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 食堂では珍しいダッシュボーアの肉を食べながら話をしていると、何人かの客が入ってきた。傭兵の様だが、ガチャガチャ音の鳴る革鎧を着ているらしい。


 どうやら要所を金属で補強しているみたいで、そこの金属同士がぶつかって音が鳴っている。


 ガチャガチャ音の鳴る鎧なんて褒められたものではないが、俺達の着ている革鎧の様に、部分的に硬くしたり柔らかくしている鎧なんて無いから仕方ないか。金属鎧じゃないだけマシだが、音はなぁ……。


 その音で誘き寄せるなんて連中も居たが、そいつらは色々足りてなかったが一応プレートアーマーだった。ただ、入ってきた奴は革鎧なのに音を鳴らしている。アレでよく生きてこれたもんだと逆に感心してしまうな。



 「ちぃっとウルセエが、この新しい鎧はなかなか良いな。なんと言っても金属で補強されてるから、今までのより安心感が違うぜ。今までの革鎧じゃ突っ込み難かったからな!」


 「それはそうかもしれないが、盾のオレより狙われてなかったか? 絶対にガチャガチャ五月蝿いその鎧の所為だろ。おかげで盾のオレを狙わず、お前の方に魔物が行くんで困るんだよな」


 「確かに今日はそれが多かったですね。その所為で援護もし辛かったですし……。迂闊に動かれると味方に当たるかもしれないんで、あまり動き回らないでくれますか?」


 「はぁ? 何言ってやがる。オレが突っ込んでるおかげで戦えるんじゃねえか! お前等みたいに安全なトコからチクチク魔法撃ってりゃ済む仕事じゃねえんだよ! 文句あんならテメエが前に出ろや!」


 「魔法も使えないアンタが前に出るのが当たり前でしょう、何で魔法で援護できる私達が前に出なきゃいけないのよ! 前衛の邪魔になるだけでしょうが。何回言えば分かるのよ、この鳥頭」


 「んだとテメエ! ちょっと魔法が使えるからって調子に乗んじゃねえぞ!!」


 「魔法が使えないコンプレックスを押し付けんな、この鳥頭!! ……お店の迷惑になるから、私達は別の所に行きましょ。すみません、お金はいいですから。ご迷惑をお掛けしました!」


 「オレも行くか。いい加減、メンバーを変える時期が来たのかもしれんな……」


 「はあ!? 辞めるならテメエ等が辞めろや! フザケルんじゃねえぞ!!」



 そんな喧嘩があった後、4人組の内の3人は食堂を出て行ってしまった。魔法が使えないコンプレックスね……分からなくもないが、魔法が使えるなら支援できる遊撃の位置に着くのは当たり前だな。


 で、魔法が使えない奴がアタッカーになる。普通のチーム編成っていうか、パーティー編成だな。この世界の魔法使いは普通に近接戦もするし、魔法の使える男女は両方武器を持っていたから純粋な魔法使いじゃない。


 戦、盾、魔、魔。ゲーム脳と言われそうだが特に問題のある編成ではないし、十分に戦っていけるメンバーだろう。魔法の使えないコンプレックスとやらで空回りしてるだけっぽいな。


 あれだけ喚き散らしていた癖に、1人になると随分と静かにしているな。知り合いの前だと調子に乗るタイプか? 借りてきた猫みたいに大人しくなっていて別人かと思う程だが、動くたびにガチャガチャ音が鳴るんで本人で間違い無い。


 むしろガチャガチャ鳴るのが面白くなってきて、笑いを堪えなきゃいけなくなっている。それにしても、何故わざわざ音の鳴る鎧を着るんだろうな。大森林が近いんだし、音が鳴るとマズイって分かるだろうに。


 遂に限界に達したのか、一気に詰め込む様に食べて店を出て行った。ようやく食堂内に弛緩した様な空気が流れる。チーム内で喧嘩をするのは仕方がないが、食事時に空気を悪くするなよなー。おかげでせっかくの食事が味気なくなっただろ。


 夕食後、部屋に戻ったら、さっきの奴等に対する愚痴が凄かった。食事という楽しみを台無しにされたんだから気持ちはよく分かるが、部屋に帰ってきてから愚痴を言われても困るんだよ。特に俺が……。


