表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/30

キャラ作成

ピコーンという音が鳴り響くのと同時にすぐさま腕に取り付けたVDGを額にピッタリと張りつけて終了音が鳴るのを待った。

静寂の中ピーという音が鳴り響いたのと同時に個体識別完了という声が聞こえてきたのを確認すると額からVDGを離した

そろそろ時間かなと時計を見てみるとデジタル時計には11:50の数字が浮かび上がっていた。

「いよいよか」

そう呟いた鈴華は部屋のほとんどをしめているソファ兼ベッドに深く腰かけた。傍らに置いてあった説明書片手にVDGについてあるボタン『ソフト選択ボタン』を押してみると突如VDGの真上にウィンドウがたちあがったのだ。正直驚きを隠せなかった。アニメや漫画の世界だけかと思っていた空中ディスプレイがこうして今自分の目の前で再現されているのだ

感動の余り泣いてしまいそうになるも何とか堪えてソフト選択画面から一つだけある先ほどインストールした名無しのゲームをタッチして選択すると新たにウィンドウが出現してそこにはログインしますかという文字の下にイエス、ノーが表示された。

βテストが開始されるのは12時ピッタリからなのでその画面を維持したまま時間が来るのを待ち続ける。そして遂にデジタル時計の数字は12:00となった瞬間すぐさま先ほどから維持したままの画面からイエスを選択した

そこから不思議な感覚だった。意識がフッと薄れ世界が反転し俺は暗闇に向かって一直線に落ちていく。辺り一面暗闇の中をただ落ちていくなか唐突に光を放つ円盤状の足場が現れた

ぶつかるっと思い目を閉じた瞬間ふわっと体を包み込むような感覚に襲われたと同時に光る足場へと着地した

奇妙な感覚に襲われながらも必死にここが何処なのかを認識するために微かな記憶の糸をたどり何十回と繰り返し読み続けた説明書の内容を思い出そうとしていると突然何もない暗闇からウィンドウが現れた。そのウィンドウには性別、髪型、声などのキャラ作成画面が映し出されていた。

どのようなゲームでもキャラ作成は結構気合いを入れるタイプの俺だが今回はどうしようかと悩んでいた。もちろんキャラ作成には気合いを入れるつもりだが問題はそこではなく性別の決定にあった。いつもなら迷わず女性のキャラを作成する俺だが今回は画面の外から眺めるのではなく、実際にそのキャラを自分自身として操るのだから今までやったゲームのように気軽に女性を選択出来なくなっている

「へぇ、初期装備まで選べるのか」

ウィンドウに表示されている画面をタッチしてスライドさせると画面は下にスクロールしてそこには男性用の初期装備一覧と女性用の初期装備一覧が映し出されていた。その初期装備一覧から一つ一つ装備を確認して選択してもいいのだかそれぞれの防御力、耐久力、見た目を計算して選んでいると日がくれてしまうので面倒な人は初期装備一覧のもう一つ下に存在する職業選択画面で職業を選択するとその職業にピッタリの装備を勝手に選んでくれるシステムがあるらしい

とりあえず性別のことは頭の隅に置いて初期装備一覧を眺めていると突然鈴華の視線がある装備に向けられていた。

それは・・・・

「ス、スカートがあるじゃないですか!」

もしここで俺が女装を選択し、初期装備にスカートを選択するとどうなるだろうか。想像してみよう

見渡す限りの青い空、どこまでも続く大平原、そしてそこに立ち尽くす女性(俺)が1人

さぁ冒険に出発しようと一歩踏み出そうとした瞬間ビュウっと風が吹き抜けた。その風により初期装備で選んだ短めのスカートがふわっとめくり上がり・・・・

「なんて素晴ら・・・嫌らしいシチュエーションなんだ!けしからん!」

気づけば息づかいは荒くなり性別を女性で決定しそうになっていた。こうも簡単に年齢=彼女いない歴の少年の心は揺さぶられてしまうのだ。だがしかしここで女性を選んでしまうと何やら他の何かに目覚めてしまうかも知れないという恐怖が拭いきれず、VDGは初めてだし記念すべき一回目はリアルと同じ男性にしときますかと考え結局性別を決めるだけで30分もしようしてしまった


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