序章 第2幕 出会いそして、別れ(笑)
柊御巫のせいで、地獄に帰れなくなった閻魔大王まだやらなくてはならない使命があったものの止む負えず地球に留まることに(笑)。閻魔と少女が織り成す日常非日常ファンタジー。コメディー。妖怪物語。是非御堪能あれ。
和風の廊下、点々と不気味に輝く赤く揺らめく炎。そんな中でどこまでもこだまするような、大きな声が聞こえてきた。さあ、耳を済ませてみよう。
「うあああああ、嫌だァー!!。」
まさか、こんなことになるとは最悪だ、こんなやつと一生一緒にいるなんて。まだクリアしてないゲームも、見たいアニメも漫画もあるのに。
「あぁぁー!どうすんだよー。」
「えっ、いやほんと、すみません。」
女子の目の前に行くそして、己の持てる全力で女子の方を揺らす。そんなこしても何も変わらないけどね☆
すると悪魔は、またコホンと咳をひとつしてこう言ったんだ。
「それでは、ほかの方達には私から伝えておきますので。」
ボン
「えっ、消えた‥‥‥。」
あの悪魔め、今度あったらブチ転がしてやる。
「えっ、えっ!さっきまでえ〜とここに居た。そんで、ボンて煙が出て、ほんで、消えた。ドユコト?」
あ〜あ、さてこいつどうしよう、見張るにしてもこいつ女子だし、家に行くのはさすがに‥‥‥。
「キャー、こわーい幽霊だー。たすー、」「うっせぇ。」
「ごめん。」
さて、どっから説明するか。最初は、この場所からだな。気づいて無さそうだし。
「気づいてないようだから言うけど、ここはお前が元々いた場所じゃないからな。」
「えっ!」
そこは、和風の廊下のような作りで、左右には障子が、天井は、よくある十字に交差する木の柱が。ところどころに怪しく光る炎が点々とふわふわと浮いている。あー、覚えてる人いるかな?ほらオカメが出てくる館みたいなところだ。
すると目の前の少女は、オドオドしながら振り返り。横を見て、こっちを涙目で、
「どこ〜」
と言われたので、これからはこいつをいじっての生活だと思った。すると少女は、
「よし、整理しよう、まず、朝起きようとしけど、まだ眠たくて、そしたらふよふよが布団とって。」
「ふよふよ?」
「私の家にいるなんかふよふよしたやつ。」
なるほど、こいつ見える系の人間か。まあ、俺と会話して怖気付いていないところを見ると、こいつそこそこの家系か。
「それで、着替えてー準備してパンくわえて、登校してたら、お化け?鬼?そうだ、あれはなに?」
「ん?あ〜あれ?あれは、まあなんだ?一つ目お兄ちゃんみたいな?」
「お兄ちゃん?しかもみたいなって‥‥‥。まあいいや、えーとそれでそいつにぶつかってなんやかんやあって今。」
思い出しているだけなのに、手をあっちこっちにやったり、全身で思い出しているところは少し‥可愛かった‥。ハッ、俺は一体何を言っているんだ。
女子は、一旦落ち着いたのか、フゥーと息を吐いて、逆の方向を向き、7歩、歩いたらくるっと首だけ曲げて
「で、ここはどこ?」
と言った。こいつは芸人かなんかか?少しからかってやろうと思いこう言った。
「地獄」
と。
「えっ‥‥‥やっぱり私、死んだの?」
「死んだって言ってる割にはあっさりとしてんな。まあそういう訳じゃねぇんだ。あと鬼ごと持ってきた感じ。簡単に言うなら、領域(●)開と、同じ感じ。」
ん?今なんかに邪魔された気がした。
「ふ〜ん。じゃあどうやって帰るの?」
理解が早いな。そんなことを思っていたら、ふと、ある考えが浮かんだ。最高の考えだ。さてあいつはどんな反応をしてくれるかな?ククク
「簡単だ、ハイ、お手。」
「おっ、お手?は、ハイ。」
「あっ驚いて叫ぶなよ。」
「えっ!どういう〜ん、日本だな〜。」
こいつリアクションだけは面白いな。
そこは先程までいた殺風景な、場所とは違い、誰もいないよくある路地裏にいた。ていうか、着いた。
「か、帰るぞ、おまえの家どこだよ。それより親は?」
さっきまでは女子だとか思っていたがもうそんなのはどうでもいいや。
「私一人暮らしよ‥‥‥私語尾によ似合わないな〜。」
こいつ一人でなに言ってんだ?でも面白いやつなんだろうな。
「そういえばお前どこ行こうとしてたんだよ。」
「えっ、どこって‥‥‥‥‥‥。」
瞬間目の前の少女の顔が青ざめ、また泣きそうになった。
「ねぇ、今何時。」
すっと時間を見る2時。時すでに遅しか。可哀想に、せめて明るく伝えてやろう。あ〜俺、優しっ。
「学校は間に合わねぇだろうな〜。」
そういうと俺の予想通りさらに青ざめた。だがここからは予想外だった。なんと目と前の少女は、俺の手をいきなり握って、
「よし、帰ろう。ほら行くよ」
なんて、半泣き笑顔で言うもんだから心臓が飛び出るかと思った。今考えればあの時より前で最後に女と手なんか繋いだのなんか、千年ぐらい前だったかな。だからこんなに緊張したのかな。ハッ俺は何を考えてるんだ