表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/279

0100 いや切ったら俺ウサ子になっちゃうじゃんアハハッ……いやアハハじゃねえ

このサイトに「いいね」機能が実装されました!

「いいね」はログインさえしてれば使用出来て、ツイッターやフェイスブックなどと違い、どこの誰が「いいね」したのかなどは一切解らない仕様みたいです!

ですからどうか皆様、軽い気持ちで「いいね」を押してください! 「読んでやるから、明日もちゃんと更新しろよ」そんな気持ちの意思表示と思って! 是非是非、文末の「いいね」ボタンを押してください!

 俺達は夜のうちに、逃走した魔族兵を捜索していたラガーリン達と合流した。奴らから話を聞き出すのは困難を極めたが、魔族兵達は近くの仮野営地でさんざん(うち)()()めをした挙句、さらに森の奥にある廃村へと撤退したらしい。


「ありがとう。おまえたち、つよい。ゆうかん。もう帰っていい」


 ラガーリン達もこの仕事をするのは恐ろしかったようである。俺にめられ、仕事からも解放されたという事が解ると、得意げで、かつホッとしたような表情で、腕組みをしてうなずく。


「我々は少し仮眠を取りましょう……最低限の野宿になりますが、いいですか?」

「私達ウサジさんに会うまで、冒険中はほとんど森で野宿してました」

「ずーっと睡眠不足だったよね」「野宿ってほとんど疲れが取れないのよねー」

「……じゃあ慣れたもんですね」


 しかし、俺がそう言って自分の荷物の方を向いた時には、ジュノンはもうそのへんの草を利用したカモフラージュテントを完成させていた。


「すみません、ちょっと小さいですけど」

「あ……ああ……見事なもんですね……」



   ◇◇◇



 ラガーリン達は帰り、ノエラ、クレール、ラシェルは先にテントの中で眠った。

 つまり起きて見張りをしているのは俺とジュノンという事になる。勘弁してくれよ……気まずいなあ。

 もしかして、今後この旅はこういう形になるのか? 野宿する時は男チームと女チームに分かれてテントを使うのか? 合理的っちゃあ合理的だけど……ウンザリする話だな、こりゃ。


「……少し……以前の僕の仲間達の話をさせていただいても宜しいでしょうか」


 小さな焚き火に当たりながら、ジュノンがつぶやく。別に興味はないが、いい加減あの金髪キザ野郎の名前を知りたいような気はする。


「あの人達がウサジさんの目にはどう映ったか解りませんが……皆さん、最初は魔王討伐に燃えていたんです。魔王を倒して、モンスターの出所を止めるんだって。一人一人は個性の強い人達だけど、抱えてる想いは一緒だったんです」


 それは特に興味のない話だったので、俺は黙っていた。あの女魔術師もなあ……さすがに魔族共の女になったってのはドン引きだわ。


「デッカーさんも心根は優しい人だし、ソーサーさんも正しい人なんです。本当はメーラさん、いえ……メーラだって、パーティが崩壊したりしなければ、あんな事にはならなかったんじゃないかって」


 いや待てよ? つー事は今のメーラは悪の女幹部って訳か。ぼいんぼいんの悪の女幹部……捕まえて尋問室の壁にはりつけにして……ねちねち、ねちねちと……


「あの、勿論次に遭った時はちゃんと敵として扱います、メーラは魔族側についた危険な魔術師だって、僕は直接戦う事は出来ませんが、皆さんを支援して必ず」

「無理をしなくて結構です」


 俺はジュノンの言葉をさえぎる。


「今はメーラを脅威きょういとして扱わなくてはならないのは仕方ありませんが、出来れば戦わずに済ませたいですね。魔王が滅べば、彼女も目を覚ますんじゃないですか」


 捕まった悪の女幹部なんて、どんな事をされても仕方ないよなあ? こっちはどんなエロい事しても許されるよなあ? 正義の名の元に……た、たまらん……何をしても正義だって、そんな事あるんだあ。うぷぷぷ……


