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0051 でも俺ドラクエのエロ同人も買ってたわ、爺さんがぴちぴちギャルになるやつ

 俺は激しい違和感を覚えていた。

 これは夢の世界だと思うのだが、今まで見ていた世界と、雰囲気というか、趣旨がまるで違うのだ。

 一言で言うと、これはエッチな世界ではない。多分。確証は無いけど。


 俺は今、ダーマ神殿に居た。

 何故かは解らないがそう確信出来る。俺が今居るこの場所はダーマ神殿だ。知らない人には申し訳ないが、とにかく有名なその神殿に俺は居るのだ。


「ヴェロニク様ー?」


 俺は辺りを見回し、そう呼び掛ける。広い空間だ……今までで一番広い。


「ヴェロニク様。ああ、そちらですか」


 俺は柱の陰に隠れていたヴェロニクに気づき、そちらに近づく。


「来ないで……来ないでウサジ!」


 しかし柱の影のヴェロニクは、そう言って俺を拒絶する。


「来ないでって言われても、私の夢に入って来てるのはヴェロニク様ですよ。今日は私も聞きたい事があるんです。時間が勿体ないですから出て来て下さいよ」

「私……私にも言いたい事があるわよ!」


 ヴェロニクが柱の陰から顔を出す……今日のヴェロニクはあの肖像画(ミニチュア)に描かれていた真面目そうな濃紺のローブを着ている。


「何て事を……何て事をしてくれたのよウサジ……!」


 俺また何かやっちゃいました? いや違うな、俺はヴェロニクのこの反応を少し予想していた。


「信者の声、大きくなりましたよね? どうですヴェロニク様」

「きゃあああああああ!」


 ヴェロニクは顔を真っ赤にして頭を抱えてうろたえる。なるほど、そういう感じになるのか。



 女神ヴェロニクはあの世界から何かの力で切り離され、虚無の空間に閉じ込められていた。その年月は二百年にも渡り、その間に世界ではヴェロニクにまつわる全ての伝承が消滅していた。

 その事にはその二百年の間にゆっくりと支配を広げ、世界を飲み込もうとしている魔王が関係しているのは間違い無いだろう。人間達は誰もヴェロニクを覚えていなかったのに、魔王の手下のアスタロウはその名前を知っていたのだから。


 ヴェロニクは虚無の闇と絶望の中から、何故か俺の部屋のHDDを見つけ出し、自分とそれを紐付けした……ちょっとエッチな言い方をすれば、それが俺とヴェロニクのビッグバンだったのだろう……いや別に、エッチじゃなねえな。


 そして何とかして俺を元の世界から誘拐したヴェロニクは二百年ぶりに「他人」に出会った。二百年の孤独は彼女の人格、いや神格を破壊し掛けており、彼女はあわや、世界に戻る事よりこの他人、つまり俺を独り占めする事を選ぶ所だった。

 それにあらがえたのは、この俺に鉄の意思があったからである。俺めちゃくちゃかっこよくない? こんな美少女のエッチなお誘いに耐え抜いたんだぞ。

 俺がもっと節操のない人間だったら、俺は発狂するまで、いや発狂した後もずっと、この虚無の闇の中で女神と共に閉じ込められていたのだろう。



 とにかく俺は女神の誘惑に耐え、あの世界へと飛び出した。そして自分が何をすべきなのかという事に自力で気づいた。

 俺は人々のヴェロニクへの信仰を取り戻す事を初め、少しずつ成功しつつある。まだまだ先は長そうだし、色々な障害もありそうだが。

 そして虚無の空間に光が差し、風が吹き出した。風が吹けば雲もやって来るだろう。雲が集まれば雨が降る。雨が降ればやがて大地も見えて来るのではないか。


 そのおかげで今、ヴェロニクの中にはかつての、清楚で真面目な女神だった頃の神格が戻りつつあるのだと思う。人々の祈りの声が、希望の光が、ヴェロニクを正気に戻しつつあるのだ。


 ただし彼女の記憶の中には、セーラー服やら体操服やらを着て俺にエッチをねだった事もはっきりと残っているのだが。



「いやああああ頭の中で全部説明しないでウサジ!! 酷いわ、貴方やっぱり私の心と身体からだもてあそぶつもりなのね!」

「じゃあそろそろ私の頭の中をのぞくのもやめて下さいよ……私だって十分貴女にもてあそばれているんですよ!」

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作者みちなりが一番力を入れている作品です!
少女マリーと父の形見の帆船
舞台は大航海時代風の架空世界
不遇スタートから始まる、貧しさに負けず頑張る女の子の大冒険ファンタジー活劇サクセスストーリー!
是非是非見に来て下さい!
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