表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/1948

0098




 光が止むと平原に居た。どうやらここが迷宮の内部らしいが、邪気が結構多いな。迷宮での死亡原因の上位に、チームメンバーが邪生になっての全滅があるのも納得だ。


 この辺りの浅い層を浄化する気は無いので、さっさと進んで行こう。迷宮は不規則に内部が変わっていくのだが、周期は一定ではなく、いつ変わるのかは誰にも分からない。


 魔神の説明では、迷宮の運営は自動システムのような物で自動化されているらしく、神様でも細かい事は分からないそうだ。細かい事に興味が無いという本音もあるそうだが。


 とにかく、さっさと次の層への転移紋を見つけよう。【空間把握】を集中して使う為に、三角の陣形の中心で調べている。近くには無いので探索範囲を広げていく。



 「よう、ネーチャン達。俺達がダンジョンの事をじっくり教えてやるが、どうだい?」


 「俺達なら、そこのカスよりイイ思いさせてやるぜ」


 「そうそう、おれ「見つけた! 南南東の方角だ」たち……」


 「何だこのガキ、すっこんでろ!」


 「ん? 何だコイツ等?」


 「アタシ達を手篭めにしようってバカどもさ」


 「ああ、コイツ等死にたいのか」


 「ああ? クソガキ、テメ「死にたいのか? と言ったんだが?」エ……」



 俺はこのバカどもに【闘気】と【念力】を込めた殺気と殺意を浴びせる。気絶しない程度だったので、いつも通りの顔面蒼白と失禁のコンボとなった。ザコの相手は面倒だな、ホント。



 「もう1度だけ聞いてやる。死にたいのか?」



 バカどもは全員顔を必死に左右に振っているので、今回は助けてやる。「次は無いぞ」と言っておいたので大丈夫だろう。バカどもは放って、南南東に向かって歩いて行く。


 調べた通りの場所に転移紋があったので、上に乗って先へと進む。光が止むと、平原だった。……え? また? どうやら2層目も平原らしい。石とかしか無いんだが……。


 ここもまた【空間把握】を使って転移紋を探す。探索範囲を広げて行き、見つけたのは入り口から北北西だった。人が多いので魔物と戦わずに済んでいるが、次からは難しいかな?。


 転移紋の光が止むと森だった。3層目からは木が手に入る様だが、俺達にとってはどうでもいい。再び【空間把握】を使って調査を開始する。今度は直ぐに見つかり、南南西だった。


 4層目はまた森だった。今までのパターンなら、次は北北東だろうと思ったら当たりだった。もうちょっと頑張ってほしかったが、むしろ楽だと思い直す。転移紋に乗って5層へ行く。


 5層目は荒野だった。普通なら厄介だろうが【空間把握】が使える俺なら……? 何か人が多く集まってる場所があるぞ? 心当たりがあるかどうか、皆に聞いてみよう。



 「人が多く集まってる場所があるんだが。何故か分かる?」


 「人が集まってる? んー、何故でしょうね?」


 「荒野だから、鉱石ではないかしら」


 「あー、可能性はあるね」


 「5層目の鉱石ですか? 硬石か銅でしょうね」


 「そんなもんか。せめて魔力金属ぐらいが出ないと、採掘する気にもならないな」



 3層目からは浄化しているのだが、ここも浄化しながら転移紋を探す。この辺りからは人が少ないからか、魔物がこちらに向かって来ている。とはいえ迷宮の魔物は脅威では無い。


 普通の魔物と迷宮の魔物には明確な違いがあり、それは迷宮の魔物はコントロールされている事だ。正確には迷宮の魔物は半邪生と言える存在で、迷宮に邪気を入れられて作られている。


 邪生に成りきれず、魔物とも言えない、それがダンジョンモンスターなんだと魔神は言っていた。半分でも邪生である以上は浄化が良く効くので、浄化すれば脅威ではなくなる。目の前のように。



 「何と言うか、楽勝だね。当たり前ではあるんだけど」


 「唯のダッシュボーアですから、元々大した魔物ではありませんけどね」


 「盾を使う必要も無かったわ。それにしても、思っていたよりも弱いのね?」



 3人にあっさり殺されて終わった。迷宮内だが、処理したので収納してもらう。半邪生だと言っても普通に食べられる以上は、持って帰って売るか迷宮内で食べる。


 ちなみに迷宮内では死体は地面に呑み込まれ、ひり出した物も地面に呑み込まれる。魔物は1度倒すと、一定時間が経たないと再び現れない。だから、倒す事で安全を確保できる。


