縛りとは?人間とは?動物とは?バンドとは?
俺達は話をしながら真っ白な廊下を移動していた。
「今から能力を手に入れる為に儀式の場に移動するなのだ」
「能力は決めましたけど…縛りはどうやって決めるのですか?」
「使用後は暫くの間戦闘不可能になったり使うたびに若返る・老化する縛りや能力発動に生贄が必要になる縛り自分の命を代償にする縛りや使用回数に制限のある縛り使う事に五感や四肢の中の1つを奪われるやつ縛りなどの縛りは大量に思い浮かぶなのだ…能力の発動に宣言する必要があるや敵が近距離になると遠距離攻撃が出来なくなるなど多種多様に存在するなのだ…正直に言って縛りなんてものは人によるとしか言いようがないものではあるなのだ…テンプレートなんてものは殆ど無いと言って良いなのだ…また縛りと言うのは多ければ良いと言うものでも無いなのだ…多いと絡まって変になったりするから…基本的には十個ぐらいに収めるのが普通なのだ」
「何を持って一個の縛りとして判定するのですか?」
「それはもう雰囲気と言う言葉が一番当てはまる様な曖昧なものなのだ」
「…そうですね…この俺の縛りの内容を聞いて大丈夫か判断してくれないですか?」
「それは問題無く出来るなのだ」
「この俺の縛りは三大欲求の消失・両手両足を動かす事が出来ない(義肢などに変えても動かない)・触覚と聴覚と味覚と嗅覚の消失・声を出す事が出来ない・寿命は残り1年・能力紹介」
「それは縛りの内容に問題は無いなのだが…サッカーを捨てるんですか?…カードゲームなどは捨てないんですね?…寿命は1年で良いのですか?…と疑問が大量に溢れる様な重く強い縛りなのだ」
「この俺は並行世界でのあの戦いでサッカーは満足した…一つ辿り着いた…そしてこの俺は並行世界でカードゲームで世界の運命を決めるところを垣間見た…そしてこんな濃い寿命は1年で充分です」
「それは随分と潔いなのだ」
「この俺の精神は完成に向かっている」
「まだ完成はしていないなのだ?未熟なのだ?」
「未熟と言う程では無いですが…行かなければならない」
「何処なのだ?」
「堕天使の棲家に」
そうして真っ白の廊下を歩いていると一つの部屋の前で止まって、車椅子のアームが動いてカードがスキャンされて扉が開いた。
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そうして俺達は扉を抜けて一つの凄く大きな部屋の中に入った、その部屋は全体に煙が充満していて見えづらかった、天井も壁見えない程だったがそれでも簡単に見えるものがあった、それは大きな少なく見積もっても30m以上はある鳥居が大量に縦に二列存在して、その両脇には大小様々な仏像が大量に並べられていた。
「この鳥居の先の転移陣で悪魔の分霊の様なものと契約する場合は擬似伏魔殿に…神の分霊と契約する場合は擬似高天原に移動するなのだ」
「悪魔とは誰で神とは誰ですか?そしてどちらがどっちですか?」
「悪魔とはファウスト・神とはニャルラトテップやツァトゥグァなどなのだ…そして神は左手・悪魔は右手なのだ」
「どぢらがお勧めだすか?」
「三人の縛りと能力を考慮すると…誠はツァトゥグァ…花蓮はニャルラトテップ…士郎はファウストなのだ…そしてそれを思い浮かべながら鳥居の中を真っ直ぐに進めば後は大丈夫なのだ」
「ここから先は着いてけぇへんので?」
「ここから先は個人で行く領域なのだ」
「そうですか…それじゃあ行ってきます」
「行ってくるす!」
「行ってきます!」
そう言って俺達は別の鳥居に向かって歩き出した。
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そうして鳥居を何十も何百も潜り続けていると明らかに鳥居が加速的に小さくなって来た、異様な雰囲気は重くなり続けてどんどんと霧が濃くなって来た、そしてもはや自分の手すらも見えない程になっても気を付けて進み続けると唐突に視界は晴れた。
(ここが伏魔殿か!)
