0004 目が覚めたら枕元に知らない女が。やれやれまたやっちまった
そして今。爆発ダメージによる気絶、又は死亡より再び目を覚ました俺は……どうやら教会っぽい場所に居るようだった。
「ウサジさん! 良かった、目を覚ましたんだね!」
傍らに水色の髪の可愛い女の子が居る。この子どこかで見たな……
「俺は……眠っていたのか……?」
俺は体を起こす……体中包帯だらけだな。別にどこも痛くは無いのに。
「お前、誰だっけなぁ……悪いな、思いださせてくれねぇか……」
俺は水色の髪の子の目を見て、そう言った……ん? 熱でもあるのかこの子? 急に頬が赤くなった気が……
そこまで言って思い出した。俺は森の中で箱詰めされていたんだ。
「ああっ、申し訳ありません、貴女は確か森の中で私の命を助けてくれた命の恩人! その節はありがとうございました! 私、記憶が混濁していたもので、大変失礼致しました!」
俺は急に態度を換え、ペコペコ頭を下げていた。やばいやばい、キャラ作るの忘れてたわ。
「やあ、気づかれたか……たいした事が無くて良かった」
向こうから、青地に黄色い十字模様の服を着た、てっぺんハゲのおっさんがやって来る。
「はい! もうすっかり大丈夫です! あ、あの、治療費とかそういうのが必要なんでしょうか、やはり」
「ノエラさんが払って下さいましたよ、大丈夫です」
ノエラ?
俺は辺りを見回す……すると、例の水色髪の子が、慌てて自分を指差し、うなずいた。
「なんと貴女が!? どうしましょう、いくらくらいかかりました? 私、御支払いしたいのですが持ち合わせが全く無くて……」
「いや、そんなのいらないから……」
この子はそう言ってくれると思ったぜイエイ!
「それでは私の気がすみませんので! いつか! いつか御縁があったら御支払い致しますので! それでは私これで失礼致します!」
包帯だらけの俺は、治療台らしき所から元気よく立ち上がり、教会の出口へとダッシュ! しようとした所を、ノエラという女の子に袖を捕まれた。
「待って! 僕たちは魔王を倒すため、各地を旅しているんだけど……ウサジさんが入ってた箱は伝説の武器が入ってるはずの箱だったんだ! もう少し話を聞かせて欲しい!」
「……せめて、ノエラが払った治療費分くらいはな」
背後で誰かが言った。振り返ると……薄紫も金色も居た。
何が起きたんだっけ……そうだ、大爆発だ……あれは何だったんだろう。