『重装の壁』
風走り隊は、丘の向こうに整列する重装兵の列を見た。
盾の金属が朝日を反射し、槍先が規則正しく並んでいる。
その姿は、まさに動かない壁。
風走りは短く息をつき、ジャベリンを握り直す。
前線を切り裂くには、速度だけでは足りないことを知っている。
■ 初接触
最初の投擲。
ジャベリンを盾の隙間に突き刺す。
僅かな動揺、しかし前列は簡単には崩れない。
「間合いを変えるぞ」
風走りは左手の短槍を握り直し、縦横無尽に動く。
仲間たちも呼応する。
盾列の角度を見ながら、隙間を突く。
だが、重装兵は鈍い動きで防御する。
「速さだけじゃ…この壁は破れない」
■ 壁の前で
歩兵たちは盾を密着させ、槍を突き出す。
ジャベリンは跳ね返されることもあり、回収は困難。
距離を詰めれば、鈍重な槍に押される。
風走りは考える。
相手の重装ゆえの鈍さを逆手に取るしかない。
側面からの角度
敵の視線の外からの投擲
前列が動いた瞬間に短槍で突く
小隊の動きはまだ不完全だが、試行錯誤しながら間合いを支配していく。
■ 危機
一度の油断で仲間が押され、前列に押し込まれた。
盾がぶつかる音、鉄の摩擦音。
風走りは一瞬で反応し、ジャベリンで牽制。
短槍を手に再突入、仲間を救い出す。
「重装でも、止まらなければ崩せる」
その瞬間、壁は完全ではないことを知る。
速度と判断力、そして小隊の意思があれば、突破の可能性はある。
■ 最後の一文
重装の壁は厚い。
だが、風走り隊の疾風は、必ず隙間を見つける。




