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プロローグ

これが処女作です。

皆様のご指摘やご感想をお待ちしています

「ねぇ君、僕たちのパーティーに入らない?」


初対面の男はいきなりこんな話を持ちかけてきた。


もし現実の世界でこんな事を聞いたなら、こいつ何いってんの?となる所だが俺が今いる場所、この名も無きゲーム内では当たり前の光景である。


「うーん、どうしようかな。僕なんかが入っても邪魔になるだけだろうしな」

「そんなことないさ。僕たち三人だけでも十分に倒せるフィールドに行くから君が入ればまず負けることはないよ」


どうやら俺に話かけてきているこの男は最大四人まで組めるパーティーメンバーに空きがあるからその埋め合わせに俺を使おうという考えらしい。


だがパーティーメンバーが増えるのは些か効率が悪いように思える。


ましてや三人だけでも十分に倒せるフィールドに行くなら俺を誘う必要はないはずなのに。


相手の魂胆が読めずに黙りこんでいるとその際にできた僅かな沈黙に堪えかねたのか男は微かに笑みを浮かべながらその沈黙を破った。


「それに君、よくこの酒場にいるよね。こんな最初の町に留まり続けてるんじゃLevelも低くてお金も無いんじゃない?それで良かったら僕たちとって思ったんだけど迷惑だったかな」


まさかこいつ、ただそれだけの理由で俺を誘ったのか?自分たちに何のメリットもないのに?


さっきまでこの人の事を疑っていた自分が酷く惨めに思えてきてこの人たちとならと思った矢先チラリと脳裏をよぎる記憶が蘇る。


そして・・・


「誘ってくれるのは凄く有難いけどやっぱり遠慮しとくよ。そのフィールドには君たちだけで行ってきてよ」

「そっか・・・でも気が変わったらいつでも声をかけて!僕たちはいつでも大歓迎さ」


そう言い残してその三人組は酒場を出ていった。


男たちが酒場を出ていくのを確認すると手元にあるグラスに残る飲み物をぐいっと飲み干してふぅとため息をついた。


「なかなかにいい心いきをもった奴らだったな。あやつらとならパーティーを組んでも良かったのではないか?」

「口だけなら何とでも言えるんだよ。もしかしたらあいつら、俺を利用するだけ利用した後にパーティー解散後を狙ってPKしてくるかもしれないしな」

「ふっもし君がPK集団に襲われたとしても何も問題はないだろう。何せ君にはこの私がついているのだから」

「何でも返り討ちにすればいいってもんじゃねぇんだよ。ましてやこのゲームの中ではPKなんてタブー中のタブーだからな。もしそのPKが正当防衛によるものだとしても悪と称されるのは俺だろうよ」

「全く面倒くさい所だな。ここは」

「お前がそれを言ったら駄目だろ・・・」


因みに今俺は酒場にあるカウンターに一人で座っている。


端から見れば俺は独り言をぶつぶつ言っているヤバい奴と思われているだろう。


俺だって出来れば無視したいのだが何分こいつ、俺の背の鞘に納められている片手剣には何故かAIが搭載されており、しかもこいつがかなりのおしゃべりで無視すればいつまでも黙らないので仕方なく話しているのだ。


飲み物も飲み干したので酒場に来た本来の目的を果たすため壁に掛けられている木の板に近づいていく。


その木の板には所狭しとクエストの詳細が書かれた紙が貼り付けられている。


一通り目を通した俺は本日二度目のため息をついた。


「やっぱり最初の町にはろくなクエストがないな」

「当たり前だろう。君がやるべきクエストは第3の都市『鉱石都市グラン・バレー』にあるではないか。なのに君と言ったら怖いだのもういいだの府抜けたことばかり言って結局この最初の町まで戻ってきてしまったのではないか!」

「別に絶対俺が攻略しなくちゃいけない訳ではないだろ。現に俺がグラン・バレーに着いた時には第4の都市まで攻略されてたじゃん」

「・・・では逆に捉え方を変えてみてはどうだ?確かに君が第3の都市に着いた時には第4の都市まで攻略されていたのかもしれない。だがもしかしたら第4の都市から攻略が行き詰まっているのかもしれない。そこに君が颯爽と駆けつければ・・・」

「あぁもう!うるさいんだよ!ちょっとは黙れ!真っ二つにへし折るぞ!!」


あまりにも背に納めた片手剣がうるさいのでそこが酒場と言うことを忘れて怒鳴り散らした。


案の定酒場に来ていた他の客がこちらをじーっと見ている。


見知らぬ人たちの無数の視線に堪えかねた俺は店主であるNPCに金を払うとそそくさと酒場を後にした。


その間背中(主に片手剣)の辺りからハハハハハッという笑い声が聞こえてきていたがそんなことより他の客の視線が気になったので怒るに怒れなかった。


酒場から出ると燦々と照りつける太陽の日差しが少し眩しく感じた。


特にいく宛もないのでこの町の中央にある噴水広場に向かいそこのベンチに腰を降ろし本日三度目のため息をついた。


「おいリンカ、そんなにため息ばかりついていると幸せが逃げてしまうぞ。」

「うるせぇやい・・・もうこんな所に来た時点で幸せなんてねぇんだよ」


あぁ、どうしてこんなことになったんだろう。


俺が一体何をしたというのだろうか。


そんな事を考える俺の口からは自然と常に頭に浮かんでいる本音がポロッと口からもれていた


「はぁ、早く自分の部屋に帰りたい」


ではそろそろ説明しよう。


一体俺の身に何が起きたのかをな!!



意外に短めだったな

もう少し書いてもよかったかな?

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