第12話 ミサイル発射! 目標はF-22
サブタイトルはほとんど関係ありません
あしからず
日米武力衝突対策本部、通称大本営。ここでは今、アメリカとの戦いに必要な石油を得る為の会議が行われていた。
出席しているのは内閣総理大臣、防衛大臣、統合幕僚長、陸・海・空の幕僚長である。
「では、そういうことでいいんですな?」
「うむ。尖閣諸島を制圧し、資源を確保するのだ」
――尖閣諸島、石垣島北方約130km~150kmの、北緯25°44′~56′、東経123°30′~124°34′の海域に点在する島嶼群で、尖閣列島とも呼ばれる無人島の集まりである。1895年に日本の領土に編入することが閣議決定されて、日本の領土となっていた。だが1969年に行われた国連による海洋調査で、イラクの埋蔵量に匹敵する大量の石油埋蔵量の可能性が報告されると、台湾や中国が領土権を主張するようになった。最近でもっとも大きかった事件は、2010年9月7日に起きた尖閣諸島中国漁船衝突事件である。
中国は2014年頃からここに埋蔵されている資源を確保するために多数の艦艇を用いて、海域の封鎖を行っている。
「それで、どこの部隊がやるのですか?」
中国も尖閣諸島の防衛にはそこそこの戦力を割いている。並の装備では勝つのは難しいだろう。
「第四護衛隊群を使う。あの部隊なら戦力に不安はあるまい」
寺崎総理が言った。
「了解しました。作戦実行は でよろしいのですね?」
海上幕僚長は寺崎総理に確認をとる。
「ああ、だがその前に中国に一度警告をする必要があるな」
日米開戦から約一ヶ月程がたち、停泊中の第四護衛隊群にも騒がしい日常が戻っていた。
「……はぁ」
上陸から戻ってきた秋月将は、自室に入るなりため息をついた。
理由は簡単。
自分のベッドに俯せになってゲームをしている少女がいたからだ。戦艦『陸奥』の艦魂、陸奥だである。
「おい、なに人のベッドに我が物顔でねっころがってんだ?」
「ダメですか?」
陸奥はゲームから顔を上げて将の方を向く。体の向きはそのままだが。
「いや、駄目じゃないけど。てか何のゲームだ?」
陸奥の持っているのをよく見てみる。
どう見てもP〇Pだ。ついでに銀色。
「ACE COMBATですけど……」
「艦魂ってのはそんなものまでだせるのか?」
もとから便利だと思っていたがそこまでとは。
と将は考えていたがその思考は陸奥の言葉で遮られた。
「そんなわけないじゃないですか。これは秋月二士のですよ」
陸奥はサラっと言った。
「って、荷物の中からほりだしたな!?」
「はいっ!」
陸奥は将の叫びに元気よく返事した。
たしかにゲームを入れていた引き出しの中がぐちゃぐちゃになっている。
「ったく、勝手に出しやがって」
将はぶつぶつ言いながら引き出しを片付け始めた。
「おーい陸奥ー、通信しようぜ」
その時、さざなみの声が部屋に響いた。そして同時に部屋の中心に光が発生する。
現れたさざなみもまた、手にP〇Pを持っていた。
「あれ?秋月いたのか。まあいいや、やろうぜ?」
さざなみは将のベッドに腰掛ける。陸奥も起き上がって姿勢を変えた。
「さざなみ、そのP〇Pどうしたんだ?」
「これか?浅間にかりたんだ」
将は知らない名前に首を傾げる。
「浅間?」
「ああ、秋月は知らないか。俺んとこの砲術士やってるやつだ」
ふーん、と将は適当に返す。返してからベッドが占拠されていることに気付き、しかたなく椅子に座った。
女の子がたくさん居て男が自分一人という状況にはもう慣れたので、たいして気にもせずに読書を始める。
どちらかといえばボタンを押す音の方が気になるとも考えていた。
「うわ、また負けました」
「何回やっても俺には勝てねぇぜ?」
どうやら陸奥が負けたようだ。がっくりとうなだれている。
するとさざなみが将に話しかけてきた。
「秋月、俺と勝負しねぇか?」
「は?」
突然の申し出に将は驚く。だがそれも一瞬のことで、将はすぐに返事をした。
