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泥沼  作者: アーツムン
1/1

引っ越す



俺はいい人生を過ごせない。

そうわかったのは高校を辞めるころだった。

画面の向こうでしか生きられない。

そうおもったのは退学した数日たったころだ。


でも


ありがとうと思った。

それは、

地面に自分の足で立ったときかもしれない。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


それは高校一年一学期最後のころだった。

俺ら家族は4人暮らしだった。

妹がいた。

父親がいた。

そして、母親もいた。

俺はそれまでは家庭に問題なく、成績も上位だった。

これからの学年一位も夢ではなかった。

俺に対するいじめもなかった。

ある日、悲劇が起こった。

父親の借金だ。

「一千万の借金をした。」

暖かいはずの夕食の時間の空気が氷のように冷えきった。

父はなぜか笑っていた。

母は父を

「ばかばかばか...」

と連呼しながら叩いていた。

妹は黙っていた。

数日後また悲劇が起こった。

妹が自殺をしようとした。

現在意識不明の重体。

それから追い討ちをかけるように悲劇が起こった。

父は逃げた。

母は重度の精神病を患った。

俺は学校を辞めた。

先生からは

「元気でやってくれ。」

と泣きながら言われた。

クラスメートにも、

「遊びにこいよ。」

「メールしてくれよぅ。」

などといった言葉をもらった。

でもうれしくなかった。

こいつらが笑顔で言っているのが怖く、恐ろしく...

憎かった。

もちろんこいつらには悪気がないかもしれない。

だがなにかが嫌だった。


俺は生きることが楽しくない。

目的もない。

楽しい人生なんて夢の夢のまた夢だ。




学校を辞めて数日後。

母はぼうっとしている。

俺は何もしていない。

しているとしたら、息をしている、瞬きをしている、寝ている...

でも俺は何もしてはいない。

何もしていないほうがいい。

生きている?

俺ほんとに生きてんのか?

死んでんじゃねーの?

毎日そう考えてたら日が暮れる。

だから寝る。

その繰り返し。

つまんねー...

家の廊下を歩いても何もない。

母の部屋も、妹の部屋も、リビングも、キッチンも、父の部屋も、ん?

父が残したパソコンがある。

...何か発見になるかな?

ぽちっ!

ぴーーーー!!

(うるせーな)

ポンロンローンポロ-ン

(古いパソコンってこんな音すんのか)

パソコンに移ったブラワザソフト。

カチャ...

そこに掲示板サイトが写った。

いろんな"スレ"がある。

「人生脱線したやつこい...借金で人生オワタ\(^o^)/...

親父はこんなものを見てたのか」

試しに書き込んだ。

「俺の父親借金して逃げた^^;...っと」

かちゃっ!!

すぐに返信が来た。

「おれもだよwwwwww()って...こいつ俺と似てんな。」

俺も返した。

かちゃかちゃ...!!

手が進む。

ははは...

もうとめられない。

あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。 

あー楽しい。

気づけば夜。

一日で友達5人できた。

リアルワールドの友達のメールは無視していた。

翌日メールを見ると。

「何で出ないの?どーしたん?(笑)」

笑・・・だと?

フザケテンノカ?

ケータイを入力する手が進んだ。

死ね。もうメールしてくんな。

気づけば連絡先に書いてある全員に送っていた。


しまった。

母に送ってしまった。

二階から何かが落ちる音がした。


庭に出た。

そこに横たわる一人の女性。

疲れきった顔の女性。

かろうじて息をしている女性。

一回一回息をするのに疲れを感じているようだ。



「ウァアァァァアァアアアアアアアアアアアア!!」



気絶。


気づけば病室。


横に母親。


意識が戻った。


医者からは母は3週間入院だそうだ。

家に帰る自分。

朝だろうか周りには近所の人が掃除をしていたりした。

挨拶をした。

「こんちは」

「................」

返事はなかった。

周りの目が怖く感じたのはその日以来だった。



俺はもうこの画面の先の友達としかやってられない。



あれから数日。

家には俺一人だった。

あれから家にずっといる。運動もしていない。

だが体重は増えなかった。

家にはたくさんの食料がある。

母が買いだめしていた乾パンとか、缶詰とか。

俺の予想ではもうすぐでネットは使えなくなる。

俺は決めた。

慣れた手つきで母の金庫の鍵を開ける。

60万ある。へそくりだ。どんだけ貯めてんだよ。あいつ。

あんな廃人つかわねーだろ。

父のノートパソコンをリュックへ入れた。

衣服、軽食もリュックへいれた。

ネットカフェに行こう。



                                     ~~つづく









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