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コノ世界デ生キルニハ  作者: サワタリ
一章
5/20

5話・至福カラノ転落

ドラマデロマンチックニ死ンデイク、羨マシイク妬マシイ。

純一達は広場で話し合う。


「其れにしてもだ、一体此処何処だよ」


純一が新城達三人に訊く。


「いや、寧ろ此方が訊きたい」


「同じく」


新城と中山が答えた。やはりこの三人も此処が何処なのか知らない。

一言庄司が言う。


「魔界?」


笑いを堪える純一と明恵。


「ショージ、マンガの見すぎだ」


だが空気が笑える雰囲気ではない。何故なら此処は日本愚か地球ではないからだ。


「まぁ、魔界はともかく此処が日本じゃ無いのは確かかもな………」


そう言って頷く純一。


「取り敢えず此れからどうするの?アキお腹すいた」


明恵がぐったりして言う。


「カロリーメイトある」


庄司が学ランの上着ポケットから取り出した。


「頂戴頂戴!」


明恵が庄司の手に持っていたカロリーメイトを奪う。


「イヤー、二本しか無いじゃん!」


大きいサイズの四本入りの内、二本しか入っていなかった。


「燕ちゃん食べる?」


明恵は自分の後ろに隠れている燕に一本のカロリーメイトを差し出す。

しかし、燕は首を横に降り拒否する。


「じゃあアキが二本貰うね」


「ちょと其れ俺の!」


庄司が明恵から奪い返す。


「ちょ其れ俺の」


そんな中新城迄加わる。そして、無言のまま中山も加わる。

純一は何故か満腹感だったので騒ぎには加わらなかった。

何か食ったけ?そんな事を考えていた。


結局カロリーメイトは庄司と明恵のお腹の中に入っていった。




















「喉乾いたぁ~」


明恵がカロリーメイトを食べた後に言う。


「流石に飲み物は無いな」


庄司がポケットを触りながら言う。


「ねぇねぇ新城!飲み物は?」


「持ってない」


明恵は次に新城に訊いたが新城は飲み物等持っていない。

こうなったら手段は一つ。


「探すか」


純一はぼそりと言った。













水が有りそうなところに向かって歩く六人林の中に入ったり耳を澄ませて川の音や滝の音を聞き取ろうとするが全く聞こえない。


「腹減ったな」


若干空腹になる純一。皆もその言葉に頷く。


「てか木の実とか無いの?」


新城が言う。

燕意外上を向いて木の実の様な物を探す。

そして、灰色のピーマンの様な木の実を見つけた。どうにも美味しくなさそうである。


「ちょと庄司食べてみて」


明恵が庄司に木の実を渡す。


「そうだ庄司食べろ」


中山も言う。


「食べろ!食べろ!」


新城もテンション上げて言う。


「ちょ食わないし!」


庄司はへらへらして言う。元々庄司は弄られるのが好きらしい。Mだと思う。

焦れったいと思った純一は庄司から木の実を取り上げ木の実を半分程食べる。


「ウオェ!」


まるで炭の味がした。

純一は吐き出す。


「食えねぇ………」


純一は言う。皆は黙って頷いた。














何時間歩いたのか分からない位歩いた。空は薄暗く白かった月はどんどん赤くなっていく。本当に此処は自分達の住む世界ではないと思う。

皆疲れていた。そんな中、川の流れる音が聞こえた。


「聞こえるか?」


純一は皆に訊いた。


「うん………聞こえる!」


明恵が走り出す。燕は明恵の直ぐ後を追いかける。

新城、中山、庄司も追いかける。そして、その後に純一も走り出す。

















純一達の目の前には割りと大きな川が流れていた。


「水だ水!」


明恵が川の水を掬い上げ水を飲んだ。水は透明だったので躊躇なく飲む。


皆揃って飲む。色々辺りを見回すと色鮮やかな木の実がなっていた。


「はは!スゲェ」


「食べ物だ!」


飢えた獣の様に皆木の実を食べる。

洋梨みたいな物、緑色の皮のオレンジ、綺麗な紫色の葡萄、そして、血の様に真っ赤に染まったさくらんぼ等があった。


「ヤベェ!!このさくらんぼみたいなのウメェ!!」


純一はさくらんぼを絶賛する。燕以外はさくらんぼを食べてみるが。


「えっ、全然美味しくないじゃん」


「何これ酸っぱ!エホッゲホッゲホ」


「あー!不味い!」


どうやら純一意外はこの味を嫌った。

何故か内側から力が溢れる様な感覚がする。そんな事を思って沢山さくらんぼ擬を純一は食べた。





















たらふく食べ終える一同。


「美味しかったぁ……」


幸せそうに笑顔になる明恵。


「んで此れからどうするの?」


純一が明恵の感想を無視して話始めた。


「どうするって言われても………」


新城は悩んだ。

そう皆此れからの事を考えては居なかった。


「家に………帰りたい」


燕が弱々しく言った。

家に帰りたい。其れは一人を除いては皆同じ気持ちに違いない。

だがしかし、どう帰るのか。何処かの無人島ならば筏を作って帰れるだろう。しかし、此処はよく分からない世界。自分達の住む世界では無い。

そんな世界からどうやって家に帰るのか………。


「其れ意外は………?」


純一は他の意見を訊く。しかし、皆俯く。そして、明恵がふらふらと座ったまま横に倒れた。


「何寝てんだ和田」


純一が言う。しかし、明恵の様子はどうもおかしかった。明恵は幸せそうにぐっすりと寝ていたわけではない。

何処か苦しそうに汗をかき、呼吸が乱れる。


「おい和田!」


駆け寄る純一、するとバタバタと新城、中山、庄司が倒れる。こちらも呼吸が乱れ苦しそうである。


「どうなってんだよ!」


唖然とする純一。一体彼等の身に何が起こったのか。











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