初めての抜刀
扉の先はどこまでも広がる大平原だった
適当な場所まで行くと神父は立ち止まりこちらに振り向いた。
「この辺りでいいか。ではこれよりこの世界で生き抜くためのすべを教える。まずはメニューウィンドウから装備変更ウィンドウを開き自分の利き手に武器を装備しろ」
そう言われリンカは説明書に書いていた通りに何もない空間に右手をかざし左にスライドさせると何もないはずの空間から突然メニューウィンドウが現れた。そこから装備変更ウィンドウを選択して新たにウィンドウを出現させ利き手である右手に剣士の初期装備『ショートソード』を装備した
ウィンドウを全て閉じるとリンカの背中には先ほど装備したショートソードが存在していた。
「よし、装備出来たな。なら早速その武器を抜いてそこにあるかかしに向かって試し切りしてみろ」
かかしなんてどこにあるんだと尋ねようとすると神父がこちらを指差してきた。
「・・・・おれ?」
「違う。かかしは後ろにある」
神父は俺の言いたいことを察したのかかかしの場所を教えてくれたので振り返ると先ほど通った道にかかしが一体出現していた
かかしの前まで歩いて行ったリンカは背中にある剣に手をかけた。
「たぁぁ!!」
なんとも頼りない掛け声と共に抜刀した剣を降り下ろすようにして目の前のかかしをきりつけた
が、降り下ろした剣はかかしには当たらずに固い地面を思いっきり叩きつけることになった。
ジーンと剣から伝わってくる感覚は正にリアルの世界と同じものだった。
「す、凄い。本当にリアルにいるみたいだ。マジでよく出来たゲームだな」
そう言いながら神父の方を振り向くと心なしか神父は微かに微笑んでいるように見えた。
なんだあいつと思いながら神父を見つめていると神父はこちらに向けて歩き出してきた。
わざわざ神父がこちらに着くのを待つのがじれったく思えてきたリンカは自らも神父に向かって駆け出した。