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第三話 錬金術と友達

少し短いです。

誤字脱字はご容赦を。

月日は経ち、俺は5歳になった。年が改まってジジから

「そろそと錬金術の勉強を始めるか?」と聞かれたので、

「うん!」と力強く即答した。

暇を見つけてはちょくちょくジジの仕事場に置いてある錬金術関連の本は盗み見ていたのである程度予習は出来ていたが、本格的に教えてもらえるとなるとやはり心が躍る。

前世では会社で経理の部署だったが決して文系の頭と言う訳では無く、科学系の本もずいぶん読んでいて、それなりに知識もあった。

ジジは俺の手に職を着けさせようと考えているようで、生活の糧となる薬作りの勉強から教えてもらった。

薬の材料の種類や現物の形、調達できる場所や採取の方法、そして製造方法など、始めから終わりまで一人で薬作りが出来るような知識を教えてもらった。

それと同時に魔法についても教えてもらった。錬金術関連の魔法ではなく、魔法の基礎から教えてもらった。魔法の基礎ができてから、錬金術の魔法を習うのが正しい順番らしい。

「ヒロ、魔法とは体の中の魔力を操り、自分の周りの物を動かしたり燃やしたりする事じゃ。」と言われた。

子供への説明なので解り易くしたのだろうが、反って解り難かった。それに地球の科学文明を知っている俺が納得できる話ではなかった。

この世界の文明レベルではこんな認識なんだろう。どうも物事の本質が見えてない気がした。ジジに教えてもらえばもらうほど、俺の中で真実が知りたいという探求の欲が沸いてきた。

この事が今後の俺の錬金術の研究をする原動力になる。

今のこの世界の科学的常識とは何だろう。この世界の魔法的常識とは何だろう。それらをちゃんと理解してからでないと、何も語れないと思う。基礎のない理論はいずれ行き詰る。だから自分の理論を作る前に今知りえる知識をまず頭に入れようと思い、ジジの全ての知識を吸収しようと努力した。


 この家が町から離れている所為で俺には同世代の友達がいなかった。だから子供の遊びで一日過すなんて事も無く、自由に使える時間が十分にあった。だから体を鍛える時間以外はたっぷり勉強に費やした。

努力の結果、6歳を過ぎた頃には薬の練成の魔法も含めて一人でジジと同じ作業が出来るようになっていた。だがまだまだ未熟な為、店に薬を卸す時は、ジジとは区別して出荷した。錬金術の魔法の効果がジジよりまだ劣る為だ。

この頃から、ジジは年齢の所為か自分で薬品の材料を調達せず、町の冒険者に依頼するようになっていた。

冒険者といっても田舎町では仕事も少なく他の仕事との掛け持ちで冒険者をやってる状態だ。町の自警団の指導役として町民の有志の武器の扱い方や戦い方の指導などして礼金をもらったり、何でも屋のような仕事もしている。

この男の名前はロンク、各地で冒険者をしていたがある日怪我をしてその時世話をやいてくれた奥さんと結婚をして、それを機にヤマネに帰ってきて定住したらしい。元々付近の村の出身で昔住んでいた場所に帰って来たというところだろう。

田舎町の為、冒険者のギルドの支店も無く、個人で仕事を請け負う。依頼者も皆同じ町民と言う事で特にトラブルはない。


 ロンクはジジが行かなくても何か用事のついでに向こうから薬の材料の採取の依頼が無いか聞きに来る。

「フロト、今日は何か依頼あるかい?」

「ロンクか?ん・・・お腹の薬の材料がちょっと少なめかな?」

「じゃ次来るまで採取しとくよ。」

「あー。よろしく頼む。」

いつもだいたいこんな事務的な会話だ。

そういえばジジってあまりしゃべらないな。俺も余計な会話はしないし。ババは俺に色々しゃべりかけてくるけど、俺が相槌を返すだけなので長い会話にならない。基本うちって静かな家だな。まあマリナがいる時はババと二人で殆どしゃべってるけど。


 それから少ししてまたロンクが来た。その日のロンクは少し違っていた。子連れだった。

「よう、フロト。今日は何かあるかい?」

「あるけど、その子はなんだい?」

「あー、うちの息子のロトって言うんだ。」

「ほう、息子か。」

「こんにちは。」「こんにちは。」ジジと俺が言うと。

「こんにちは。」と恥ずかしそうにロトも言った。

ジジは子供にはあまり興味が無いみたいですぐに仕事の話をし出した。

「今日は傷薬の材料採取を頼みたい。」

「わかった。」

仕事の話はもう終わったとばかりに動き出そうとする大人たちを尻目に俺が会話に入る。

「あのー、今から材料採取に行くんだったら、勉強の為に、僕も連れて行ってもらえませんか?」とロンクに向って言って。

「ジジいい?」とジジにも言う。

「俺は別にいいけど。」とロンクの許可がでる。

「ロンクが良いと言うならかまわない。」とジジの許可もでる。

「じゃ、採取の道具、急いで準備するから少しだけ待って。」駆け足で準備に走った。


 家から北東にある森の浅い所で薬草採取を始める。

このあたりの薬草はあまり質が良くないが子供二人の研修用にと選んだ場所らしい。話を聞くとロトは6歳で俺と同い年、最近父親の仕事を手伝い始めたばかりらしい。ロトも薬草採取は初めてらしく俺と二人で今日はロンクに採取の仕方を教えてもらう事になった。

薬草の生息する条件や場所、大きさ形、品質の見分け方などいろいろ教わって、採取の方法と採取の注意点の説明などもあった。現物と実際の作業を目で見て自分でもやって見て覚える。これは座学とは違う面白さがある。それに加えて初めてと言って良い位の同年代の子供とのふれあいに心ウキウキした。

一通り説明と実際の作業をこなしてロンクたちに送ってもらった。

薬草はあまり品質のいい物が無かったので再度とりに行くらしい。

ロンクの仕事の邪魔をしたんじゃないかと少し申し訳なく思ったが、それよりもロトと一緒だった事が楽しかったので気分は良かった。中身はおじさんなのに子供といると楽しく感じるのは不思議だとは思う。

その後、ロトは時々遊びに来るようになった。

まだ一人で町の外へ行くのは許されないから、ロンクが送り迎いする。

ロンクが仕事で森の奥へ行く時など、家にロトを預けて仕事するようになったり、簡単な仕事の時にはロンクとロトと俺で色々教えてもらいながら一緒に仕事をしたりした。おかげで俺も子供らしい生活を過せるようになった。

しかし不思議だ。魂はおじさんなのに肉体が子供。周りが大人ばかりだった頃は感じなかったが同い年の子供と一緒だと自分も同じ子供だと感じる。果たして俺は大人だろうか子供だろうか。

たぶん魂の器である肉体の影響を受けて精神年齢も子供よりになるんだろう。

もう少し年齢が上がれば肉体と魂の差も縮まるかもしれないと思いながらも、子供時代をもっと堪能しようと思っていた。

前世の俺の子供時代は戦争中でメチャクチャだった。今世で楽しんでもバチは当たらないだろう。


会話がなかなか書けない。うまい文章が中々出ない。

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