『とある脇役の独白』
最初は憧れだった。
幼き頃、初めてそれを目にした時、私は魅了された。
無限の蒼穹に浮かぶ巨大な石と鉄の城。そこで描かれた命の尊さ、人が持つ強さの物語に。
その感動は私が生きるこの世界でも再現できないだろうかという思いに変わり、その思いは一日たりとも妄想しなかった日がないほどの願いに膨れ上がっていく。
だからこそ心底呆れた。
自分の夢が、この世界の問題の先送りに過ぎなかったことに。そしてそれを理解している者たちがいることに。
あの日見た私の夢はとうの昔に穢れていた。
これは逆恨み、私的な腹いせだ。宝物は預かったというやつだ。
この選択が数多の物語と一つの結末へと導いてくれる。私は脇役なりに物語が動き出すまで準備をすることにしよう。
現実とは違う世界、そこに旅立つ時の一声は昔から決まっている。
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I reached beyond the horizon.
真実を知ってしまっては、もう後戻りなどできない。
記念すべき日、時間ちょうどに出したいという思いがあり、先走って投稿してしまいました。これからゆっくりと投稿していきますので、よろしくお願いします。