「いいぞ、やってやろうじゃんか」
将は意気込んで陸奥からゲームを受け取り準備を始めた。
「いくぜぇ」
戦闘開始。
将が選んだのはF-35で、さざなみはF-22だった。
「くらえ!」
「当たるかぁ!」
開始直後、将はミサイルを撃つ。がそれは回避され逆にロックされた。ミサイルアラートがなり、慌てて回避行動をとる。
「あぶねぇ」
「チッ」
今度は将は一気に近づいて機銃で狙う。が、かわされて背後をとられた。
「やばっ!」
ミサイルアラートがなり、画面が揺れる。被弾したのだ。ダメージは一気に90%ほど溜まった。
二人ともかなり力が入っている。そんな二人の様子を陸奥はじっと見つめていた。
「そこだっ!」
「やべっ!」
数分後、どうやら決着がついたようだ。
立ち上がるさざなみとうなだれる将がとても対照的である。
「お前強いな」
「まあな」
さざなみは当然だというように返して、ゲームの電源を切った。
「さてと、そろそろ帰るかな」
さざなみがゲームをポケットにしまいながら言った。
「もう行っちゃうんですか?」
陸奥が残念そうに言う。
「ああ、もうすぐ浅間が帰ってくるからな」
じゃあな、と言ってさざなみは転移した。
部屋には将と陸奥が残された。
将が、ベッドに座る陸奥に言う。
「ちょっと寝るから少しよけてほしいんだけど」
「あ、はい」
将は陸奥がよけてできた空間に入り、布団を引っ張った。そしてそのまま寝てしまった。
陸奥はしばらく将の顔を眺めていたが、すぐに欠伸を一つした。彼女は最近夜更かしのしすぎで寝不足らしい。
しばらく一人でぼーっとしていたが、やがて座っているベッドの方に視線を移した。
そこは、陸奥が座っているため一人くらいなら横になれるスペースが空いていた。
陸奥はボソッと呟く。
「少しくらいなら、大丈夫ですよね?」
陸奥は将の布団の中に潜り込んだ。そして将と逆の方を向いて目を閉じた。
さざなみは将の部屋から自分の部屋に転移した。
ミサイル艦などの小型艦はスペースが余っていないが、通常の護衛艦ならほとんどの艦魂には自室がある。
だから汎用護衛艦『さざなみ』の艦魂さざなみも、当然ながら自室をもっていた。
さざなみが将の部屋から自室に転移して最初に見たのは、簡易ベッドに寝そべって漫画を読んでいる浅間だった。
「てめえ、人の部屋で何やってんだ!」
さざなみは大声で怒鳴った。
だが浅間はまったく気にせずに漫画を読み続けている。
実際、彼がさざなみの部屋に入り浸ることはしょっちゅうなのだ。自分の部屋には同室の人がいるからのんびりできない、という理由でいつもさざなみの部屋に上がり込んでいる。さざなみももう慣れたのであまりしつこくは言わない。ため息だけついて本棚から漫画をとり、ベッドの縁に腰掛けた。
彼女の部屋の本棚にはかなりの数の漫画が置いてある。それは浅間が上陸するたびに買ってきた物で、本来なら彼の持ち物だ。だが艦内に置く場所がないのでさざなみの部屋に置かせて貰っているのだ。
さざなみが何ページか読み進めていると、不意に浅間が声をかけてきた。
「適当にポテチとか買って来たけど、食うか?」
浅間はよく上陸するたびにおやつ的な物を買ってくる。
「……あぁ、食う」
返事自体は簡単なものだったが実は結構嬉しかったりするのだ。
「ほらよ」
浅間がポテチを突き出してきた。さざなみは無言でつまみ、口の中にほうり込む。
「暇だー」
浅間が伸びながらぼやいた。
「明後日になりゃ出撃できるじゃねぇか」
さざなみが少し楽しそうに言った。彼女は戦うことは嫌いじゃないのだ。
「俺は戦争なんて嫌だけどな」
「俺は戦うことは嫌いじゃねぇぜ。お前それでも男か?」
さざなみは浅間を馬鹿にしたようにに言う。
浅間はそれに呆れた口調で答えた。
「お前なあ、女なんだからそういうこと言うなよ。黙ってりゃかわいいんだから」
「な!?」
浅間の一言でさざなみの顔は茹ダコのように真っ赤になった。
そして口をぱくぱくさせ何も喋れなくなる
