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第2話

??「いってぇ~~~」


突如涌き出た人物は頭を抱えながらうめいていた。

出現したのは空中。そして魔道士の青年の頭上。

お互いに何の構えも無く、頭をブツケたのだ。

身構えてからの衝撃と、身構えてない時の衝撃は雲泥の差で、相当な痛みだったと伺える。


もちろん魔道士の青年も痛いのだが、その痛みと突然の出来事への驚きが相まって放心状態となっている


涌き出た人物「あーいてぇーーー目がチカチカするぅ・・・・ってここどこ?」

良く見ると涌き出た人物は男のようだ。年齢も二人とそう変らないであろう。

そしてその男はあたりをキョロキョロと見渡している。


女性「転送術?それとも移動術?・・・でも魔力の揺らぎはなかった・・・揺らぎが発生しない魔道?・・・・そんなはず無いし・・・」

一瞬呆気に取られていた女性が、突然ぶつぶつとつぶやき始めた。

女性「でもそもそもなんでここに?・・・・目的は?・・・・私たち?・・・・!!」


そこまで言うと

ハッっと顔を上げ、大きくバックステップをする。

そして茫然自失の青年に向かって

女性「ミルコ!!構えて!!敵かも」

涌き出た男、ミルコ「へ?」


涌き出た男とミルコと呼ばれた青年はハモリながら変な声を上げた。

最初に我に返ったのはミルコだった。

すぐに立ち、女性と同じように男との距離を取り、杖を構える。


ミルコ「ティーアどういうこと?」

目線を変えずにすでに距離を取って拳を構えているティーアと呼ばれた女性に問う。

しかし、その問いには答えず

ティーア「あんた何者?目的は何?さっきのは何?」


二人の間に緊迫した空気が流れ、それを男に向ける。

しかし、男は

涌き出た男「俺?・・・・勇成だけど・・・・勇成輝彦ゆうせいてるひこ・・・・ってかここどこ?」

全く緊張感なく答える。

温度差が激しい二人に一人オロオロとするミルコ。

勇成輝彦は変らずキョロキョロとしているがしばらくの沈黙が訪れる・・・・


その間、ティーアは様々な思考を張り巡らしていた

(ティーア)「さっきの謎の出現といいこの受け答えといい、こいつ何者?

捕縛石はさっき使ったのが最後だから、このまま睨み合うしかないのかしら・・・・

あーーケンタロスなんかに使うんじゃなかったぁ」


捕縛石とは捕縛の魔道が封印されている封印石の一つである。

使用すると相手を一時的に魔力のシールドで閉じ込めておくことの出来る魔道が一度使える。

そもそも封印石とは魔道の力を閉じ込める事の出来る特殊な鉱石である。

自分が使えない魔道等を補う目的で、旅に出るときはいくつか持っていくのである。

しかし、この捕縛石はその効果も相まって値が張る。

この旅でも少し持ってきていたがすでに全て使ってしまったのだ。


(ティーア)「でもそんな事言ってられない。とにかく今は目の前のユウセイテルヒコ?とかいう変な名前のやつの事が先よ!」


・・・・・

・・・


静まり返る三者。均衡を破ったのは勇成輝彦だった。

勇成輝彦「ってかあんたらなんつう格好してんの?コスプレ?始めてみたわ~」

ミルコ「いや、君のほうが変な格好でしょ・・・・」

ティーア「そうよ。それにコスプレ?ってなによ」

勇成輝彦「すげー!!設定てやつ?ファンタジーの住人になりきってるねぇ」


そういうと頭の痛みが落ち着いたのかスクッと立ち上がる。

ティーア「動かないで!!」

ミルコとティーアに緊張が走る!


勇成輝彦「あーさっきはぶつかってごめん。でもさっき崖から落ちたはずなんだけどなぁ・・・・落ちたは落ちたけど崖ないし・・・・・ひとまず皆と合流したいから帰りますね。お二人とも引き続き楽しんで下さい。お邪魔しました」


気さくな口調とさわやかな笑顔。勇成輝彦からさわやかな風でも吹いているかのような錯覚に陥る。

そしてその風に当てられたミルコは警戒を解く。

ミルコ「ティーア。この人よくわからないけど、敵対心はなさそうだよ?・・・・」

ティーア「うーん・・・・・・まぁそのようだけど・・・・ちょっとあなた、さっきから良くわからない事言ってるけどちゃんと説明しなさいよ」


完全に警戒を解いているミルコに対し、ティーアは少し警戒をしてはいるが、勇成輝彦に聞いてみた。

勇成輝彦「いやさっきまで仲間内で登山してたんだよ。そしたら難所って言われてる崖で足滑らせちゃって。そのまま崖に落ちたんだけど・・・・気付いたら・・・ここにいたっていう・・・・わけかぁ」


自分で改めて声に出してみて自分の置かれた状況が飲み込めてきた。

勇成輝彦「タイムスリップとか別の星へワープとか変な世界に迷ったとかそういうやつぅ~?」

先ほどとは違う理由で勇成輝彦は頭を抱え始めた

ミルコ「君・・・・大丈夫?さっきのでおかしくなった?まだ痛い?ティーア回復してあげて?」


傍から見ると先ほどの痛みがよみがえったように見え、ミルコが心配そうに寄り添う

勇成輝彦「まぁごちゃごちゃ考えても仕方が無いわ!前に進もう」

突然元気に立ち上がる勇成輝彦にミルコは「っわ!」としりもちをついた。


そして勇成輝彦は二人に目をやると、突然頭を下げながら

勇成輝彦「さっきはぶつかってすみませんでした!いろいろとこの世界の事を知りたいんだけどここで会ったついでに聞かせてくれない?」


ずっと警戒をしていたティーアもさわやかスマイルとさわやか謝罪で警戒を解いた

ティーア「本当に敵対心はなさそうね。でも私としてもいろいろ聞きたいから好都合だわ。何が聞きたいの?」

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