0193 望みのままに! アズユーライクちんぽっぽ!
それから俺は聖域側の転移門の間の掃除に付き合い、隅から隅まで綺麗に磨き上げた。
俺はその間にヴェロニクに、魔王退治についても報告したのだが。
「本当にごめんなさい、私、ウサジが魔王と戦っている間、ずっと泣いてて……戦いの間中、ウサジの事しか見てなかったの。だからその、魔王魂っていのは見てなくて」
「あれが『魔王』の本体っぽいんですけどね……同じ魔族であるアスタロウという者の体に移り、アスタロウと共に飛び去ってしまいました。『ゆうしゃ』が封印しなくてはならない災厄というのはあれの事で間違いないんですね? どうか知っている事を教えて下さい」
しかしヴェロニクはどうしても今まで以上の事を思い出せないと言う。ゆうしゃは血筋と才能。強力な味方であるゆうしゃクラウドを使いこなせるのはゆうしゃだけ。そしてゆうしゃだけが『災厄』を封印出来る。解るのはそれだけだと。
「私、もっと貴方の役に立ちたいのに……いつもそう思うばかりで。ごめんね」
俺はヴェロニクの体を優しく抱きしめる。身長はノエラと同じくらいだけど、ノエラよりずっと華奢だな、ヴェロニクは。
「そろそろ起きないと。行って参ります」
俺達は聖域の入り口広場に戻っていた。普段はこの世界からは起床と共にテレポートして消えるのだが、今日は時間に余裕があったので、きちんとお別れする事にした。俺はヴェロニクから手を離し、遊園地のゲートのような門を出て行く。
「気をつけてねウサジ。また今夜会おうね」
「ヴェロニク様も、あまり根を詰めませぬように」
俺は手を振り、ゲートの外の坂道を降りて行く。雲が辺りを覆い隠し、ヴェロニクの聖域が見えなくなる……
そういえば、この坂ってずっと降りて行ったらどうなるんだろう? ちょっとやってみようか。俺は少し急ぎ足で坂を降りる。早くしないと目が覚めちゃうぞ。
俺はしばらく、雲に覆われた坂を駆け足で降りて行く。この道は三途の川にでも繋がってるのかしら?
しかし、俺の意識は途中で覚醒してしまい、こっちの世界から消えた。
◇◇◇
俺は元寺院の宿坊の寝室の一つで薄目を開ける……あーあ、起きちゃった。
息子も元気に朝立ちしてるみたいだね。気持ちのいい朝だ。良く寝た。
こんな朝は……そうだな、ゴールドちゃんとエッチがしたいな。あのFカップのおっぱいと見事な腰のくびれ、それを包むえちえちなボディスーツ……たまんねーよな、あれ。とってもプライドが高そうな所もナイスだよね。ああ……あの美魔族のゴールドちゃんと、今すぐエッチがしたい。それが出来るなら、悪魔にだって魂を売るのになー。
……
ところでこの布団、なんか重くない? つーか何この俺の胸にのしかかってるぷにぷには……俺はそれに手を触れる。ぷにぷに……柔らかい……
俺は目を見開く! ベッドに横たわる俺に覆い被さり密着していたのは、装甲を全部外してボディスーツ一つの姿になったゴールドだった! ちょっと待て! 何という不覚、俺今ゴールドに殺されててもおかしくなかったじゃん!
