0083
ルタはまだ振っているが、もはや振り方の練習をしているようにしか見えない。どうやら気に入ったらしいな。武器と言っても、後は戦士のララぐらいか?。
「他のメンバーはどうするんだ?」
「アタイは武器を変えたいんだけど……」
「最近ララは攻撃を外すことや、出来ない事が多くて」
「攻撃出来ないって……森にでも行ってんのかい?」
「はい。森に行くようになったら、長柄の斧が振り辛くってしょうがないんです」
「まぁ、刺突が出来ないと使い難いだろうな」
「アタイは攻撃の要だから、魔物を早く減らさないと駄目だし」
「もう1本、短めの武器を持つ。またはメイン武器を変える。どっちにする?」
「メインの武器を変えたいんだ。使えない武器を持ってても邪魔だから」
「メイン武器ね。叩きつける武器か、切り裂く武器か、それとも突き刺す武器か」
「できれば切る武器が良い。子供の頃から剣を教えられてたからさ」
俺は様々な剣を伝えていく。斬る剣や、突く剣、長い剣や、短い剣。一つ一つの質問に丁寧に答えていくと、最終的に決まったのはファルシオンだった。
ファルシオンは、いわゆる剣鉈と言われるタイプの剣だ。鉈のように分厚く、先の方が幅広で尖っている片刃の剣となる。作るのは戦斧とファルシオンだけか?。
「この2つで終わりか? 材料が結構余るが?」
「なら、私達でも使える物をお願いします」
そう言ってきたのは、魔法使いのサリーだった。この世界では魔法使いが杖を持つ事は殆ど無い。理由は、杖などで魔力が増幅されたりする事が無いからだ。
杖を持っている者がいたら、魔法使いではなく杖使いが正しい。うん、別に杖で良くないか?。
「杖じゃ駄目なのか?」
「杖ですか?」
「ああ。杖か棒だな。リーチがあるし壊れ難いから使い勝手は良いよ」
「金属の杖ですか……。重いんじゃありませんか?」
「芯を木にして周りを魔銅にしたら、そこまでの重さにはならないさ」
「あの、私は棒でお願いします! 神殿には棒で戦う技術があって、私は修めているんです」
「では、私は杖でファレンは棒でお願いします」
「了解」
俺は魔銅を手にとって確認してみる。この魔銅、あんまり質が良くないな。精錬したのはガルドルさんかな? ガルドルさんの所には、魔力金属用の炉が無かったから仕方ないか。
俺は魔銅を精錬し、不純物を固めて1つの塊にしておいた。サリーとファレンには木を買いに行ってもらおう。自分の武器だからな。
さて、武器作りを始めよう。まずは戦斧だが、これは俺達の物と同じで良い。シンプルなのが1番使いやすいしね。
2つ目はファルシオンだ。少しずつ先に向かって幅広になっていく刃。先端は両刃なので突き刺す事が出来て、刃は鉈のように厚い。刃長は70センチにした。
持ち手や鍔などを作っていると、2人が木を買って帰ってきた。後2つ作ったら終わりだな。
3つ目は杖だ。木で直径2センチ、長さ118センチの円柱を作る。その円柱に魔銅を被覆して出来上がり。全体は直径3センチ、長さ120センチで作った。
4つ目は棒だが、これは杖とほとんど変わらない。全体が直径4センチ、長さ180センチの円柱なだけだ。これで全て作り終わったが、まだ余ってるぞ。
「まだ余ってるが、これどうする?」
「何か作れませんか? 私だけ何も無いんです!」
「弓使いだからなぁ。護身用の小剣ぐらいか?」
「私も良いよね!? 剣をお願いします!」
何か必死だな。気持ちは分かるけど。それにしても小剣かー。前に欲しいと言ってたエストックを作ってやるか。ちょっと足りないとはいえ、刃長70センチのエストックは作れた。
剣と比べて細いから何とかこの長さに出来た。持ち手や鞘を作って渡しておいたが、物凄く喜んでるなぁ。振り回すのは止めなさい。興奮し過ぎだろ!? 2匹と変わらないな。
手間賃なんだが、出世払いの事も含めて大銀貨3枚となった。5人組に聞いたら、これでも相当安いそうで、ガルドルさんの所だと金貨1枚は払うそうだ。
もう夕方になっているので、夕食を全員分注文して大銅貨10枚を支払った。浄水を飲んで待っていると、あっと言う間に宴会になっている。またかよ……またダウンするな、こいつら。
