14 二年の掛道模乃
昼休みのあと3つの授業を終えて、放課後になった。
クラスメイトたちは帰り支度をまとめ、友人と連れ立って部活に行ったり帰路についたりする。
俺は情報処理部である。といっても、一年生のあいだは全員何かしらの部活に入らなければいけない決まりがあり、俺は毎日早く帰りたいので情報処理部に籍だけ置いて幽霊部員になっていた。学年が二年に上がった時に退部はできたのだが、退部届けを書くのに判子をもらって回らなければいけないのが面倒くさくて現状維持をして幽霊部員のままでいる。だから、今日も部活はサボる。
「じゃーなー隼磨! 俺、部活行くわ!」
クラスメイトの一人が声をかけてくるのを黙殺する。名前も知らないあいつはなぜかよく俺に構ってくる。特に何か関わりを持ったことはないし、気に入られているとも思えない。もちろん友達ではない。本当に謎だ。
そいつが部活に行こうと教室を出たあと、俺の元に戻ってきた。本当に謎だ。
「・・・・隼磨隼磨! この子お前に用があるみたいで教室の前をウロウロしてたんだけど、どういう関係!?」
俺にだけ聞こえるよう顔を近づけてそう言って、屋上で俺の元に来るように言いつけてあった少女を連れてくる。どうやらこのクラスメイト男子は俺の役に立ってくれたようだ。少しぐらい受け答えしてやる。
「敵対関係かな」
「何それどういう関係!? この子、二年の掛道模乃さんだよな? 後輩が可愛いって言ってた噂の!」
知るか。テンション高いのが鬱陶しい。
「お前、部活はいいのか? 行く途中だったんだろう? 早く行け」
シッシッと野生動物を追い払うように手を振ると、なぜかニヤニヤし始めた。
「そっかそっか、俺はお邪魔虫ってか! じゃ、あとは頑張れよ!」
そう言い今度こそ部活へ行ってくれた。
1話~13話までを合体させた結果、ライトノベル10ページ相当しかないことが判明しました。
各話が短い上に頻繁な更新ではなくて申し訳ありませんが、私なりにこだわりがあってこのスタイルとなっております。ご了承ください。