「チッ、目覚めたか」
「め……目覚めたかじゃありません、何をしているんですか貴女は!」
「シッ、声が高い、廊下を竜人族が巡回しているのだ」
「答えて下さい、何をしてるんですか」
ゴールドは淫靡な笑みを俺に向ける。
「見ての通りだ、人目を忍んで夜這いに来た、ウサジ。ヴェロニクの使徒の貴様と、魔族の代表者の私が、これから協力して事を成し遂げて行くのなら、こうするのが一番合理的だと思わないか?」
「人間の男と付き合うなど魔族の男が許さないと言ったのは貴女ですよ、私の演説も最悪だったでしょう、やめなさい」
寝起きの俺の頭は何だか上手く働かない、自分が何を言ってるのかもゴールドが何を言ってるのかも良く解らん。
「ウサジ、お前の演説は完璧だった、魔族は皆お前の言い分に呆れた、平和だの協調だの有り得ぬと、」
ゴールドは笑みを浮かべてそう言いながら俺の右足に自分の両足を絡ませて締め上げて来る。
「しかし魔族はお前の言い分に反発しながらも、お前の暴力には誰も勝てないと考えたのだ、魔族はそういうものに弱い、真逆の主張をして来る、強過ぎて勝てない相手にな……私も例外ではない」
さらに俺は右腕をゴールドの両腕に抑えられていて、唇を奪われないようにするだけでもやっとだった。
「だが私にとってお前はそれだけじゃない、お前の使い魔共はみんな酷くお前に首ったけだ、私があのノエラとかいう悪魔にどれだけ追い掛けられたと思う、あの悪魔にそこまで溺愛されるお前の体とは一体いかなる甘美な物なのか、だから私は思うのだ、欲しい、お前の体が欲しいと」
「離せッ……離しなさいッ!?」
「ウサジ、妹とは、シルバーとはどこまで進んだ? 全く手をつけてないという事はあるまいが、交わってはいないのだろう? あれはまだ生娘だ、私には解る、クク、ク、何という背徳の味わいだろう、妹が身を焦がし、命を賭けて愛した男の体を寝取ると言うのは」
「何を言ってるのか解りませんッ……!」
「口づけぐらいはしたのか? あのノエラという悪魔にしたように、ああ、あの口づけが! ウサジ、貴様が悪いのだ、あんな口づけを見せつけられたせいで私は我慢が出来なくなったのだ、ウサジ!」
あっ……ああっ……ゴールドの唇が、俺の唇の端に重なる……
その時。
―― バシャーン!
お湯を入れた桶が、床に落ちたような音がした。
「ウサジ様ーッ!!」
あの声は……ジュノン!
毎朝俺の為に洗顔用のお湯と手拭いを持って来るジュノンが、今日もちょうどこのタイミングで現れたのだ!
「チッ、まずい所に現れたな」
「ウサジ様から離れろーッ!!」
突進して来るジュノン、俺から飛び退いて離れるゴールド……俺もとにかく、上半身を起こす。
部屋の鎧窓が開いていた……ゴールドは窓から侵入していたのか。
「ククク、これで諦めたと思うなよ」
えちえちなボディスーツ姿のゴールドは、ジュノンを避けて部屋の入り口から駆け去る……あ……ああああ……びっくりどきどきしたなあ……まさかあの子が夜這いを仕掛けて来るとは……
「ウサジ様……!」
そしてジュノンにそう呼ばれて振り返った瞬間、俺はジュノンに唇を奪われていた……ほげえええ!?
ジュノンのキスは軽い挨拶とかそんな物じゃない、舌を唇の周りに這わせ、油断すれば口腔の中にまで入って来そうな濃密なものだった。
そして俺の裏切り者のぴんぴんが震える……畜生ぉぉ……これは酷い禁欲生活のせいだ……
ジュノンは唇を離し、すぐにハンカチを取り出して俺の口の周りをぐりぐりと強く拭く。
「ごめんなさいウサジ様、だけどあの女が何をしたか解りません、変な薬や毒でも塗りつけていたら大変ですから清めさせていただきました、ウサジ様は唯一無二のヴェロニク様の使徒で、僕達の最後の希望の方なのです!」
そんな事言われてもねえ。俺のちんこはまだ立っている。違う。これはただの朝立ちであって、ゴールドには何かの影響を受けた可能性はあるけれど、ジュノンとは何の関係もない。
ジュノンは相変わらず、上半身には空色のシャツを、下半身には白いミニスカートを着けている……俺同様、装備はぬののふくだけだな。
そして俺の股間の裏切り者は、このまま自分に泣きすがる美少女をやっちまおうと提案している。
「ジュノンさん、そういうのはやめて下さい。前にも申し上げたでしょう、自分を大切に出来ない人は連れていけませんよ」
「でも……! 僕はウサジ様が心配で……ウサジ様……!」
俺は泣き濡れるジュノンを胸に抱き寄せる。泣きじゃくるジュノン……そして俺のちんこは、ビンビンに朝立ちしたままだった。