先輩と自由の鷹
長い間更新を休んで申し訳ありませんでした。
今年はリアルが忙しくなるのであまり更新出来ないかもしれませんがどうぞ末永くよろしくお願いします。
ルースが居なくなり、すぐにでも探そうとしたそのとき、愛龍さんに誰かから電話がかかってきた。
どうやら愛龍さんがよく慕っている人のようで、ルースの事も知っているようだった。
「今私の信頼してる人から連絡が入って、ルースちゃんはちょっとトラブルに巻き込まれちゃったみたいで、その人が解決してくれるらしいからここで待って欲しいそうよ。」
その言葉に先輩方は安心しきっている様子だが、どうにも安心しきれない。
「その信頼されている方ってどなたなんですか?」
そう聞くと愛龍さんはこころよく答えてくれた。
「来たばかりでよくわかってないとは思うんだけど、この街の外で活動するにはギルドに登録しなきゃいけないんだけど、いくつかあるギルドのうちの『自由の鷹』っていうギルドのリーダーで、皆はマスターとかソラさんて呼んでるんだけど、本名はわかってないのよね。」
そこまで言うとルーニャさんが補足を加えた。
「そしてそうね、これもついでに言うとすれば、愛ちゃんも私もそのギルドのメンバーよ。そこで色々と活動してるの、ルースちゃんは絶対に安全に帰ってくるから安心してね。」
そこまで言われて先輩方を疑うわけにはいかなく、待つことにした。
そして待つこと数分
急に目の前がひかり、ルースと二人の人物が現れた。
「やぁ、待たせて申し訳ないね。愛龍ちゃん、君の後輩は無事に連れてきたよ。」
おそらくこの女性が愛龍さんが慕っている人だろう。
「いえ、何があったかは後程教えて頂ければ良いのですが、本当にありがとうございました。ということで……。」
「キャッ!?」
さっきまでの様子と全然違う愛龍さんだと思っていると、急にルースに向かって飛びかかった。
そして今朝と変わらぬ様子でモフモフと言っている。
「愛龍ちゃんは相変わらずだなぁ。さてさて、君達が新しく境界に来た人か~。ふむふむ、なるほどなるほど。君達はとても面白そうだ!ちょうど良い、この機会に連絡先だけ交換させてくれ、嫌と言ってももう終わってるけどね。」
すごい勢いで迫られ、何も話していないのにまるで俺達のことが分かったかのような雰囲気を出し、スマホを見てみるといつの間にか連絡先が交換されていた。
「な、どうやったらこんなこと出来るんですか!?」
と、ヒカルが聞く。
確かにもっともな質問なのだが、困惑した様子ではなく知りたくて仕方がないという好奇心に溢れた様子だったのは少し違うと思う。
「それは内緒だよ~。さて、さっきからランシアはなんでそのちょっと鋭い目をした吸血鬼の子と見つめあってるの?」
そのソラと言われたいた人の言葉でふと気付いたが、確かにさっきからヴァンは一緒にいた男性をずっと見ていた。
「ヴァン?どうしたんだ?」
するとお互いがほぼ同時に口を開いた。
「君がフィーラス・ヴァングラス君だね?」
「あなたがプレリア・ランシアさんですよね?」
すると二人は少し離れて話始めた。
ヴァンに知り合いが居るとは聞いていなかった。
それどころか、お互い初対面のような雰囲気ではあったが、なぜ名前を知っていたのだろうか?
「おや?知り合いだったのか、あれでも、なんでランシアが他の世界から来た人を知ってるんだ?まぁいいや。」
ぼそっとソラさんが呟く。
謎が深まるばかりで整理がつかなくなりそうだったから一旦置いておくことにした。
「そういえば、千里さんと冥夜さんはギルドに入ってるんですか?」
ヒカルがふと先輩に聞いたが、答えたのはソラさんだった。
「そうだねぇ、私は誘ったことあるけど、自分たちは入ると決めた場所があるって言ってたけど、まだ無所属のフリーギルドメンバーとして外での活動はしているらしいよ。」
「ご説明ありがとうございますソラさん、本当にお誘いはありがたかったのですが、知人との昔からの約束なので、申し訳ありません。」
千里さんと冥夜さんの知人との約束、約束というのは軽いようなものじゃないことが雰囲気で伝わってきた。
「気にする必要はないよ。自由こそが一番!」
それから他愛もない雑談でゆったりと時間を潰し、気付けばお昼を少し過ぎていた。
「いやー、まさか輝夜と白亜が親子だったとはね 、前々から子供のことは聞いていたんだけどね、これからの成長が楽しみだよ~。」
「私達も一年生に越されないように練習メニュー少しきつくしようかなぁ……って、もう昼過ぎか。結構長く話してましたね。」
なんでも知っているようなソラさんと、話している間ずっとルースを抱えている愛龍さんがそんな話をする。
その頃にはランシアさんとヴァンも話は終わっていたようだった。
「おや、そういえば街を見て回ってるんだっけ?1日じゃ全然足りないだろうけど、もし街の外に出ることあったら、うちによってくと良いよ!」
「そのときは是非お願いしますねマスター。今日はありがとうございました!」
するとソラさんとランシアさんは一瞬にして目の前から消えてしまった。
この光景にはなかなか慣れそうにない。
「さてと、皆お腹すいてきたよね?まぁ空いてなくてももともと次にいく場所は決まってたけどね。次は『ショッピングモール・クロニア』だー!」
そのソラさんの発言とどこか似た言葉を合図に、また移動することになったのだった。