表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
浮気されたので婚約破棄して、義弟と気ままに暮らしています。元婚約者が女性関係で困っているようですが、私には関係ありません。  作者: 木山楽斗


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/70

第48話 怪我している騎士

 私とイルディンは、ダルケンさんとともに村長の家に来ていた。

 村長が案内してくれたのは、とある一室である。そこには、一つのベッドがあり、その上には一人の男性が寝転がっている。


「ダルケンさん……この方達が?」

「ええ、アルメネア・ラガンデ様とイルディン・ラガンデ様です」

「そうですか……このような姿で申し訳ありません。自分は、騎士のログバン・エーリンドと申します」


 ベッドの上のログバンさんは、私達を見て、体を起こそうとした。

 しかし、それは明らかに危ないことである。なぜなら、ログバンさんの腹部には、包帯が巻いてあるからだ。


「ログバンさん、そのままで結構です。無理に体を起こす必要はありません」

「申し訳ありません……」


 イルディンは、そんなログバンさんを制止した。

 当然のことではあるが、こんな状態の人に無理はさせられない。


「それより、何が起こっているのですか? その怪我といい、何か大変なことがあったように思えますが……」

「わかりました。まずは、それをお話ししましょう。村長、自分が知らない部分を話してもらえますか?」

「ええ、もちろんです」


 ログバンさんの言葉に、村長はゆっくりと頷いた。

 この村で何があったか、それはこの二人から聞けるようだ。


「既にご存知とは思いますが、この村は害獣による作物被害に悩まされていました。多くの作物が荒らされてしまい、その害獣に私達も対抗できない程でした。そこで、領主であるラガンデ家様に相談することになったのです」

「ええ、その相談は、僕が取り扱いましたね。それで、騎士団に協力を要請したはずです」

「その要請で、こちらのログバンさんが来てくれました。彼は、とても誠実な騎士です。私達に寄り添いながら、害獣の対策にあってくれました」


 村長は、ログバンさんの方を見ながら、彼を誉めていた。

 ログバンさんがまともな騎士であることは、わかっていたことだ。

 こちらに来た時の接し方からも、怪我をしている様子からも、それはわかる。彼は、真面目な騎士だろう。彼自身には、特に問題はなかったはずだ。


「ただ、それでも、奴に勝てなかったのです。その結果、ログバンさんはこのように怪我をして、動けない状況になってしまったのです」

「動けない状態ですか……」


 村長は、ログバンさんの腹部を悲しそうな瞳で見つめた。

 その怪我が、何によって負わされたものかは考えるまでもない。

 害獣と戦い、彼はこのようになってしまったのである。つまり、この村を荒らす害獣はかなり凶悪なものであるということだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