「おい、どうした?」
浅間が声をかけるが返事はなく、俯いたまま黙っていた。
しかししばらくすると頭の中が整理できたようで、顔を上げた。
顔はまだ赤かったが、どこか先程とさは違うようにも見える。
そしてそのままゆらゆらと立ち上がった。
手には木刀が握られている。
「……し、死ねぇ!」
さざなみは木刀を思いっきり振り下ろした。風を切る音がした。
浅間は間一髪でそれを避ける。
「馬鹿やろう!殺す気か!」
「当たり前だぁ!」
浅間は一瞬でドアを開けて部屋の外へ逃げる。その後を顔を真っ赤にして木刀を持ったさざなみが追い掛ける。
「待ぁてぇ!」
「待てっつわれて待つ馬鹿がいるかぁ!」
『さざなみ』の艦内で、生死を賭けた鬼ごっこが始まった。
作戦を明後日に控えても、いつもと変わらない日常がここにあった。
海上自衛隊艦魂広報課『広報かんこん』 第7版
『やっちまった』
サムライ「実は自分、バド部を去年でやめて将棋に入ったんですけどね」
陸奥「それは初耳ですね。で、それがどうかしたんですか?」
サムライ「それで前の土日に大会があったんですよ」
きりしま「へぇ、それで勝ったのかしら?」
サムライ「いや、大会は普通に負けましたが」
さざなみ「駄目じゃねぇか!」
陸奥「ま、まあ初心者だからしょうがないんと思いますけど」
サムライ「確かに初心者ですけど、土曜日の方は単にミスっただけです。王が角とか飛車の射程に入ってるのに気がつかなかったんですよ。そのせいで数分で終わりました。やっちまった」
さざなみ「単なる馬鹿だな。普通は気付くだろ」
サムライ「うっかりしてました」
きりしま「じ、じゃあ日曜日はどうだったの?」
サムライ「わや(すごくの意味の津軽弁)頑張りましたよ。粘って粘って」
陸奥「粘って?」
サムライ「負けました」
陸奥「だめじゃないですか」
サムライ「やっぱ無理ダナ」
さざなみ「話を変えようぜ。見出しはなんのことだ? まさか将棋のことじゃないだろ?」
サムライ「あぁ、土曜日の試合の後、工藤模型店っていうところに行ったんですよ」
陸奥「なんか買ったんですか?」
サムライ「…………扶桑のプラモ」
さざなみ「マジ?」
きりしま「作者ってプラモデル作れたかしら?」
陸奥「ほとんど作たことない気がします……」
さざなみ「なんで始めからそんな難しそうなやつを……」
サムライ「やっちまった……。しかも土曜日に買ったのはいいんですけど、家に帰ってから接着剤がないことに気付いたんです。あと塗料も」
きりしま「まぁ作者らしいわね」
さざなみ「で、買ったのか?」
サムライ「はい、次の日にもう一度いって接着剤と塗料と筆を買ったんですよ。後ピンバイスドリルがちょうどいいのがなかったので、百均で買おうとしたんです」
きりしま「で、どうなったの?」
サムライ「まず百均に細いドリルがなかった。さらに帰ってからうすめ液がないことに気付き、塗料も足りなかった。やっちまった」
陸奥「ていうか何故扶桑なんですか? そこは陸奥を買うべきだと思うんですけど」
きりしま「陸奥を買うってなんかいやらしいんだけど」
サムライ「言うな。本当は薩摩か三笠が欲しかったんですけど売ってなくて、陸奥は高かったんですよ」
さざなみ「微妙なのばっかりだな」
陸奥「浮気はだめですよ」
サムライ「そんなんじゃありませんから」
『編集後記』
サムライ「最近話話題が無いんですけど」
おおたか「私たちに言われても困るよ~」
さざなみ「少しくらいはあるだろ。高総体だとか」
サムライ「俺関係ないしぃ」
陸奥「というか最近話があまり進んでない気がするんですけど」
サムライ「気にしたら負けですよ。もう少しでドッカンバッコンするはずですから、多分」
きりしま「あくまで予測なのね……」
おおたか「そろそろ時間だよ~。今日は↑が長かったからね~」
きりしま「そうね。そろそろ終わらせないとね」
陸奥・きりしま「ご意見・ご感想お待ちしています」