 先程の奴等の愚痴を俺にぶつけるのは止めて頂きたい。こういう時に限ってダリアは離れているんだが、危機感を感じて離れたんだろうか? 猫だけに。


 俺も離れたかったが諦めるしかないか……。


 多少の時間で終わってくれてヤレヤレだ。あのままずっと愚痴られたら、俺の方がキレるかもしれなかった。まあ、その気配を感じたから止まったのかもしれない。


 ダリアが近付いてきてブラッシングを要求してきたので梳いてやる。自分とダリアを【浄化】しながらブラッシングしていると、イライラがスーっと無くなっていくのが分かった。こんな事なら、最初から皆を【浄化】しておけば良かった……。


 あまりイライラを溜め込む事も無かったので、【浄化】の権能がストレスにここまで効くとは知らなかった。皆の方を見ると多少は吐き出せた様で、幾分スッキリした感じか。一応【浄化】しておこう。


 そんな感じで過ごしていると、ダリアは眠くなってきたのか布団に自分で向かい倒れる様にして寝た。その瞬間、両腕を掴んで連れて行かれる俺。早業すぎる気がするんだが、ストレス解消をしたいのかね?。


 全員を【極幸】でキメて寝かせたら綺麗に【浄化】し、特にストレスに効くように使ってみる。今までそういう使い方をした事が無いので本当にストレスに効くかは分からないが、やってみなければ始まらない。


 そう思ってやったのだが、寝ているので効いたかどうかも分からないな。効果の程が分からないので諦めるしかないが、自分に使ってみよう。……やっぱり分からないので適当に試しながら様子見だな、これは。


 他の2部屋は綺麗に出来ないので、さっさと寝よう。今日も一日お疲れ様でした。



 <異世界463日目>



 おはようございます。今日は侯爵領のダンジョンに移動する日です。まずは王都まで行く事になるが、向こうで何かあるだろうか? 何も無ければ良いんだが、周りの国は戦争中だからなぁ。


 こっちにまで飛び火はしてこないと思うが、どういう風に巻き込まれるかは分からないし困ったもんだ。アクロバティックに巻き込まれたら避ける事も出来ないから、その時はもう諦めよう。



 「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャー」


 「今日から侯爵領のダンジョンに出発するんだけど、一旦王都で泊まってからになるね。侯爵領のダンジョンも久しぶりだけど、何回も最奥まで行ってるし竜は出ないかもしれない」


 「それは仕方がないのでは? ダンジョンなら迷惑は掛かりませんし、私達ぐらいしか最奥には行けないでしょう。深層の魔物を乱獲しても誰にも怒られませんよ」


 「そこまで乱獲しに行くのも面倒だけど、村の傭兵も増えたから私達が狩りをするのもね? とはいえ、宿に篭っていても暇なだけだし……困ったものだわ」


 「まあ、適当に過ごすって事も考えないといけないね。日々濃密に生きることなんて出来る訳も無いんだし」



 部屋を片付けてから綺麗に【浄化】し、終わったら部屋を出る。食堂に移動して大銅貨10枚を支払ったら、女将さんに村を出てダンジョンに行く事を話しておく。


 朝食が運ばれてきたので食べようと思うと、またヴェルが来たので大銅貨1枚を渡して1人前を頼んだ。



 「また何かの情報かい? 頻度が多過ぎて集っている様にしか見えないよ?」


 「違いますよ! そんな事より聞いて下さい。ラグナンドとヴェスティオンが小競り合いを始めたそうなんですが、その際に側面を突こうとした部隊に王女が居たそうで、その争いで戦死したとの情報が来ました」


 「「「「「「!!!」」」」」」


 「リズロッテが死にましたか。可能性は十分あったとはいえ、王子2人ではなく王女であるリズロッテがですか……。少々引っ掛かりますね」


 「そもそも何故側面を突く様な部隊に王女が居たんだろうね? そういう部隊は死人が発生しやすいんだけど……ワザとそういう部隊に配置したのかな?」



 確かに怪しいな。



 ▽▽▽▽▽


 0991終了時点


 大白金貨17枚

 白金貨72枚

 大金貨771枚

 金貨877枚

 大銀貨931枚

 銀貨1121枚

 大銅貨1498枚

 銅貨291枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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