0082
<異世界41日目>
おはようございます。昨日は2人の精神状態が悪化していたのを見逃していたことが発覚して驚きました。もうちょっと2人を良く見ておくべきだった。そこは反省しないと。
起きて椅子に座り浄化していると、2匹が起きて来た。
「おはよう。ダリア、カエデ」
「ニャゥ」 「ガゥ」
今日は何故か小声だな? 遊んでるだけか? 2匹を浄化しながらモフってると、直ぐにテンションが上がって普通の声量になった。病気とかではない様だ、ヤレヤレ。
嬉しそうな2匹をモフっていると、2人も起きて来た。
「「チュッ! おはよう。アルド、ダリア、カエデ」」
「おはよう、2人とも」 「ニャッ!」 「ガゥッ!」
「アルド……。昨夜はスゴかった///」
「本当に。今までを遥かに越えていました///」
「あー。やっぱり、そうなったかー」
「あんなに幸せにされて、ダメにならない女はいないよ///」
「そうですよ。あんなにされたんです、スