表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【超人気異世界小説】聖戦のウサジ ヤンデレ女神の24時間監視付き異世界転生  作者: みちなり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

275/279

0275 お別れは突然に

「砕けた魔王魂が消えました! お前たちは見ませんでしたか!?」

「え、ええっ、あの、だけどウサジさん、それは本当に消えたんじゃ……?」


 ノエラは目を丸くして辺りを見回し、勇者の剣を拾い上げて言う。確かに周りでは山を覆っていた瘴気しょうきが薄れ、怪異共も少しずつ姿を消して行っている……魔王魂も消滅していてもおかしくないのだが。

 クレールとラシェルは、そもそも魔王魂が勇者の剣の串刺しになっているのを見たのだろうか?


「クレール、ラシェル……」


 その瞬間、俺の脳裏に何かがひらめく。俺は懐からジュノンが持たせてくれた大変高価だという魔力を回復する薬を取り出して飲む、そして、


「しきそくぜーくうくーそくぜーしき」

「きゃあ」「きゃああ」「きゃあああ!?」


 俺が軽くおはらいを唱えると()()()はたちまち転げ回る、何という事だ……こいつらが煩悩ぼんのうを克服したのではない、俺の魔力が尽きていたのだ。さっきのあれは、俺が心を込めてお経を読んだのに過ぎなかったのだ。

 勇者の剣に打ち砕かれ刺し貫かれながらも、魔王魂は完全には力を失っていなかったのか? わからん、だが嫌な予感しかしない!


「ノエラ!」

「はいウサジさん……きゃああ!?」


 俺はノエラに背中から抱き着き、その腰に足を回し無理矢理おぶさる。ノエラは驚いて悲鳴を上げる。


「ウサジさぁん嬉しいけど仲間が見てる時は恥ずかしいです」

「雲を呼んで飛びなさい! 早く!」

「えっ、あっ、はい!」


 ノエラは頬を染めて狼狽ろうばいしていたが、すぐに俺が何を言ってるのか解ったらしく、離れた所に待機していたゆうしゃクラウドを呼び寄せる。しかしノエラが俺をおぶったまま雲に飛び乗る、その寸前に。


「ウサジさぁぁん!!」


 ラシェルが、俺の背中に飛びついて来た。


「離れて、ラシェル」

「嫌です!」


 俺はすぐそう言ったが、(謀略を使う時以外は)いつもいい子のラシェルが今日は聞かなかった。


「嫌な予感が止まらないんです、行かないで下さいウサジさん、ノエラさんもウサジさんを止めてください、ウサジさん、どうしても行くなら絶対私も連れてって下さい!」

「二人も背負ってたらノエラも動き辛いです、やめなさい! ちょっと偵察をするだけですから!」

「……私もイヤ!!」


 しかしラシェルは俺から離れない。そればかりか、少し離れてきょとんとしていたクレールまで、反対側から抱き着いて来てしまった。


「行くなら四人で行けばいいじゃない、雲に乗れないなら走って行こうよ、あたし達仲間でしょう!?」

「時間がないかもしれないんですよ! やめなさい!」


 ノエラに抱き着いた俺に抱き着く、ラシェルとクレール……三人の体重を支えながら、ノエラがうめく。


「ウサジさん、僕も出来ればウサジさんを独り占めしたいけど、今は二人に賛成です、偵察が必要なら僕が一人で空から見て来ます、だけどどこかに行くなら四人一緒に行きましょう」


 ごめん。本当にごめん、三人は知らないだろうが、俺は魔王魂の根源である女魔術師と僧侶男の本性に触れている。奴らの執念をあなどってはいけないのだ……だけどその事を三人に説明している時間がない。


「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時!」


 俺が一旦ノエラを手放し、フルパワーでおはらいを掛けると、


「きゃあああ!?」「いやああ! やめてウサジさん!」「どうして! どうしてぇぇ!?」


 三人はさっきより酷くもだえ苦しみながら地面を転げまわる。これはくすぐったいらしいので、顔は笑っているのだが……本当にごめん、後で何とでも言ってくれ。

 とにかくこれでラシェルとクレールも離れた。俺は非道ついでにフルパワーのおはらいの効果で笑いながらもがき苦しんでいるノエラを抱え上げ、近づいて来ていたゆうしゃクラウドの上に乗せ、その背中にまたがる。


「ぎゃははは、あはあは、酷い酷過ぎるよウサジさん、僕は馬でもくらでもない」

「何とでもおっしゃって下さい、浮上しなさいゆうしゃクラウド!」


 俺の指示を聞いてるのかノエラが動かしてるのかは解らないが、ノエラにまたがった俺を乗せて、ゆうしゃクラウドはゆっくりと高度を上げて行く。


「ウサジぃぃい! 待ってよぉぉ! あたしも連れてってよおお!!」

「ウサジさぁぁん! 嫌です、こんなの嫌です、待って下さぁい!!」


 クレールもラシェルも、地上から笑顔で俺に手を伸ばしている。

 俺だってこんなのは嫌だ。

 魔王魂が無事消滅したのを確かめたら、戻って来て二人に気が済むまでなじられたい。土下座して謝りたい。

 それから……俺も魔法の付き人ジャージ、買って貰おうかな。そうだ。この戦いが終わったら俺、三人の付き人になろう。それでおあいこじゃないか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
作者みちなりが一番力を入れている作品です!
少女マリーと父の形見の帆船
舞台は大航海時代風の架空世界
不遇スタートから始まる、貧しさに負けず頑張る女の子の大冒険ファンタジー活劇サクセスストーリー!
是非是非見に来て下さい!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