20 基礎愛
「いいから基礎だ。基礎基礎」
「なんですかその基礎愛。でもその、基礎とか言われても、魔法を学ぶ場があるわけではないんで何が基礎なのか私にもわからないのですが」
「はあ? ふざけんなよこの詐欺師が!」
「ば、罵倒されてる意味がわかりません。私、詐欺行為を働きましたっけ?」
「わかった。基礎はいい。よくないがな、今はいい」
だが考えてみれば、確かに教育の場がない、つまり教育のテンプレートがないんじゃ教え方もわからないか。
「なら逆に、お前は誰にどうやって教わった?」
「ええと、初めて来た時に他の人が魔法使っているのをたまたま見て魔法があることを知ったので、自分で試行錯誤しました。ここで襲われたときに必要になるだろうと」
ふうむ、参考にならん。
「それで使えるようになったら、私の魔法に気づいた人達が集まってきてしまって・・・・。逃げようとしたんですけど、同色の魔法を使うやつは仲間だとか言われまして、それから彼らと同じ目的を持って行動するようになりました。懐かしいですね」
「いや知らねえけど。目的って?」
「これ以上は無駄になる可能性があるので言わないでおきます」
は? 無駄になる? どーゆー意味ー?
「よくわかんないんだが」
「敵になるかもしれないのに、無駄な情報を与えたくない、と言っているんです」
掛道はそう言い、俺に冷たい眼差しを向ける。小さく敵意がこもった眼差しだ。
「・・・・敵かどうかは、魔法の色で判断するんだな?」
「はい。赤なら仲間ですが、青なら・・・・」
「殺す対象ってわけか・・・・」
こくり。小さく頷く。
これ以上は、聞いても何も答えてくれなさそうだ。
そもそも短期間更新を目指していたわけではありませんが、少しだけ心がけようとは思っていました。
最近はリアルが忙しくて執筆があまり出来ませんでした。ごめんなさいです




