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15 三年の隼磨爽
「あ、あの・・・・」
ずっと放置されていた、おそらく掛道模乃という名前の少女が話しかけてくる。
「お前の名前は掛道模乃でいいのか?」
「はい」
こくんと頷く。確定。
「俺は三年の隼磨爽だ。まあ名乗らなくても、屋上で話したあと俺のこと探ってたから知ってるか?」
「!?」
掛道は目を見開く。バレていたのか、と言いたそうだ。
ちなみに鎌をかけただけだ。俺に用事があるって俺のクラスメイトに言うなら、既に俺の名前は把握しているだろうと予測がつくし、屋上へは俺を見かけて尾行しただけのようだしまだあの時点では俺の名前すら知らないなと思ったのだ。必然、昼休み終了から放課後までに俺の名前を調べた、ということが考えられた。どうやら正解だったっぽい。
「まあいい。俺の家に行くぞ。徒歩二十分だ」
俺が顎でくいっと移動する旨をジェスチャーで伝え、掛道が頷く。
俺と掛道は歩き出す。そう、家へと帰るために。・・・なんか綺麗な文章になった。なってねえか。
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