そこには富士山すらも小さく見える様な途方もなくデカい教会が存在していた、この俺の人生の中で一番立派なものであり余りの美しさに俺は言葉を失って見惚れた、けれども俺は正気を取り戻して教会の大きな扉を開いて中を歩いた、色とりどりのステンドグラスにはミカエルやガブリエルやラフェエルなどの天使達が神聖四文字が黙示録などの様々なものが描かれていた、そして無言で進み続けると本来は祭壇がある場所には悪魔を模したと思われる10000mはある石像があった、それは常人であれば一瞬で心臓麻痺をして死ぬ様なおどろおどろしい不気味な雰囲気を放っていた、俺は息苦しくなりながらも言った。
「貴方様がファウスト様の分霊ですか?」
「汝は力を勝ち取る為にここに来たもの」
「そうですね…その為にこの俺は来ました」
「汝は己を縛り己に試練を課すものである」
「そうですね…そうでなければ地球は救えないので」
「なら慈悲深き我は汝に与えよう…祝福を…呪いを」
そうして俺の頭が揺れて景色が揺れて混ざって途切れた。
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そうして俺が気を取り戻すとそこは地平線の彼方まで大量の墓が存在する墓場であった。
「ここは一体何処だ?」
地面は人間や様々な動物や見た事もない様な存在の死体によって完全に構成されていた。
「この死体は一体何だ?」
風や湿気などを一切感じないかなり寒い不思議な場所の多種多様な形の墓を見ながら歩く。
「日本の現在の墓…日本の昔の墓…西洋の墓…本当に多種多様な墓」
墓に置かれている恐らくは遺品と思われる物を眺めながら歩きづけていると俺は目撃した。
「地平線の先に見えたあの建物は…マンション…いやそれもただのマンションでは無い?…この俺が暮らしていたマンションに見える?…であるのならばあれがこの俺の試練なのか?」
そう思いながら俺は周りを警戒しながらマンションに向かって歩き続けていると遠くに誰かがいた、その人物は全身が炎に包まれている鳥であり、この俺は一眼で不死鳥であると分かった、故に遠回りをしてその存在を避けようと思った、けれど不死鳥はこちらに向かって一瞬で振り返って燃え上がったと思ったら。
「こんな所に何の様で君は訪れたので?」
いつの間にかこの俺の目の前に存在していた。
「…貴方は誰で…ここは何処なんですか?」
「僕はメメントモリ…ここは指定墓場059番だけど…知らないでどうやって来たんだ?」
「…恐らくは会わなければならないからでしょうか」
「ここに知らないで来て誰に会うって言うんだ?」
「誰ですか…今のあの人物は誰なんでしょうね?」
「はぁ?精神でも能力によって破壊でもされましたか?」
「精神の異常はありますが能力によるものではないですね」
「…色々と大丈夫ですか?」
「どちらとも言えると思っています…所で貴方は何をしているので?」
「私ですか?私は覚悟を決める為ですかね?」
「何の覚悟ですか?」
「犠牲になった人達を糧にして進み続ける覚悟です」
「それは善なる行為ですか?」
「この僕は心からそう信じています…さて僕はこの辺で失礼します」
そう言って飛び上がって衝撃波が出ていないが明らかに極超音速を超えた速度で、恐らくはマッハ20の速度で周りに一切の被害を出さないで飛んで行った。
「…あれがこの俺達の敵ですかね?…まあ今は向かいますか」
そう独り言を呟いて俺はマンションに向かって再度歩き出した。
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そうしてマンションに向かって死体を踏んで移動していると。
「この墓は…まさかあいつらの墓なのか?」
そこにはクトゥルフ神話TRPGの卓の仲間の本名の書かれた墓があった。
「…なんで一族の墓では無いんだ?…なんで横並びに存在しているんだ?」
だがそこに置かれている遺品を見てやはりそうであるとこの俺は確信した。
「…[降魔 静虎]・[赤木 月光]・[羽海野 チカ]・[ワールド]・[セリーヌ スマルダーズ]」
