表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/11

第二話 俺とマリナとジジとババ

読んで解り易い文章を書くのは大変だと痛感しております。

 

誤字脱字はご容赦を。

 意識が戻った。ただ意識ははっきりしないし何も見えない、ただくぐもった様な音だけがかすかに聞こえる。

「モゴモゴモゴ・・・」

水の中を漂う感覚、でもどこか懐かしく心安らかになる場所。そしてまた意識が遠のく。

目覚めたり意識が遠のいたりを繰り返していくうち、やがて周りが騒がしくなった。

「ドタドタドタ・・・」「ガシャガシャガシャ・・・」「コンコンコン・・・」

そして自分の周りの圧力が増し、頭から前へ押し出された。狭い場所へ無理やり押し込まれ。やがて明るい世界に引っ張り出される。

 しかし妙な違和感がある。感覚が間接的と言うか、肉体と言う牢獄に魂が入れられているような感覚。肌などの感覚が直接触れる感覚ではなく、何かが触れていると言う情報を感じるという間接的な感覚。

 やがて勢い良く泣き始る。

「オギャオギャオギャ・・・」

久々の肺呼吸。俺は泣きながら生まれ変わった感動に浸った。

お湯で体の汚れを拭われ、布に包まれ眠りに付く。

目が覚め空腹を感じた俺は大きな声で泣く。

「フンギャフンギャフンギャ・・・」

すると女性が近づいてきて俺の口に爆乳を押し当てる。俺はそれに一心不乱にむしゃぶりつく。

以前の俺だったら喜んでいただろうが、今はただの食事としか感じない。

食後、ベッドに寝かされた俺はぼんやり考える。俺は赤ちゃんになってる。一度死んで生まれ変わった。

前世の記憶を持っている俺、というかほぼ連続した二度目の人生を生きている俺と言う方が正確な状態なような気がする。

 周りの人間の顔や服装やしゃべっている言葉、すべてが日本じゃない。

「ここは何処?わたしは誰?」状態。

とにかく状況を確認しなければ何も判断できないと思う。

戦中戦後を生き転生を経験した俺。

「それなりに肝は据わっていると思う。」と自分に言い聞かせながら状況把握に努める。

 それから数ヵ月後、母親と思しき女性がいなくなった。俺が寝かされている家にいるのはジジババだけとなる。

母親がいなくなると食事が離乳食となった事から、授乳の為だけに俺に付いていたのでは無いかとさえ思える。

ここでも俺は女性に相手にされないのかと気分が落ち込む。

「母親さえ俺を見捨てるの?」

 さらに数ヶ月たったころ徐々に心と体が一致しだして、意思表示出来るように成って来た。この頃になると言葉が理解できてきて情報収集が格段に上がってきた。

今までで解った事は、母親の名前はマリナで職業は冒険者。性格は自由奔放で男性関係も自由奔放。俺の父親は対象となる男性が多数で特定出来ないらしい。

俺が乳離れするタイミングでジジババに俺を押し付けて仕事復帰したらしい。その後も仕事の合間に顔を見せるが基本的には家におらずあちこちの町で仕事をしている。この辺りは田舎で冒険者の仕事があまり無いらしい。

今俺の世話をしてくれているジジババはマリナの両親、俺の祖父母でジジの名前はフロト、ババの名前はヤミン。ジジは錬金術師で魔法を使って薬を作って収入を得ているらしい。ババは家の周りで畑をしながらの主婦。

そして俺の名前だが何の運命のいたずらなのか、ヒロと言うらしい。宏からヒロになるとは偶然にも程がある。

そしてもう一つの偶然の一致。俺たちの家のすぐ近くの町、ジジが薬を卸している店がある町の名前がヤマネらしい。これでヤマネとヒロがそろった。何たる運命のいたずらか。

ちなみにヤマネの町はローレシア大陸の中央付近のアルナ王国の端にあるらしい。

 やがてジジババの会話を聞くだけでは新しい情報が入ってこなくなり、大して事件が起こる訳でもなく月日が流れていく。

そして生まれて8ヶ月ほどたった頃、俺はしゃべり始め、歩き始めた。この頃になるとほぼ言葉は覚えてジジババの会話は殆ど理解できるようになっていた。

最初は「ジジ」「ババ」しか言えなかったがそれでもしゃべり始めが早いらしく驚かれたり、喜ばれたり、一騒動だった。

俺はジジのやっている錬金術に非常に興味があった。俺のいた日本では錬金術師なんていなかった。中世ヨーロッパの化学の学者のような人と言う認識しかない。俺は読書が趣味なだけあって知識欲は旺盛なほうだ。

