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浮気されたので婚約破棄して、義弟と気ままに暮らしています。元婚約者が女性関係で困っているようですが、私には関係ありません。  作者: 木山楽斗


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第41話 騎士を咎める騎士

 出かけようとしていた私達の前に現れたのは、ラーガンとメデッセルの悪徳騎士二人組だった。

 少しだけ話した後、そんな二人の行動を批判しながら、もう一人の騎士が現れた。ダルケン・ウォーファム。まともな騎士が、私達を助けてくれたのである。


「まさか、このような捜査をしているとは、驚きです。ここまで、高慢な騎士がいるとは、騎士団も少し腐っているようですね……」


 気になったのは、ラーガンとメデッセルの反応だ。彼等は、ダルケンさんが現れてから、明らかに動揺している。

 彼の顔を見て、二人は固まってしまっているのだ。この場に、この人がいるなどとは思っていなかった。そのような考えが、わかりやすく見えてくる。


「な、何故、あなたがここに……」

「今回の事件の捜査がどのように行われているのか、調査するためです。それが、私の仕事ですからね。それは、あなた方もわかっていることでしょう?」

「そ、それは……」


 ダルケンさんの言葉に、ラーガンは怯んでいた。

 どうやら、ダルケンさんは普通の騎士ではないようだ。

 確か、騎士には騎士が正しい捜査を行っているか監査する者達がいると聞いたことがある。どうやら、彼はその騎士であるようだ。


「あなた達の杜撰な捜査に関しては、しっかりと調査させてもらいました。どうやら、かなり強引な決めつけ捜査を行っているようですね?」

「そ、そんなことは……」

「残念ながら、あなた方は騎士としての適性がありません。正式に通達させてもらいますが、あなた方にはいずれ厳しい処分が言い渡されるでしょう」

「そ、そんな……」


 ダルケンさんの言葉に、二人の騎士は表情を歪めた。

 厳しい処分の内容は、大方見当がつく。恐らく、彼等は騎士を退職させられるだろう。問題がある騎士は、そのような処分を下されるはずだ。

 そのことは、私にとっては安心できることだった。彼等がいなくなり、強引な決めつけ捜査をやめてくれるなら、とてもありがたい。


「さて、もうあなた達は帰った方がいい。もちろん、まだ捜査する権利がない訳ではありませんが、これ以上何かすれば、私の心証が悪くなってしまいますよ?」


 それに、これから、彼等の被害者がいなくなるというのも喜ばしいことである。

 例え、私以外の犯人が見つかっても、この二人は反省などしなかったはずだ。彼等の根底にあるのは、騎士という地位を誇示することしかない。騎士だからなんでも許されるという考えが、今までの言動から透けていた。

 こうして、二人の騎士は自らの誤った捜査により、色々なものを失うことになったのである。

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