「ウサジ()……!」


 あ? 何だよ今いいとこなんだよ話し掛けるんじゃねえ。いちいちメソメソ泣きやがって、湿っぽい野郎だな本当に。



 やがて、仮眠を終えた女共がテントから這い出して来る。


「ウサジさん、交代しますよ」

「じゃあ、そうさせてもらいましょうか」


 俺はテントの中にもぐりこむ。


「失礼します」


 ジュノンも続いてテントに入って来る。まあ、そうなるよな、それは。

 そしてジュノンが用意したこのテントは狭い。本当に並んで寝るだけしか出来ないテントだ……こんな狭い所で野郎と並んで寝るなんてゾッとしないわ。床下にたっぷり草と枝を仕込んでるらしく、寝心地はフカフカで快適だが。


「おやすみなさい、ウサジ様」

「ええ、おやすみ」


 俺はジュノンに背中を向けて寝てるのに、ジュノンはこちらを向いて寝ているのか。何考えてんだ。

 あと……やめろ。やめろ俺のマジックボーイ、シャレにならないから。こいつは男、男だから。自慢の変身は今はしなくていい、やめろ。


「ウサジ様は」


 ヒッ……ジュノンがまだ何かささやこうとしている……こいつ見た目もだけど声も完全に女性化してやがる、そして近いよ! 声の出所でどころが近い、やめろ! お前も反応すんなマジックボーイ!


「ヴェロニク様の為に、女犯(にょぼん)妻帯(さいたい)を断たれているのですか?」


 こんな所で何の話だッ!? ざけんな、意味解らん黙れ、黙れッ!

 俺はひたすら、寝たふりを続ける。すぅー。すぅー。


 幸いジュノンは静かになった。ああ全く、早くヴェロニクに会いに行かなくちゃ。眠るぞ俺は、早く早く早く、あと二時間もしたら起こされるんだから! しかし人間、そんな事を考えていると余計眠れなくなるものだ。


 ジュノンは眠ったか? やっと眠ってくれたのか? だけど向こうを向いて確かめるのは怖過ぎる。俺は背中を向けたまま、寝たふりを続ける。

 あ、少しだけ眠くなって来た……よし、寝るぞ。寝る……俺がそう考えた瞬間、ジュノンは向こう側に寝返りをうち、さっきよりさらに小さな声でささやく。


「僕……身体は女の子だけど心は男です。だから……ウサジ様が僕の身体を使()()()何をしても、女犯(にょぼん)の罪には当たらないと思います」


 のわぁあああ!? 何を言い出すんだこの、この美少……美……はうああ!? マジックボーイが、俺のマジックボーイが巨大化する!? やめろふざけんなマジックボーイ! 根元からぶち切られてえのか!


「他の人には絶対嫌ですけど……僕、ウサジ様になら抱かれてもいいです……いいえ。僕、ウサジ様に抱かれたいです」



 それきり。ジュノンはようやく静かになり、やがて寝息を立て始めた。


 この夜俺は一睡も出来ずただテントの壁を見つめて過ごす事になり、ヴェロニクには会えなかった。

おかげさまで!!1! この物語も100回目を迎える事が出来ました!1!1 (本当は20話でおしまいの話でした)

魔の78回が8日間書き上がらずに膠着してしまった時はもうだめだとまで思えたんですが、わからないもんです、そこを突破した後は変な勢いがついて毎日更新が続いております!


今回の話では精神力に軽い致命傷を負った主人公、はたしてどうなるのでしょうか! ぜひぜひ、なまけ者の作者共々応援の程、よろしくお願い致します!! 月並みなお願いで恐縮ですが、出来れば下の方の、ポイントを入れて作者を応援しましょう! の文字のさらに下にある五つの☆を! 五つの★に、五点満点の星★に変えていただけますと、ウサジと作者の大変な喜びと感激に、連載のためのさらなるエネルギーになります! 何卒宜しくお願い致します!


どうかこれからも、お付き合い下さい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
作者みちなりが一番力を入れている作品です!
少女マリーと父の形見の帆船
舞台は大航海時代風の架空世界
不遇スタートから始まる、貧しさに負けず頑張る女の子の大冒険ファンタジー活劇サクセスストーリー!
是非是非見に来て下さい!
― 新着の感想 ―
[良い点] 100話〜 おめでとうございます! (クラッカー音)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