酒飲みは放っておいて、俺はダリアやカエデと遊ぶ事にした。結局2匹をあまり構ってやれなかったので、精いっぱいモフっておく。夕食が来るまで2匹と遊んでやる事が出来た。
夕食後も酒盛りしている奴等は放っといて、部屋に帰る事にする。全て浄化した後、2匹を浄化しながら一緒に遊ぶ。少しすると2匹はウトウトし始め、今は完全に寝ている。
珍しいが、2匹の寝顔を見ながら1人でゆっくりするのも悪くない。浄化してやると、2匹は揃って寝言を言い始めたので笑いそうになってしまった。
悪戯心が沸いた俺は、2匹を丁寧に強力に内側から浄化する。少しずつ何度も何度も内側から浄化していくと、何故か寝言が増えた。一体何の夢を見てるんだろうか?。
そうやって遊んでいると2人が戻ってきた。どうやら2人はほろ酔い程度らしく、足取りはしっかりしている。
「あの子達は本当に、お酒の飲み方を覚えないねぇ」
「強いお酒だと言ったのに、ドンドン飲んでましたね」
「5人組はまた酒に呑まれたのか……」
「そうだよ。お酒は呑まれるものじゃないんだけどねぇ」
「ダナ。私達も前に1度やらかしてますよ」
「……さて、覚えてないね」
そんな2人を浄化していると、2匹が寝ているのを見つけたらしく、2人は早速ベッドに誘ってきた。昨日の事はかなりの衝撃だったようで、2人から強くお強請りされた。
仕方なく、【喜昇】と【楽豊】も使う。………ヘブン状態の2人を浄化して、俺も寝よう。おやすみなさい。
<異世界42日目>
おはようございます。今日も特に何もありません。今日はどうしようか? 狩りにいくか。昨日は1日宿に引き篭もってたし、少し外に出よう。
椅子に座り浄化を始めると、2匹が起きて来た。
「おはよう。ダリア、カエデ」
「ニャオン」 「グルッ」
2匹を浄化しながら、いつも通り遊ぶ。2匹は嬉しそうに、されるがままになって甘えてくる。そうやってモフっていると2人が起きてきた。
「チュッ! おはよう。アルド、ダリア、カエデ」
「おはよう。2人とも」 「ニャ~」 「ガルゥ」
「アルド。昨日も最高だった///」
「とっても素敵でした///」
「2人が良かったのなら、俺も嬉しいよ」
「スゴく良かったよ。朝からシてほしいくらいさ///」
「えぇ、私もシてほしいです///」
どうも昨夜の事を思い出してしまったらしい。仕方がないので朝っぱらから2人を喜ばせておいた。昨夜と同じ状態の2人を浄化して2匹と一緒に食堂へ下りる。
食堂には苦しむ5人組と、苦笑いをしている女将さんが居た。朝食の注文をして大銅貨10枚を支払い、浄水を飲んで一息吐く。
「お、おは……ます」
「おはよう。無理に挨拶しなくてもいいぞ。どうせ二日酔いだろ?」
「……はい」
「ちなみに、二日酔いには水分を取るのが1番良いからな。水飲め、水」
5人は少しずつでも水を飲み、二日酔いを和らげようとしている。後悔するならそこまで飲むなよ。動きがゾンビみたいで、とても伯爵家の令嬢とは思えないな。
「ダナさんとシュラさんは部屋かい?」
「ああ。2人とも、ベッドの上で幸せなままだよ」
「そ、そうかい。ベッドの上で”幸せ”なんだね? 羨ましいねぇ」
「「「「「し、”幸せ”……」」」」」
5人組は二日酔いで顔色が悪い筈なのに、顔を真っ赤にしている。他の女性従業員も顔を真っ赤にして、ヒソヒソ話してキャーキャー言ってる。
そんな事をしていると2人が下りてきた。ボーッとしているというか恍惚としている2人に、俺以外誰も声を掛けられないようだ。
▽▽▽▽▽
0083終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
金貨30枚
大銀貨36枚
銀貨19枚
大銅貨27枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
剣熊の爪のグラディウス
二角の角のククリ
二角の角の戦斧
風鹿の角の十手
槍木の弓
二角の革の帽子
剣熊と銅亀の革鎧
剣熊の革の剣帯
剣熊の革の指貫グローブ
剣熊と銅亀の肘防具
剣熊と銅亀の膝防具
剣熊と銅亀のブーツ