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18 命は一人に一つ

「なあ掛道」


「はい?」


「これどこ向かってんの? 目的地は」


「え、あれ、知ってたんじゃ・・・・?」


 あー、そのへんはそう思ってたんだ。


「知らん。で、どこだよ。何しに行くの?」


「ええっと、とりあえず、青達を殺さないと・・・・」


「っんぅぃ・・・・」


 予想よりかなり重かった。変な声出ちゃったよ。


 ってかマジで? そういう系? もっと軽いんじゃないの? え、え、マジ? 殺っちゃう? 青さんって人達、逃げてーー!


 そこで気づく。昨日、掛道とバトってた女の魔法の色は青だった。つまり、青って人名じゃなくて魔法の色なんじゃね? 青い魔法を使う人たちを青達って複数系で呼んで、逆に掛道みたいに赤い魔法を使う人たちを赤達って呼んでんじゃね? もっとマシな呼び方なかったのかよ。と言っても仮説だがな。自信あるが。


 でも殺すのかー。あまり関わりたくないな。


「知ってるか、掛道。人の命は一人に一つなんだぞ」


「? わかっていますよ。でも、ここでいくら殺しても現実で本当に死ぬわけじゃないですし、仕方のないことかと思います。ですよね?」


 言われて思い出す。時間が再び動き出すと同時に、時間が止まっていたあいだの物理的行為は無かったことになる。なら殺しても生き返るじゃん?


 おや、だとすると俺がスケボーを持ち続けたのにはどういう説明がつくんだ。


「俺がこの世界に来たのは昨日が初めてだからなあ・・・・。わからないこと多いなあ」


「え?」


 ん? ・・・・おぅ、そういえば隠してたっけ、このこと。



お気に入り登録が増えていました。やりました。

減らなくてなによりですね。

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