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06 なんでそんなに速いの?
さて、見つかったから逃げ出してみたはいいものの、実は逃げるアテがないんだよね。結局時間止まってるみたいだし、いつ動き出すかわからないし。だから目下の目標は隠れて時間がまた流れ始めるのを待つこと。いつまでも時間が流れなかったら適当にこの世界の法則を見つけ出して流すまでだ。
「待ちなさい!」
「ん?」
黒髪の少女の声だ。後ろを振り向くと、空飛ぶ青い直方体に乗って追いかけてきていた。ちなみに直方体の寸法は目測1000mm×1000mm×50mmぐらいだ。50mmは高さな。でかいレゴブロックが空飛んでるみたいに見える。ちなみにこっちはポスポス鳴らずに無音だ。
なんて考えてる場合じゃない。追い払うなり足止めするなりしないと面倒くさいことになりそうだ。
「ちょ、なんでそんなに速いの? アンタ魔法使ってないんでしょ!?」
黒髪の少女が驚愕に声を上げる。
って、え? ま・ほ・う? 魔法って言った? なら文脈からして、黒髪の少女は魔法が日常にあるよな。つまり、あいつらの小規模の天の川とか半球体は魔法だってことだよな?
短いなぁ……。