0087
「実は、あの者達がダナさんとシュラさんに会わせてほしい。そう言ってまして」
「「面倒臭い……」」
「ちょっと待って下さい! あの者達は、ダナさんとシュラさんへの手紙を持っていました! コレです!」
ヴェルさんから手紙を渡された2人は渋々読み始めた。
ミュウさん? 手続きしてくれる? うん、そう。あっちの手紙は関係ないから。早めに手続きを済ませないと邪魔になるんだ。
2人の方を見ると、ダナは手紙を破り捨ててしまい、シュラは物凄く困った顔をしている。一体何があったんだ? どっちも、ただ事じゃなさそうだが。
「うん? アタシの方はどうでもいい事さ。故郷に帰ってきて子供を産めとさ。相変わらずのバカどもだよ」
「私の方は姉上の事です。私がアルドと契約した事を聞いた姉上は、大変”イイ笑顔”だったそうで……」
「「うわぁ……」」 「「???」」
「ヴェルとメルは分からないだろうけど、シュラのお姉さんは、不老長寿の男を捜して世界中を旅してる人なのさ」
「一言も報告しなかったシュラと会えば、戦争になるらしいよ?」
「ちょ!? 戦争とか止めて下さいよ! やるなら他所でやって下さい!」
「ヴェルは薄情ですね。昔から変わっていませんが、やはり種族特性ですか?」
「ヴェルはこんなもんさ。薄情なヤツだから、ギルマスにしようと仕込んだんだよ」
「ああ、成る程。組織を維持するには優秀ですからね」
「ダナさんもエルドラさんも止めて下さい。人を冷血みたいに……」
「本性はそうでしょう? 後、私は名が変わりました。新たな名はメルファラムですから、間違えないように」
「えっ!? 名前を変えるんですか?」
「メルは魔神様からの神託で、直接”名”を頂いたんだよ」
「「「「「えーーーっ!?」」」」」
「ちなみに不老長寿になり、アルドさんの”女”にして頂きました///」
急に周りからジト目で見られ始めたな。不老長寿が集まってるだけだから、別に良いと思うんだがなぁ。誰かに迷惑掛けてる訳でもないし、問題行動をしてる訳でもないんだ。
「そんな事より、あの2人どうしましょう? 片方は鬼人族で、もう片方は吸血鬼族でしたが」
「アタシの方は、どうでもいいね」
「私の方も、どうでもいいです」
「では、釈放します。あの2人を釈放しなさいっ!」
「「「「はいっ!」」」」
そもそもビキニアーマーズって手紙持って来ただけなのか? なら何で俺に喧嘩売ってきたんだろうな? 先に手紙を渡せよ。
「「申し訳ありませんでした!!」」
「まあ、アンタ達も反省しただろうから、次から気をつけな」
「「はいっ!」」
「そもそも手紙を持ってきておいて、何でアルドに喧嘩を売ってるんです?」
「そんな事したの? この子達?」
「その、御二人が見つからなくて探してたんです。それで聞いて回ってると……」
「ああ、また”色ボケ”してるって話かい? 前もそうやって喧嘩売ってきて、返り討ちにされた奴等がいるよ」
「そうだったんですか……」
「そもそも”色ボケ”してても、好き勝手させたりなんてしないんですけどね」
「そりゃそうさ。でもアルドは、アタシ達2人がかりでも勝てないんだよねぇ」
「「「「「えぇーっ!?」」」」」
「何でアンタ達まで驚いてるんだい!?」
「どうやら傭兵ギルドの面々も知らなかったようですね」
「魔法だけではないのですね。私も魔法には自信がありますが、堀を見ていたら自信を無くしました」
「仕方がないでしょう。アレは誰も真似出来ませんよ」
話が本筋から飛んで行ってしまってるぞ。ビキニアーマーズが何しに来たのか? だろう、重要なのは。
「話が飛んでるが、結局は勘違いして喧嘩売ってきただけか?」
「ああ、そうなる。本当に申し訳ない」
「じゃあ、この件はそれで終わりな。俺の作った武器で、俺に喧嘩を売ってきて驚いたよ」
「えっ? 貴方が作ったんですか? これ程の物を?」
「ほう。貴女はドコの家の者ですか? 随分と驕っているようですね?」
「申し訳御座いません!!!」
「シュラ、それは良いから。吸血鬼の家とか言われても、俺達は分からないんだ。ロムワル家しか覚えてないよ、バカ殿の家」