「…この俺を除いて全員死んだか…聞いてはいたが…こうして実感すると悲しいな」
「面白いから自分を殺そうとした様な奴を許す様な…何も無いのに笑い転げる様な…サイコパスすらもいるのに」
「それなのにこんなにも悲しいとは…悔しいとは…笑えるな…泣けるな…まあそれも当たり前で…それが俺であると昔からわかっていただろうに」
そうして俺は般若心経を唱えて墓参りを済ませてまた再び歩き出した。
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そうして俺がそこそこの時間歩いてマンションに辿り着いた。
「…やっぱりこの俺が住んでいたマンションだな」
そう言いながら俺はマンションに入って階段を登り続けた、そして一番上まで来て鍵を取り出して屋上の扉を開けると、そこはマンションの屋上であり俺の描いた絵が飾られていて壊れた陰陽玉が地面に転がっていて処刑台(断頭台)が存在していてお地蔵様・道祖神・仏像などの様々な存在が飾られている、そんな場所には痩せ細って死体の様な見た目をしている堕天使が地面に横たわっていて、俺の飼っている猫が何故か地面に寝転がって存在していた。
「久しぶりですね」
「大体1年ぶりか?」
「この俺の主観では大体三ヶ月(一ヶ月)ですね」
「…そうか…それで試練の都合でここに来たらしいが…今のお前にこの試練はどうにか出来るのか?」
「どうでしょうね…さてまず本題でもしますか…俺は内輪ノリに終止符を打って先に進ませて貰うよ」
そう言いながら俺は床に寝転んでいる猫を丁寧に拾い上げて堕天使の横に移動すると堕天使は笑いながら言った。
「はっひゃ…内輪ノリって歴史でも終わらせるか?」
「人類の内輪ノリは続きますよ…続かせて貰いますよ」
「今の人類と呼ばれている存在を眺めたのか?今の現状に向き合わないで非戦闘員に逃げた愚民達をその目で眺めて同じ事をお前はその口で言えるのか?」
「人類が愚民であるなんて今に始まった事では無いですよ?無条件に無意味に神(科学・政治家・????・?????・??????)を崇拝する…それは事実であり受け止めなければならない事である…そしてこの星に住む全ての存在がそれを理解して団結をしなければ…この地球を救う事は出来ないとこの俺は考えている」
「英雄に自分は成れないと言うだけでは無いのか?」
「英雄は歪んだもの…本来は不要なものですよ?」
「君の見える世界とは全く歪んでいるな?」
「…世界とは美しい・世界とは醜い…世界とは白と黒では無い…世界とはグレーであると言う事を知れ…それが白も黒も凌駕するものである事を知れ」
「誰の言葉だ?」
「誰の言葉でしょうか?」
「[それはこの自分の言葉である]」
そう言った風に猫は当然の様に喋る。
「そんな事を言う性格であるとは俺は知らなかったな」
「[今まで数える程しか喋った事は無いから分からなかったか?]」
「…この俺は過去の経験から精神病を持っている…人間とは動物であるが…敢えて言わせて貰うのであれば…人間と動物などが逆転して見える…人間が猫に見える…カラスが堕天使に見える…まあ絶対と言うわけで無いが」
「[そしてそんな事は昔から君は自覚していた!だがそれから逃げていたのは
「この俺は猫を拾った…それが人間であるのならばそれはただの誘拐に過ぎない…それがただの猫であるのならばそれは誘拐では無い…それを確認する事をこの俺は恐れた」
「それは誘拐によって犯罪者になる事を恐れたわけでは無いだろ?…君が恐れたのは
「俺が恐れたのは…
そう言いながら瞬きを目を一瞬閉じて開けると俺の目の前の景色が変わった、処刑台(断頭台)は消えて、壊れた陰陽玉は壊れたサッカーボールに姿を変えて、そして猫は幼女になって痩せ細った堕天使はカラスの死体になった。
「この光景である」
そうして俺の頭の中では様々な記憶が流れていたが、静寂がこの場を支配していた、俺はカラスの死体に向かって歩きながら話した。
「貴方はこの自分にどう言う選択を押し付けますか?」
