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境界のクロスシティ  作者: 空廻 永遠
第二章-境界的日常生活『始まり』-
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新たな家『バハムートIV』

気が付くと真っ暗な場所に居た。

いったいどこだろうか?ベッドにダイブして……その後の記憶は無い。

周りを見回しても視界に入るのは深い闇のみだ。


「ここは、いったい?」


声を発してみても何も変わらない。

夢だとしても不思議だ、意識がしっかりとあるの

だ。

突然暗闇の世界に声が響く。


「ここはお前の心の中のひとつの部屋だ。お前は目覚めれば忘れてしまうが、何度もここを訪れている。ここはお前が忘れた記憶の世界。お前の真の力が眠る場所とでも言えば良いのだろう。」


あり得る話だろうか?心の中に居るなんて。


「訳が分からない、それにお前は誰だ?」


「やはりそうなってしまうか……私は……おや……時間が来てしまったようだな……いつかお前が私を解放する時を待っているぞ。」


その声とともに意識が薄れていく。



「………て!………っち…きて。ハクっち起きて!」


ドスンどいう重い音と同時に強い衝撃が走る。


「グフッ……お、おう、起こしてくれてありがとう……な。」


ヒカルが起こしてくれたようだ……とても痛いが。


「あ、やり過ぎちゃった?でもでも急いで支度してね?千里さんと冥夜さんがリビングで待ってるよ!今日は寮での集会が朝にあるんだよ!」


そうか、昨日眠気で全然聞いてなかったから知らなかったのか。いずれにせよ先輩を待たせる訳にはいかない。早急に準備をする、といっても着替えるだけだが。


「そうか、着替えたらすぐいくからヒカルは先に行っててくれ。」


「りょーかい。朝ごはんは冥夜さんが作ってくれてるみたいだけど、とても美味しそうだよ!それじゃ待ってるね~。」



すぐに着替えてリビングへ行くと、千里さんが茶髪であるのに対して白髪でほぼ千里さんと同じ見た目をしている獣人(?)が料理をしていた。


「おや、来たようだね、おはよう白亜くん。」


「おはようございます。」


「冥夜は料理を作っている間は喋らないんだ、集中力が凄いのでね……。」


ヒカルは冥夜さんの手伝いとして千里さんと一緒に料理を運んでいた。


「俺も手伝いますか?」


「ふむ、ちょうど終わってしまったんだ、では白亜くんには片付けを手伝って貰おうかな?それじゃあ座ってくれ。」


「分かりました。」


綺麗に磨かれたテーブルの上には四人分の食事が出されていた、見た目からとても美味しそうだ。


「そういうことで、良いよな冥夜?」


いつのまにか千里さんが隣の席に座っていた。

向かいの席にはヒカルが座るようだ。


「もちろんだ、手伝ってくれるのはとてもありがたい。白亜くんといったか?よろしく頼む、俺は白狐の葉月冥夜だ。」


「よろしくお願いします。俺は人で天月白亜と言います。」


挨拶を交わし、全員が席につくと、千里さんが口を開く。


「さて、それじゃあルームメイトが揃って初の食事をしようか~それじゃあ白亜くん、ヒカルくん、そして改めて冥夜、これからよろしく!」


「「よろしくお願いします!」」


「おう、よろしくな、それじゃあ、いただきます。」


「「いただきます!」」


こうして朝食の場は進んでいった、様々な事を話して、朝会が終わったら街を案内して貰うことになった、とても楽しみだ。


「美味しかった~冥夜さん凄い料理上手ですね!」


皆食べ終わり、ヒカルが呟く。

ヒカルの言うとおりとても美味しいのだ、そのうえ量もちょうど良く、とても元気が出る朝食といった感じだ。


「そうか、そういってくれるととても嬉しいよ。それじゃあそろそろ朝会に行く準備をしようか。」


「そうするか、それじゃあ、ごちそうさまでした。」


「「ごちそうさまでした!」」


挨拶の後、俺は冥夜さんと一緒に片付けを手伝った。ヒカルと千里さんはさっき朝食で話していた趣味のゲームについて話している。



片付けも終わり、各々準備が出来たところで、移動を開始する。


「会場まではそこまで距離は無いけど、何かあったら言ってくれよ。」


「はい、気遣いありがとうございます。」


千里さんと冥夜さんはとても心配してくれているが、やはり迷う人が居るのだろうか?

聞こうと思ったがタイミングを逃がしてしまい、もう会場に着いていた。


「さて、あとは始まるまで待つだけだ、まぁ、俺からの忠告としては、話はちゃんと聞いていないと後々後悔するぞ、特に、副寮長の話だな。」


冥夜さんが俺とヒカルにそう伝えてきた。

昨日まともに話を聞いていないのだ、もとよりしっかり聞くつもりだが、少し緊張する。


そんな事を考えている間にも、どんどん人が集まってくる。そして着いてからおよそ10分後、朝会が始まった。


「皆さんおはようございます。私は寮長の愛龍です。」


「皆さんおはようございます。私は副寮長のルーニャと申します。」


「「よろしくお願いします。」」


一斉に拍手が起こり副寮長が一歩下がる。

寮長は千里さんや冥夜さんのように狐のようにも見えるが、ルースのように狼のようにも見える。おそらくだが狼系と狐系のハーフなのだろう。


「えー、まずは寮長である私から挨拶をしたいと思います。まずは入学生の皆が無事に皆揃ったこと、とても嬉しく思います。これからこの寮が皆の家となります、皆家族のように接して、仲を深め、それぞれの学校での活動に力を注ぎましょう!そして2、3年生の皆は優しく接してあげてください!それでは皆、これからよろしく!」


またもや拍手が起こる。さっきよりも巨大な拍手だ。

寮長はルースよりも明るく、皆に元気を与えられるような存在だと思った。

そうして寮長が一歩下がり、副寮長が一歩前に出る。

副寮長は天使の羽とガラスのような綺麗な羽が1対ずつ背中にある。

とても美しい、周りからはひそひそ話が聞こえてくる、聞こえた話によるとファンクラブがどうとか。普通ではあり得ないがあの姿ならばあり得なくも無いと感じさせられる。


「皆さん、まずは愛龍の言っていた通り、これからよろしくお願いします。そして、しっかり聞いて欲しいのですが、獣系の姿をしている方は、廊下をひとりで歩かないようにしてください、とある方に部屋に抱きつかれる可能性があるので……(そういって副寮長は寮長の方をチラリと見る)まぁとにかく、注意してください。皆さんが楽しい学校生活を送れるように皆さんで作り上げましょう!」


副寮長が話を終えて礼をするとさっきよりも大きな拍手が送られる。

副寮長はしっかりしているイメージだ。

寮長がなにやら怪しそうな気がするが、まぁ大丈夫だろう。


「これで朝会を終わります。この後私のルームメイトは私の所まで来るように、それではお疲れ様でした。」


皆一斉に動き始める、俺は街を案内してもらうならという事で、ルースを誘うことにしていたため探そうと周りを見渡すが全く見当たらない。


「おや、さっき言っていた子を探しに行くのかい?その子の部屋の番号覚えているかい?」


千里さんが心配して声をかけてくれた。


「えっと、確か……02だったはずです。」


「ふむ、02なら寮長の部屋か。前に居るんじゃないかな?寮長への挨拶ついでに行こうか。」


ヒカルと冥夜さんも一緒に行ってくれるらしく、四人で前へと行こうとしたとき、向かっている方向から女性の悲鳴が響く。

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