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出会い



中学の思い出をまだ心に持ち、友達の事を考えたりして、まだ高校へと入学した実感がわかない頃合いだが、それを実感すべく今、オレは学校の前に立っている。



簡単に言えば今日は入学式である。

そして、オレは神崎佑斗。市立高校に受かり、今日からこの高校へと来る事になった。


「あまり期待しないでおこう・・・」

市立高校の校門に第一歩を踏み出したまさに時

「やぁ、おはよう」と、後ろから来た、親友の皆木勇次に不意に声をかけられ見事に滑って転んでしまった。


「うわぁ!」 ドテッ・・

一斉に注目が集まり、恥ずかしいと思いつつ、勇次が手を指しのべてくれたおかげで、あまり大事にならずにその場を立ち去ることが出来た。


「いや〜しかし参ったね。まさかいきなり転ぶなんて・・」

「うるさいなぁ。しょうがないだろ。て言うか半分位は、勇次のせいだぞ。」

「アハハハハ。そうだったね。ゴメンゴメン。だけど、佑斗と同じ高校だと、受験に受かった感じが全然しないな。」

「そんなことないだろ。だいたいなんで秀才のお前が、こんなレベルの低い高校に来るんだよ。」

「しょうがないだろ。第一、志願変更面倒臭いしさ。」


話の内容からして、勇次という人間は、そうとう頭がいいのだ。


全く嫌なやつ。


そんな話をしながら下駄箱まで来て、靴を履き替えていると、見慣れない顔があったので、いろんな意味で、話かけてみた。


「やぁ、おはよう。」

「・・・・・」


何も話さずに歩き去ってしまった。


「なんか悪い事したかな?」

「さぁ〜ね。」






一年の教室は四階にある。眺めがいいのも四階だけだ。階段を登りきり、二人で教室に入り、一旦席に着く。


と同時に、担任らしき人が現れた。

「はいはい座って〜。ってもう座ってるか・・」


勝手に話を進める人だということは、佑斗の考えから早くも分かった。


「はい。私は君たちの担任の保坂です。どうぞよろしく。そこで、早速だが、みんなには自己紹介をしてもらう。名前を知らんことには始まらんからな。」


しかし幸いにも、佑斗と勇次は隣の席だったために、話し相手は、確保できた。


そんな訳でやってもあまり意味がないと思われる自己紹介が始まった。


次々に自己紹介をしていくが、ある人の所で止まった。

立っているのは、茶髪に髑髏のネックレス、十字架付きの腕輪、そして、マブタの上から、下へとついている一本の細い傷後。


やがて、重々しく口を開いた。

「井上雄太・・」


えっそんだけ!っと思ったが、その次もまた、インパクトがあった。


「吉田ゆかりです!よろしくお願いしま〜す。」


これがまた、トビッキリの美人がつっ立っていた。


恐ろしいことに、既にほとんどの男子が、彼女に釘付けだった。


もちろん女好きかは分からないが勇次も。


とまぁこんな感じで、自己紹介を終えて、一時間目の休み時間になった訳だか・・・


つくづく思う。

明らかにオレは入る学校を間違えた!


会って三十分もしていないのに、クラスの男子は、吉田ゆかりに殺到した。


少々飽きれ顔で見ていたオレたちに目についたのは、あの井上雄太だ。


「行くか?」

「反対はしないぜ。」


そして二人でそこまで行き、話かけてみた。しかし、またも不意打ちをくらう事となった。


「あ、あのさ、どこに・・・」

「美術館の近く。」


質問を先読みされた佑斗は驚いた。

まるで、分かっていたみたいだ。こいつは超能力者か?


「なんで質問の・・」

「勘。」


また答えられた。

こうなると、もう、結果が見えてしまう。


だが意外な事に、次は、井上雄太から質問された。


「特技は?」


「あ、機械イジリ位だけど。」

「そうか・・・」


そう言うと、立ち上がり、どこかへ行ってしまった。

「よく分からないやつだな。」

「あぁ、焦るぜ。」



とは言いつつも、佑斗としては、雄太が気になるらしく、勇次からしてみれば、女子生徒に興味を持てばいいのにと思って二人とも落ち着つかない様子だった。









てな訳で、この日最初の授業が始まった。英語だ。



先生が黒板に色々と書いている時、井上雄太は、


寝ていた。


最初の授業でいきなりお休みなさいかよ!

ちょっとは緊張感持てや。この美少年×不良が!


と思っていると、井上雄太に問題が当たった。


秀才の勇次でも解けないという超難しい問題だ。


ところが、音もなく立ち上がり黒板の前に立つと、1+1=2を解くように、無表情で解き始め、三十秒後には、解き終り自分の席に戻っていた。


「あいつ、頭いいな。」

「負けた・・・」

「そこは気にしないでさ。」









さてその後どうなったか教えよう。


井上雄太は、吉田ゆかりと同じ様な立場になった。


クラスの女子に追い掛けられるハメになったのだが、いつも、どこかでクラスの女子を巻いているようで、戻って来た時には、誰一人後ろにはいなかった。



これが普通ならそれはそれで認めてもいいが、正直抵抗が有りすぎる。


そういえば朝の女の子は、誰だったんだろう。






どうであろうこの高校は、意外に居心地がいいかもしれない。


どうであれ、三年間は、ここに通うのだ。

何もなければ。


次から〜〜の一日を書いていきます

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