「別に自由である…死ぬも生きるも…また俺と生きるも」
「自由の中で何も選択出来ないから自分はこうなのである」
「そんな顔をしないでくれ…思い出したから分かって言っているんだ」
「分かっているのならば尚更どうしてそんな事をこの自分に言うので?」
そうして俺は無言でカラスの死体を持ち上げて壊れたサッカーボールをポケットに入れて。
「あれから時は経ったが…何も変わっていないですね」
「自分は変わる様な事を何も体験していないですからね」
「そうか…まあなら変わる様な事を体験させてあげますよ」
「それが命を危険に晒す様な行為でなければ付き合いますよ?」
そうして俺は再びほんの一瞬の瞬きをして堕天使と通じあって話をする、最後の会話をする。
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そうして煌びやかな宇宙で堕天使は銀河系に座っていた。
「士郎の全てが分かる…何故音楽捨てたのか…何故音楽にハマっていたのか…何故話が大好きなのか…本当に全ての心が…だがお互いの心が分かっても人類は分かりあう事は出来ない…理解や共感などはただの別物に過ぎない…理解するだけである」
「それでもこの俺は嬉しい…土足で人の心の中には踏み込んでも受け入れてくれる君を嬉しく思う…それがもしかしたらそう望まれた存在であったとしても嬉しいんだ…これが生きると言う事の意味なんだろうか?」
「それは違う…お前は既にそれを持っている…それに気づいていないだけに過ぎない…そしてその意味を理解した時にお前は思う…これが俺が生きてきた理由であったと知る事になる」
「…本当の自分になって幸せになれるかな?」
「これが本物では無い…本当の自分なんだよ」
「そうな?…うんきっと…そうなんだろうな…未来が楽しみだよ」
「「本当の幸せに気づいて分かち合って始まるこの俺の人生よ」」
そう話して俺達が屋上から去ろうとするとピアノと歌声が聞こえた。
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そうしてマンションの階段を降り続けるとマンションの前でピアノを演奏しながら歌っている、身長は目算だが155cm〜160cm程であり、白い肌をしている根暗な雰囲気の少女であり、黒の目に黒の髪で普通のロングであり普通の学生服を着ていた、前に演奏部で見た人物がそこにはいた、そして俺は拍手しながら言った。
「素晴らしい演奏でした」
「…有難うございます?」
「今の曲は何と言う曲名ですか?」
「…今のは曲は昔のぼんやりとした記憶の再現ですので私にも分からないです…すいません」
「いや別に貴方が謝る様な事ではありませんよ」
「…いやこれは謝るべき事であると私は思います」
「それは何故ですか?」
「私は何も変わっていないから…だから腐っている」
「意味が俺には分かりかねますね?」
「…この私とバンドを組みませんか?」
「バンド?」
「そうバンドです…今度の文化祭でやろうと思っているんですけど…どうです?」
「…貴方はこの俺がどんな楽器をどのくらい使えると言う事も知らないですよね?」
「貴方の名は幽谷 士郎…ボカロPとしての名前はデイジー・ベルPでありあらゆる楽器を使う事が出来る…違いますか?」
「俺の事は英雄として知っていても別に何もおかしくは無いですが…何故そのボカロPが俺と同一人物であると知っているので?」
「そんなものは…簡単に分かります…見た目…声…喋り方などで」
「声も喋り方も別に特徴的では無いと思うが…見た目はインターネットで何処まで話していたっけ?…まあそれで納得するとしても…何故いきなりバンドに誘うので?」
「…そうですね…飛ばし過ぎですよね…取り敢えずまずは自己紹介して話をさせて貰いますね…この私は[須部 巡]…音楽と言うものを愛しているもの…人類と言うものを憂いているもの…タロットは小アルカナのワンドのエースです」
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