28 校長室
「では、私たち赤達の集合場所に行きましょう。そこでなら、先輩の魔法の内容が分かるかもしれません。本がありますから」
何の本だよと問う前に、掛道は踵を返し、集合場所とやらを目指す。
「ついてきてください」
「スケボーは使わねえのか?」
「はい。近いですし、乗ってる時に青達と出くわすと、戦闘に出遅れるんですよ。私は魔法を一度に二つまでしか出せませんので」
一度に三つ以上出せる奴がいるってことだな。きっと勢力で主力な奴。またひとつ賢くなった。
四分ほど歩くと、掛道がこちらを振り返る。
「着きました。ここです」
そこは近所の中学校だった。俺はこのとなりの中学校に通っていた。こんなに目立つ所を拠点にしてるのか。
「こっちです」
掛道に連れられて、校舎内の一階の校長室へと侵入する。校長室には掛道の仲間と思しき人物が二人いた。
「おわ! 誰だ!? 新しい仲間か掛みっちゃん!?」
そのうちの片方、大学生っぽく見える男が俺を指差し誰何する。テンション高けぇ。
「あの、ぼのさん! そんなことよりお話したいことが!」
もう片方の女子中学生っぽい微ロリ少女が掛道に駆け寄る。ぼのさんってあれか、模乃を読み替えたのか。
「筒裏君と清さんと部長が、消えました!」
「え・・・・!」
微ロリの話に掛道が絶句し青ざめる。消えるってなに、迷子?
くぅ~、疲れました!
とか言ったら、この質と量でかよ、と自分で思ってしまいそうです。
だから「くぅ疲」は自粛します。




