0091
「そういえば、3人とも今日はスッキリした顔をしてるね?」
「スッキリ……? あぁ、今までアルドに翻弄されてたからですよ」
「そうだね。昨夜は基本に返った感じだったよ」
「そうね。ゆっくり、たっぷり味わったのよ。アレも良いものなの///」
「えぇ、本当に。昨日はじっくり堪能できました///」
「強烈じゃないから、逆に新鮮でねぇ///」
「へー。そういうのも、あるんだねぇ」
「えぇ、色んな方法で愛して貰えるんです///」
「とっても幸せな事よ///」
「そうそう、色んなヤリ方があるのさ///」
まーた始まった。いつも通りの会話だが、男嫌いと言える5人がここに居るんだが大丈夫か? ……ん? 何で女好き軍団は顔を真っ赤にして、下を向いてモジモジしてるんだ?。
その反応は違うだろ? ……もしかして間違えてた? こいつら両刀だったのか。男嫌いじゃなくて、雑食だっただけかよ。どちらかと言えば女好きなだけなんだな。成る程なー。
どうでもいいわ、そんな事! 興味も無いし、知りたくもなかった! ダリアとカエデに癒されよう。2匹は本当に俺の癒し枠だ、2匹もモフられて喜んでるし。
「君達は朝から何て会話をするんだ!?」
「「「「???」」」」
「ま、周りの人達が困っているだろう?」
「困ってる……? 男が前屈みで居るのと、女がモジモジしてるぐらいかねぇ?」
「また娼館の売り上げが増えるわね」
「最近、娼館組合も喜んでる事多いね。女性用も男性用も、どっちの娼館もお客さん増えてるそうだよ」
「村にとっては、とても良い事ですね」
「狙ってやっていたのか!?」
「「「「全然」」」」
「………あー、うん。頭が痛くなってきたよ……」
なんだろう。あのランク12がマトモに見えるという、スッゴイ不思議な光景が展開されてるぞ。しかも正論言ってる側が負けるという、実に不条理な形だ。結構珍しい展開だなぁ。
朝食も食べ終わってるし、部屋に戻って2匹と遊ぼう。部屋に着いた途端、2匹のテンションが凄い事になってる。中々のハシャギっぷりに対応するのが大変だ。
2匹と一緒に遊んでいると、早めに3人は帰ってきた。どうやら今日の猥談は、ランク12をからかう為にワザとやっていたらしい。シュラは両刀である事を知っていたそうだ。
今日は狩りに行きたかったので、山へ行く事を伝えるとあっさり決まった。準備を整えて、まずはキャンプ地まで行く。2匹が先導する形でのんびり歩いて行こうか。
キャンプ地に着き、少し休憩した後に北回りで山へ行く。登山道の付近で魔物の反応があり、警戒を促す。
「前方右にオーク3、前方左にスマッシュボーア2」
「「「了解」」」 「ニャー」 「グル」
オーク3体をメルが止めて、ダリアとカエデが襲い掛かる。ダナはスマッシュボーアの首を落とし、シュラは正面から唐竹割りにした。丁度そのタイミングで戦闘が終わったので処理をする。
浄化と処理を終えて収納してもらい先へと進む。ある程度登って行くと、再び魔物の反応があった。
「右にソードグリズリー2、左にウィンドディアー2」
「「「了解」」」 「ニャ!」 「ガルゥ!」
メルはソードグリズリーを止める様だ。ダナとシュラはウィンドディアーへと駆け出し、出来るだけ早く倒そうとしている。俺は隙を見せたソードグリズリーの目を狙って矛で斬り裂く。両目を潰す事に成功した。
メルは巧みに盾を使って流し、体勢を崩させては槍を目に突き込んでいる。両目が潰れた2頭のソードグリズリーは、暴れるだけで脅威ではなくなった。ダナとシュラが首を落として戦闘終了だ。
獲物を浄化と処理し、収納してもらう。これで十分な量なので、村に帰る事にした。一旦キャンプ地に戻り スマッシュボーアとソードグリズリーとウィンドディアーを解体する。その後、休憩して村まで帰った。
村に着くと昼に近い時間だったので、宿に戻り大銅貨6枚を支払って昼食を食べる。昼食後、スマッシュボーアとソードグリズリーとウィンドディアーの革モドキを作製。肉は3人に言って旦那さんに渡してある。
他の素材も【融合】や【圧縮】で一纏めにして、やっと全ての準備が完了した。あー、疲れたー。
「これだけの素材を用意して、一体何を作るつもりだい?」
「半篭手とか脛当だな」
まずは半篭手の製作を開始する。半篭手とは肘から手までの篭手の事だ。ソードグリズリーの革を腕に合わせて【変形】しベルトで固定出来るようにする。後はソードグリズリーの骨を被覆すれは完成。