ジジに「ジジそれどうやんの?」と錬金術を教えてくれとねだったが幼児に教えてくれるはずもなく

「ダメ、まだ早い。」と簡単に断られた。仕方ないので現状把握の為に家の周りの観察をする事とした。

 家から表に出て、ババの畑仕事を観察した。植えている野菜の種類も解らないし、日本の野菜との違いも解らなかったが、まったく形がかけ離れている訳でもなくなんとなく野菜だと想像出来る形をしていた。

木造の家の軒下に座って「ババ、ここで見てていい?」と言うと、「いいよ。」と言われたのでしばらく見てる。

久しぶりの日向ぼっこは気持ちよかった。

 偶に家に訪ねて来る人がいるが男性は皆、体格が良い。日本にいた頃の俺も身長170cmで周りより背が高かったが体重は60kgで中肉か少し痩せている程度の体格でこちらの人たちの体格と比べると明らかに見劣りする。俺が幼児だから特に体格が大きいと見えるのだとも思うが。

こちらでは体格が良いのは当たり前だと思い。なるべく体を動かす事とした。

 この家の建っている場所は町から少しだけ離れている。まあ1kmあるかないか程度の距離だが。

この場所が安全かどうかと言うと魔物については安全らしい。このあたりの魔素は濃度が低く、魔物にとっては住みにくいらしい。

盗賊などは貧乏な田舎町なんて相手にしないとの事。また温暖な安定した気候でそれなりに作物の収穫もあり、裕福ではないが食うに困る程ではなく、盗賊に落ちぶれるほど追い詰められる人が少ないらしい。だから皆のんびり暮らしている。

 ある日、俺は家の中でマリナかババの物か解らないが鏡を見つけて覗き込んだ。前の俺は戦時教育を受けていたつまり「鬼畜米英」と教えられていた。それなのに鏡の中の俺の顔は欧米人の顔だった。

「日本は戦争に負けたんだしどうでもいいか。」「今後の俺の人生にあまり関係ないし。」と思い気にしない事にした。おれは前世でものんびり家さんだった。

 そして1歳を過ぎた頃、徐々に走る練習をして、体力向上に勤しんだ。

 さらに月日が流れて2歳に成った頃ジジの暇を見つけて字の読み書きを教えてくれるよう頼んだ。

「ジジ勉強したい。本読みたい。」

「そうか。よし!解った。」

「まず字の基本から勉強しようか。」

それからジジババ両方から暇を見つけては字を習い。ジジババが用事の時には自習して勉強を続けた。紙はもったいないので地面に木の枝で字を書いて練習した。ちなみに錬金術の勉強は「子供には難しい」と言われ、まだ教えてもらえない。

 家計の話、ジジは錬金術で作った薬をヤマネの町の店に卸しているがヤマネでは需要が少なく、その店経由で近くの大きな町にも卸しているらしい。ジジが割りと安価で卸している為、大きな町の店に相場の値段で卸してもヤマネの町の店も差額で利益が出るようだ。それとジジの薬は品質が高く評判も良いので結構人気があるらしい。

 ジジは定期的に薬を町の薬屋に卸し出かける。それによく同行させてもらう。

「ヒロあまりはしゃいだり、走り回ったりするんじゃないぞ。」

「うん、わかった。」

俺は馬車の荷台に干草を敷き、そこへ座らされている。御者台だとお尻は痛いし、いつ転げ落ちるか知れないので安全の為に。

ジジが薬屋に製作した薬を渡し代金を受け取っていた。俺は「それ何?」とお金を指差し聞く。

「これはな。」とお金について説明してくれた。

お金の単位はアルで1アル=1小銅貨、100アル=1銅貨、10000アル=1銀貨、1000000アル=1金貨となっていて全ての貨幣の中央には穴が開いていてそこにヒモを通して纏める。

小銅貨が五円玉くらい、銅貨が小銅貨より大きく、さらに銀貨は大きく、牛乳ビンの蓋くらい、その場には無かったが金貨は銀貨と大きさがほぼ同じかやや大きい程度、ただ色が銀色と金色の違いがあると説明された。

ヒモを通す為に穴が大きいように感じて聞いてみると、ヒモのせいだけじゃなく金属の節約でもあるらしい。

ただここの銅貨は茶色くなかった、詳しく聞くと、錆防止の為に銅の合金になったらしい。昔は銅をそのまま使っていたが、錬金術師の研究の結果、銅の合金が発明され銅に取って代わったらしい。

「錬金術師は色々世の中の為に役立っているのじゃ。」とジジは少し得意げだった。

その後も情報収集と気分転換の為、ジジが町へ行く時には度々同行した。

文章がなかなか出ずどんどんスピードダウンしがちです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