0137 ワクワクチンチンランドへようこそ! 僕はちんこの妖精のポコちゃん(裏声
今夜の夜直はいつも以上に真面目にやらなくてはならない。昼間出会ったゴールドは50人のトカゲ兵を従え、俺達の命を狙っているのだ。
一度に寝るのは二人だけ、残る三人は警戒、焚き火もなし。ジュノンは全員に魔法の虫除けを配ってはくれたが、モンスターに出会ったらなるべく静かに、速やかに倒さなくてはならない。
しかしまあ、そんな夜に限って騒ぎ出すのが俺のちんぽ先生である。今日の昼間はエッチな事を考える機会が多かったんだよねー。
ノエラがラシェルに抱きついて泣いている姿は可愛かった。可愛くてちんぽ先生も思わずジャンプしちゃってた。俺が心の中で今ジャンプするのはおかしいよと言ってやったら、その時はすぐに座り直してくれたが。
今テントの中で寝てるのはそのノエラとラシェルである。どうだろう? 今からテントに忍び込んで片方ずつ揉み揉みしてペロペロするというのは? いや……それはあまり現実的なプランじゃないな……夜直をサボる事になってしまうし。
そうは思いながらも、俺の足は自然とテントの方に向かっていた。しかし。
「ウサジ様、こちらは異常無しです」
テントの前には留守番としてジュノンが待っていた。クレールの方は周辺を警戒に出掛けてるのだが……これではこっそりテントに入るのは無理である。俺は再びテントの前を離れる……なに先生? テントに戻れ? 無理ですよ今は。
まだ何かブツブツ言っている先生を宥めつつ、俺は視界を覆う背の高い草の周りを歩いて行く。この草が野営地を外から隠してくれるわけだが、そのせいでこちらも外の様子がよく解らないのだ。だからこうして周辺を歩いて警戒しないといけない。
10分ばかり、退屈な散歩が続く……すると先生がまた騒ぎ出す。
ジュノンが居るなら、ジュノンに御願いしてはどうかと。あいつ、頼んだら普通に相手をしてくれるんじゃない?
いや勘弁して下さいよ先生、何度言ったら解るんですか、中身は男なんですあれは、そんな奴になんて言ってお願いしろと言うんですか。
言葉はいらない? 後ろから抱きしめて押し倒してあとは成り行きで?
あのさぁ……
「あの」
ちょうどそんな事を考えていたところに真後ろからそのジュノンに声を掛けられた俺は、飛び上がって驚く。
「ヒッ! びっくりした、驚かさないで下さい!」
「ご、ごめんなさい」
「いや待った、今のは私が勝手に驚いたんです、すみません。どうしたんですかジュノンさん」
「ええ、いえあの、ぼ、僕、ウサジさんに御願いが……」
ジュノンは俯き、小刻みに震えていたが……やがて顔を上げ、俺を真っ直ぐに見た。
「御願いします、僕を抱いて下さい」
えっ。
ええええ!? 待て! ちょっと待て先生タイムタイムタイム、だめです先生落ち着いて!
「僕、ウサジさんの事が好き過ぎて、もう我慢が出来ません……御願いします、どうか仲間達には内緒で、僕に……ウサジさんの愛を下さい!」
……
あれ先生? どうしたの先生、行かないの? 何で? 体調でも悪いの?
何だよ急に大人しくなりやがって、人格者のふりでもしてんの? 下らない事を言うなよ先生、行こうよ、来てくれって言ってるんだからさあ、テントに戻る手間も口説く手間も省けたじゃん。ちんぽ先生?
「……ジュノン」
俺はジュノンの両肩を掴み、ぐっと下に押す。ジュノンは大人しくその場にぺたんと座る……白いミニスカートが汚れてしまうな……まあ、そんな事を考えている場合じゃないが。
辺りに他に気配は無いか? 無いような気がする。いや、無い。ここには俺と、このジュノンしか居ないようだ。
ジュノンはそのまま、仰向けに寝そべる。俺はその体に四つん這いに覆いかぶさる……!
「ウサジさん……」
ジュノンがそう、切なげに言った、次の瞬間。
「……ぐっ!?」
俺の左腕は、ジュノンが俺の背中に伸ばそうとしていたその右腕を掴んでいた。俺はその手首をねじ上げるように、俺と、ジュノンの顔の間に引き寄せる……ジュノンの手には、返りのついたアイスピックのような、凶悪な暗器が握られていた。
「懲りねえ奴だなァ。ヘタクソ過ぎんだよお前の変身はよォ、シルバー」
ジュノンの表情が憎しみに歪む。