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βテスト当選

「じゃあ学校に行ってきます。冷蔵庫に朝の残りが入っていますのでちゃんと食べてくださいね」

「はいはい、いってらっしゃい。気をつけて行けよ」


行ってきますと鈴音が出て行ったのを確認すると階段に腰を降ろしふぅと一つ息を吐き出した。


はっきり言って俺は鈴音が苦手だ。


嫌いなのではない。


ただ俺が一方的に劣等感を感じているだけなのだがそれほどに俺と鈴音では差が開いてしまっている。


一つだけ俺が鈴音に勝てるとしたらそれは多分ゲームくらいしかないだろう


一応兄である威厳を守るため普通に話してはいるが本来であれば人と話すだけで結構疲れる。


いまさっきのように話せるのは多分鈴音と母親ぐらいだ。


いやいや、そんなことより大切な事があるだろ


そう考える俺の頭の中には先ほどみたニュースが鮮明に記憶されていた。


VDGとは突如ネット上に現れた発明家『間影陽祐』が自らのブログで発表したリング型の次世代ゲーム機で手首に巻いたりしてどこでも持ち運ぶ事ができる。


だが持ち運ぶぐらいなら既に発売されているゲーム機でいいと思うだろうがこのVDGの凄いところは他にある。


それは実際にゲームの中に自分が入りプレイ出来るところだ。


初めて聞いた時は半信半疑だったが実際にブログにはVDGの実物の写真やVDG専用のソフトの制作途中の写真等も公開されている。


手の込んだイタズラとも噂されたが商品登録も終了してVDGは本当にあったのだと証明された。


実際にVDGを使いゲームの中に入った人のブログには、『あのブログの情報は本当だった!マジでゲームの中に入ってしまった!理屈は知らんがとにかく面白い!感想を伝えようとしても伝えきれないのでβテストには是非とも応募した方がいい』とのことだ。


このブログをみた人たちはいまでも某掲示板にて熱い討論を繰り広げておりβテストの応募数はさぞかしうなぎ登りだろう。


俺も当然応募しているがVDGのニュースがしているといつも音量を上げて真剣に聞いている。


それぐらいに魅力的なのだ。


ゲームの中に入るというのは。


特に俺みたいな引きこもりはこんなゲームをずっと待っていたと言っても反論するやつはいないだろう。


ここまで過大評価している俺だが数日後に届いたβテストに当選したというメールをみたときには思わず叫んでしまった程だ。


そしてとうとうβテスト開始日の土曜日が訪れた。



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