「バカ殿……? ロムワルは知っておりますが……。失礼しました、私はシャンティ家の者で御座います」
「姉上のところの者ですか……。もうちょっと躾がされていると思っていましたが……まあ、良いでしょう」
「で、アンタ達は手紙を運んできただけなのかい?」
「その、あの……。アタシは説得して連れ戻せと命じられて………」
「へー……。アタシを連れ”戻せ”ねぇ……。あの里の者どもは随分いい度胸をしてるよ。根切りにされなきゃ分からないんだろうね」
「「「「「ね、根切り……」」」」」
「何故驚いているんです? <剣の踊り子>を激怒させておいて、無事に済む訳がないでしょう」
「<血狂い>と呼ばれる方が言われると、説得力がありますね」
「そうだなー。2人とも、怖い怖い」
「暗殺組織を潰しておいて、何言ってんだい!?」
「そうです! <死の影>を1人で皆殺しにしたのはアルドでしょう!」
「そんな事もあったような、無かったような」
「「あった!!!」」
「それは横に置いておくとして、説得できるの?」
「無理ですよ! アタシ達は元々傭兵で、実家のゴタゴタなんかに巻き込まれたくないんです」
「出来れば穏便に、傭兵として生きていきたい……」
「家の者に何か言われたら、私の名前を出しておきなさい。それは許しましょう」
「アンタの方も、何か言われたらアタシの名前出しな。相手が何か言ってきたら、”お前が直接言いに来い”。そうアタシが言ってたと言えば良いさ」
「「ありがとう御座います!!」」
これでビキニアーマーズの話も一件落着か。それにしてもシュラの方はともかく、ダナの方は面倒臭い事にならなきゃいいが……。俺には関わり難い事なんだよなー。
2人の生きてきた時間にも関わるし、迂闊に関わっても話が拗れるだけだろうしな。これ系の話は本当に面倒臭い。その面倒臭さは、日本でも変わらないからなぁ……。
手続きは終わってるから、さっさと宿に帰ろう。余計な事を考えて、ストレスを溜めたくない。報酬は銀貨2枚だった。確かに安いな、これじゃ誰も請けない筈だ。
宿の食堂で夕食を注文し、銀貨1枚を支払って大銅貨14枚をお釣りで受け取る。部屋に戻り、浄化して2匹と遊ぼう。今日も放置気味だったから、ちゃんと遊んでやらないと。
凄い興奮してるぞ、ちょっと落ち着きなさい。3人は酒を飲み始めたので少し離れて遊ぶ。2匹は玩具とかじゃなく、浄化が1番喜ぶんだよな。ちょっと不思議。
夕食を食べに食堂に行くと、直ぐに夕食が出てきた。食事をするんだが、コレ女将さんが居ないパターンだな。食事後に早速ダナが聞いた。聞かなくてもいいのに……。
「トーカはまた早く帰ったのかい?」
「はい。何でも良い精力剤が買えたそうですよ?」
「トーカ……。少しは隠しましょうよ」
「旦那さんも大変だなぁ……。良い精力剤なら俺も作れるけど、薬に頼るのもなー」
「薬は私も得意ですよ、魔女族ですから。普通の薬から魔力薬まで、作り方は網羅してます」
「俺はそれ以外にも、霊薬や仙丹も作れるよ」
「「「「えっ!?」」」」
「いや、それぐらいは作れるさ。そこまで難しい物じゃないし」
「霊薬を作れるのはエルフなど僅かで、仙丹なんて仙女族しか作れませんよ!?」
そんなに驚かなくてもいいと思う。神様達に教えられたから作れるんだよ。実は仙丹の方が霊薬より簡単だって言ったら、どんな反応するのかね?。言わないけどさ。
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0087終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
金貨30枚
大銀貨36枚
銀貨18枚
大銅貨19枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
剣熊の爪のグラディウス
二角の角のククリ
二角の角の戦斧
風鹿の角の十手
槍木の弓
二角の革の帽子
剣熊と銅亀の革鎧
剣熊の革の剣帯
剣熊の革の指貫グローブ
剣熊と銅亀の肘防具
剣熊と銅亀の膝防具
剣熊と銅亀のブーツ