 トイレを適当に済ませても勝手に綺麗になるので便利だが、死人に口無しどころか死体無しになってしまう。迷宮では常に警戒し続けるのが安全を担保する方法だ。



 「前方右からオーク2、左からオーク2」


 「「「了解」」」 「ニャ!」 「グル!」



 3人はオークと1対1で戦うのだが、ダリアはオークの目を潰し、カエデは足を食い千切っている。



 「ハッ!」 「ヤァーッ!」 「セィッ!」



 相変わらず俺の出番が無いな。手を出す暇も無いし、手を出しても邪魔にしかならない。おっ、2匹も倒した様だ、首が食い千切られてる。


 獲物を浄化して処理したら、収納してもらう。【空間把握】で調べるものの、近くに転移紋は見当たらない。更に探索範囲を広げて、やっと見つけた。入り口から真っ直ぐ北だった。


 転移紋に乗り6層へと進む。浄化はまばらだが、他の層の邪気が流入して直ぐに邪気まみれになるので、今の時点では適当な浄化で問題ない。


 キッチリ浄化するにしても、この迷宮の邪気の総量がもっと減ってからになる。仮に随分減っても、他の迷宮からの邪気が流入するだけかもしれないが……。


 光が止んだので周りを見ると、また荒野だったのだが南の方に転移紋がある。3人にその事を伝え、さっさと転移紋を使って次に進む。


 7層目は海……? 磯の香りがする! 光が消えると目の前に海岸線が広がっていて、魚が居るのが【空間把握】で分かる。俺は樽を出して貰い、海に走っていく。



 「一体どうしたんだい!?」


 「海だ! 海水だ! 塩がタダで取れる」


 「わぁ、樽の上に水の球が浮かんでるわ」


 「その水の球から塩が落ちてきましたね。何か、私が知ってる塩作りと違うんですが?」


 「アタシも知らないね。こんな滅茶苦茶な塩の作り方」


 「でも、凄い速さで塩が出来てるわ。これだけで生きていけるんじゃないかしら」


 「「確かに!」」



 塩は生きていく為の必須栄養素の1つだからな。ちなみに、体に有用なミネラル分も一緒に【抽出】しているので無駄に高度だったりする。小樽3つを満杯にして、塩は終了。


 次に海水ごと魚を水揚げするのだが、魚が見えた途端に2匹のテンションが一気にハイになって暴れてる。魚だけ落とし……あーあ、2匹が早速食い散らかしてる。


 それでも鯵に似た魚と秋刀魚に似た魚をゲットした。それと蛤とアサリに似た貝も手に入れた。【土魔法】で焼き場と網を作り、新鮮な海の幸を浄化して浜焼きにする。


 俺のテンションに3人はついて来れないらしい。2匹は俺達など気にもせず、魚を貪っている。俺も早く食べたい。


 魚の鱗や不要部分を【分離】して外し、3枚に下ろす。さっき作った塩の小樽を出してもらい、塩を振りながら焼いていく。


 皿に乗せて身とそれ以外に【分離】して食べよう。丁度昼くらいだろうし、ついでにダッシュボーアも焼いて食うか。余っている小樽に、海水から【抽出】した真水を入れて浄化する。



 「それじゃあ、頂きます」


 「「「えっ? ちょっと……」」」



 3人が何か言ってるが気にしない、久しぶりの魚だ。あー、塩だけなのに美味い。魚ってこんなに美味かったんだなー。貝も美味いな。焼いたら出てくるエキスが堪らない。


 3人もゆっくり食べてるが「美味しい!」を連発している。猪肉も良い感じに焼けて……ああ、いるのね。皿に乗せてっと、あんまり食べ過ぎないようにな。2匹とも聞いてないな。


 皆が満足する程食べたので、少しゆっくりする事にした。焼き場や網を【破砕】と【粉砕】で破壊して元に戻しておき、甘えてくる2匹の相手をしてやる。


 海の向こうには無い筈なので、転移紋は北以外の方角だろうな。しかし7層ともなると人が全く居ないな。そこら辺りも含めて聞いてみるか。



 ▽▽▽▽▽


 0098終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 金貨30枚

 大銀貨35枚

 銀貨6枚

 大銅貨20枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 風鹿の角の十手

 二角の角の戦斧

 二角の革の帽子

 剣熊と銅亀の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 剣熊の革の指貫グローブ

 剣熊の革の剣帯

 剣熊の骨の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 剣熊と銅亀のブーツ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