メルに作った物と同じ形の脛当を3人分作る。ちなみに、半篭手は全員分作った。3人とも装備して腕や足を動かして確認している。問題ないみたいで良かった。
ウィンドディアーの骨を心材にして角を被覆する。持ち手の部分にウィンドディアーの革を巻けば、メルの十手が完成。捕物用の武器はやっぱり珍しい様だ。
「重さですか? 十分に軽いです。もっと重くても問題はありませんよ」
「流石は元重装兵。鎖帷子を着けても問題なさそうだな」
「そうですね。それでも今までよりは軽いでしょうから、おそらく問題なく動ける筈です」
「凄いですね。それで、余ってる材料はどうするんです?」
「ナイフを作ったり、軽い防具を作ったりだな」
最初はサバイバルナイフだ。長さは25センチで先の5センチを両刃にする。これをソードグリズリーの骨と爪で作り、持ち手にソードグリズリーの革を巻く。鞘は骨で作って、色を着けておく。
サバイバルナイフは色々な機能が付いている物があるが、そういう物は付けておらず、堅牢で壊れ難い意味でのサバイバルナイフとなる。
次はシュラとメルのジャケットをソードグリズリーの革で作る。ジャケットは鎧の上から羽織る大きさで作成する。この時点でソードグリズリーの革が殆ど無くなった。
スマッシュボーアの革でズボンを作る。ダナとメルのズボンを本人に合わせて作り、履いてもらう。調整して完成だ、自分のジャケットとズボンもスマッシュボーアの革で作っておいた。
ウィンドディアーの革でメルの剣帯と指貫グローブを作り、作るべき物と革が終了。裏庭に行き、ククリと肘防具と膝防具を【破砕】して【粉砕】して捨ててきた。
部屋に戻り、作った物を全て持ち主の色に塗っておく。今までの装備も含めて、分かりやすく色を塗ったので識別しやすくなった。
……防具をもうちょっと良くしたいんだけど、機動力が無くなると駄目なんで、その辺りのバランスが難しい。プレートアーマーは俺的に論外だし……。何か良い案は無いもんかねぇ……。
「そろそろ夕食を食べに、食堂に行かないかい?」
「もう、そんな時間かー」
全て浄化して、食堂に下りる。カウンター席に着くと、女将さんがやって来た。
「今日はお肉をありがとう! じゃんじゃん食べて行ってよ!」
「もちろんよ。スマッシュボーアのお肉なんて久しぶりだもの」
「そういえば、高級なお肉だったね」
「高級? という感じですね、今は」
「それなりに居るからなー、あの猪」
メルにとっては珍しい、美味しい肉のようだ。俺達は……結構慣れてる? もしかして結構贅沢してるのか、俺達は。とはいえ、自分達で狩ってきてるから食うのは自由だしなぁ。
食事の前にゴチャゴチャ考えてもしょうがないな。食事に集中しよう。
「相変わらず、焼き加減が見事だな」
「肉汁が良い感じに溢れてくるのが、実に見事だね」
「村に来てからの方が、美味しい物が食べれてます」
「美味しかったわ~。久しぶりに良いお肉を食べられたわね」
「皆、満足そうだね。ウチの旦那も喜ぶよ」
「いやー、ここの料理は美味しいね」
「おや、リヴィアーテですか。まだ居たんですね」
「魔銅を買うんだから居るよ。まあ、明日には帰るけどね」
「魔銅は買えたようだね。どこで作ってもらうかは知らないけど」
「作ってもらうのは本国さ。たまたま王国に来ていた時に、魔銅の話を聞いたんだよ」
「聖王国でも魔力金属は多くないのね」
「えぇ。魔力金属は長い時間の掛かる物だから、本国でも多くは取れない物なんだ」
「じゃあ、希少金属はどうなんだ?」
「手に入らないから、希少金属なんだよ」
「成る程」
これ以上突っ込んで聞くと、余計な事がバレかねないので止めとこう。やっぱり希少金属は面倒臭いんだと改めて理解したので、さっさと部屋に逃げるか。
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0091終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
金貨30枚
大銀貨34枚
銀貨17枚
大銅貨19枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
剣熊の爪のサバイバルナイフ
風鹿の角の十手
二角の角の戦斧
二角の革の帽子
剣熊と銅亀の革鎧
剣熊の骨の半篭手
剣熊の革の指貫グローブ
剣熊の革の剣帯
剣熊の骨の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
剣熊と銅亀のブーツ