使えるとか何とか。

「それで、君は自分が艦魂だと?」

「信じてもらえるんですか?」

少女は喜んだ表情になった。

しかし将は、まだ納得した表情ではなかった。何か証拠があれば信じる事が出来るのだが。

「じゃあ、君が艦魂だっていう証拠はあるの?」

「証拠、ですか?」

「うん。それさえあれば君が艦魂だって信じるよ」

将が言い切ると、少女は言った。

「じゃあ、甲板に行きましょう」

「ここから?」

「はい!」

少女は言うと右手を出した。

将が首を傾げていると、少女は将の左手を掴んだ。

「さあ、行きますよ!」

「行くってどうやって?」

「もちろん瞬間移動です!」

言い終わると二人の体は光に包まれて消えた。




「とうちゃ~く!」

光の中から二人の人が出てきた。一人は将で、もう一人は自称艦魂の少女だ。

「ここは…、甲板か?」

将の言う通りここは甲板である。後ろには三連装41㎝砲が二基と、巨大なアンテナがある。

間違いない。ここは確かに陸奥の甲板である。

「えっと、確か俺は通路にいたはず…」

将は驚きを隠せない。

「これが瞬間移動です。これで、私が艦魂であることを信じてもらえますか?」

これを見せられたらもう信じるしかないだろう。

「わかった。信じるよ」

将がそう言うと、少女はとても嬉しそうに笑った。

「そういえば自己紹介がまだだったな。俺は秋月将。二等海士で機関士をやってる」

将は簡単に自己紹介をした。

「私は戦艦陸奥の艦魂、陸奥です」

艦魂の少女陸奥もまた簡単に自己紹介をした。

「お前のことは陸奥って呼べばいいんだな?」

「はい」

「じゃあ、これからよろしくな、陸奥」

そういって将が笑いかけると陸奥は、顔を少し赤くして答えた。

「よろしくお願いします。えっと、秋月二士」

そこで将はふと、ある疑問が湧いてきた。

「艦魂って俺以外には見えないなの?」

さっきぶつかった時は、自分が見えるのか、と言っていた。

「いえ、私たち艦魂を見ることが出来る人はかなり少ないです」

「そうなんだ」

「じゃあ、なんで俺には見えるんだ?」

陸奥は少し考えち言う。

「さあ、なんででしょうね」

「なんででしょうねって…」

なんかどうでもよくなった。

その時、二人の横に光が現れた。その中から出てきたのは、18、9歳くらいの女性だった。横を通ったのなら誰もが振り向くであろう顔立ちにさらさらの黒いロングヘア。そして着ているのは、陸奥と同じ海上自衛隊の常装第1種夏服である。階級章も、陸奥と同じものをつけている。

その女性が口を開く。

「陸奥、こんなところにいたの?」

優しそうな声だった。

「姉さん!」

陸奥は嬉しそうに言う。

そこで将は考える。姉さんということは陸奥の姉妹艦である長門だろう。

「あなたは長門の艦魂ですか?」

「ええ、そうよ。って、あなた、私が見えるの!?」

その女性、長門は驚いた顔になる。今まで自分を見ることが出来る人に会ったことがなかったのだろう。

「陸奥、この人は?」

長門は陸奥に尋ねる。

「この人は機関士の秋月将二等海士。なんか知らないけど艦魂が見れる人。これでいい?」

なんか知らないけどって…。適当くさっ!

「なんか適当ね」

長門も同じことを思ったようだ。

「しょうがないじゃん。私もさっき知り合ったばかりだもん」

陸奥は言い返す。

長門は陸奥その言葉にもう一言。

「それにしては仲が良さそうだけどね」

「なっ!」

陸奥は顔を真っ赤にする。

そこに長門はとどめの一撃を加える。

「一目惚れ?」

陸奥は顔を両手で隠しているが、耳まで真っ赤になっているのであまり意味がない。

将はなんだか可哀相になってきたので、違う話題を振ることにした。

「なんで長門さんはここに?」

同じ港でも戦艦長門は陸奥の反対側に停泊している。

「決まっているじゃない。呉に行く陸奥を見送りに来たのよ。でも陸奥ったらいつもいる甲板にいないからここまで捜しに来たの。」

「そうなんですか」

ふとそこで将は時計を見る。



9時51分



出港は1000である

「やばっ!そろそろ行かないと!」

ぎりぎりだとまた機関長に怒られる。

将は機関室へ走りだそうとして陸奥に止められた。

「瞬間移動ならすぐですよ」

将はその時陸奥が神様に見えた。

「頼む!」

そして二人は光と共に消えた。




1000 戦艦陸奥艦橋


「機関始動。碇あげ、もやい解け」

艦長の声が響き、陸奥の巨体がゆっくりと岸を離れていく。

「『もがみ』、動き出しました」

そして陸奥に続くように、もう一隻の艦が動き出した。

その艦は、重装護衛艦『もがみ』。重装護衛艦は通常の護衛艦の火力と防御力を強化した艦だ。

もがみも呉所属の新鋭艦である。




長門は自分の本体である戦艦長門の甲板にいた。港を出ようとしている陸奥に向かって手を振っている。

「陸奥!気をつけてねー!」

普通の人には聞こえない声だが、艦魂である陸奥にはしっかりと聞こえていた。


「姉さーん!元気でねー!」




その頃、艦魂の姿が見える人は、

「畜生、化け物め!」

陸奥の機関と格闘していた。




横須賀がだんだん小さくなっていき、陸奥ともがみは25ノットで航行していた。

その二隻を海中から静かに見つめる者がいることは、まだ誰も知らない。

陸奥「遅いですね」

長門「遅いわね」

将「遅いな。他の小説も書いてるわけじゃないだろ」

サムライ「しょうがないんですよ。ねぶた期間中は時間がないし、部活に講習に…」

陸奥「ねぶた?」

サムライ「ああ、自分は青森でねぶたの囃子をやってるんです」

長門「そんなのやってるから遅くなるのよ」

陸奥「今やってるのは、ラノベ、ゲーム、ネット、部活ですね」

将「多すぎだろ。少しはやるもの減らせ」

サムライ「いやです!」


というわけで、遅くなりました。

この小説って読んでる人結構いたんですね。

次回はがんばります。

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