表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【超人気異世界小説】聖戦のウサジ ヤンデレ女神の24時間監視付き異世界転生  作者: みちなり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

104/279

0104 ありがとよマイボーイ、やっぱりお前は一番の味方さ。これからも宜しくな

 それは、いいタイミングで出て来たとも言える。正直俺はこの状況にちょっと困っていた。


「貴様、シルバーに何を……何をしたァァ!」

「ばっ……馬鹿ッ……!」


 女が二つミスをした。寝不足でボンヤリしていた俺の脳細胞も、それでようやく目を覚ました。一つ。女は俺の腕に抑えられながら、自分の身体から離れて浮かんでいた瓢箪ひょうたんを何とか掴もうとした。もう一つ、自分の名前をバラされて動揺してしまった。

 俺は瓢箪ひょうたんに気づかないフリをしながら、シルバーちゃんを見下ろす。


「あいつの目の前で俺の女にしてやろうか? シルバーちゃん」

「い……嫌だ!」



 俺は女の名前を呼ぶ瞬間に、そっと瓢箪ひょうたんに触れていた。直前の台詞のせいで俺の目からから視線を離せなくなっていた女はそれに気づかなかった。


「う……わあああああ!」


 次の瞬間。女……シルバーの姿はゆらりとゆがみ、渦巻く煙のようなものへと変化して……瓢箪ひょうたんの中に吸い込まれてしまった。



―― ガァァン!!


 そして俺は側頭部から強い衝撃を受けて吹っ飛ぶ! クッソいてぇ、多分飛び蹴りだと思うがまともに喰らっちまった、早く態勢を立て直したいが足元は湯船だ、一方、敵は空を飛ぶ事が出来る奴だ!


―― ドォォ!!


 続く胸板近くへの攻撃を俺はどうにか腕を盾にして受け流す、しかしこいつは爪に長い刃物をつけているのだ、結構な血が流れる……どこだ、どこだアスタロウッ……まずい、見えない、


―― ガッ……!


 三発目の、爪を立てて真っ直ぐ俺の顔面を狙って繰り出された突きを、俺は手首をとらえて受け止め、カウンターパンチを食わす……だが足元が悪く鋭いパンチが出せない!


 間一髪、俺のカウンターを回避したアスタロウは、腕を蹴り払って飛び退き、上空へ逃れて構え直す。


「貴様はヴェロニクの使徒とやらではなかったのか! 貴様のような奴は正義などというにもつかぬ物を信奉しんぽうし、紳士である事をむねとして、欲望を我慢する事しか出来ない愚かな忍従にんじゅう生活をしているのではなかったのか! 貴様……か弱い若い女魔族に今、何をしていた! 答えろヴェロニクの使徒ウサジ!」


 あ……悪魔っぽい奴が正義とかジェントルマンシップとか持ち出して来るんじゃねえよ……だけど一言も言い返せねえ。申し訳ありません、俺、シルバーちゃんに無理やりエッチしようとしてました。

 だけど仕方なくない? 俺仲間四人も誘拐ゆうかいされた挙句、裸で入浴してる所を刀で襲われたのよ? 反撃しようにも、武器はちんこしか無かったのよ?


 俺は……瓢箪ひょうたんを手に、上空のアスタロウを真っ直ぐに見上げる。


「魔界の紳士、深遠なる者アスタロウよ。頼む、俺の言い訳を聞いてくれ」


 俺は涼しげな眼で、そう言った。


「深遠なる者……? それは……俺の二つ名かウサジ!? あ……あァァァー!」


 俺の問い掛けに答えてしまったアスタロウは、やはりつむじ風へと変化し瓢箪ひょうたんへと吸い込まれて消えた。



「はぁ……」



 俺はまず、自分の姿を見る。全裸は仕方ねえけど、アスタロウの攻撃は痛かった。腕にはかなり深い切り傷が出来ている……俺は自分にしゅくふくを掛ける。

 しゅくふく……腕の傷は僅かな傷跡を残して治った。100%完全には治さないのがヴェロニク流なのかな。人間、傷跡を見たら次は気をつけようって思うもんな。


 これは名前を呼ばれ返事をした者を吸い込む、魔法の瓢箪ひょうたんらしい。

 それで……仲間達はこの瓢箪ひょうたんに吸い込まれちまったってのか?


 シルバーはジュノンに変身して現れた。あいつはそういう力を持つ魔族だったのだろう。


 最初の婆さんはあいつだった。

 それから山菜を採りに行ってクレールだけが戻って来た、だけど本物のクレールはもう吸い込まれてたんだ……シルバーはいつクレールの名前を知った?

 それからクレールに化けたシルバーは俺達を温泉に連れて来た、そこは覚えている。ノエラとジュノンはお互いの名前を言ってしまったのだ。


 その後何が起きたのかは解らないが、俺が暢気のんきに風呂に入ってる間に、ノエラとジュノンが吸われ、何かで名前を知られたラシェルも吸われてしまった。しかしさすがは賢者、ラシェルは吸い込まれる直前に俺にヒントを残してくれた。


 とにかく。どうするんだよ、この中に仲間達が吸いこまれてるなら、どうすりゃいいんだ、助ける方法はあるのか? ヴェロニクに聞きに行くか?

 いや、まずは一番原始的な方法を試してみよう。


「ラシェル。ラシェルは居ますか、出て来なさい」


 俺は瓢箪ひょうたんの入り口に向かってそう呼び掛けてみた。


―― ぷしゅぅぅぅう!


 ヒエッ!? 瓢箪ひょうたんの入り口から風が吹いて! 中からつむじ風のようにラシェルが飛び出して来て、実体化した!


―― ドボーン!


 あっ、しまった、ここまだ岩風呂だったわ。つーか俺全裸じゃんダメダメ! 俺は近くにあった()()()で俺のコモドドラゴンを隠す、待って下さいおまわりさん、わざとじゃないんです、俺はわざと少女に全裸を見せたわけでは……!


「ウサジさん……ウサジさぁぁぁん!」


 湯船の中から立ち上がったラシェルはいきなり俺に抱き着いて来た。


「良かった、無事で……勝ってくれたんですねウサジさん……! 怖かった……怖かったぁぁあ! ふえぇぇぇ」


 ラシェルが……本気で泣いている。

 まず……そうか、瓢箪ひょうたんに囚われた者は取り出す事が出来るのか。それも名前を呼ぶだけでいいんだな。

 だけど所有者に名前を呼んで貰わない限り、中に閉じ込められた者は外に出れないのか。


「良かったぁぁ……ふえっ、ウサジさんが無事で良かったぁぁ……ふえっ……ウサジさん……ウサジさぁぁん」


 やれやれ……陰謀系ゴスロリ女賢者も形無かたなしだな、こうなると。だけど良く頑張ったな。自分が危ない時に他人に危険を伝えるなんて、簡単に出来る事じゃないよ、偉いな。怖かったなラシェル……俺はラシェルの頭をでてやる。


「ウサジさん……ん……」「ひいっ!?」


―― ドボーン!!


 調子にのって乳首をめだしたラシェルを、俺は湯船にブン投げる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
作者みちなりが一番力を入れている作品です!
少女マリーと父の形見の帆船
舞台は大航海時代風の架空世界
不遇スタートから始まる、貧しさに負けず頑張る女の子の大冒険ファンタジー活劇サクセスストーリー!
是非是非見に来て下さい!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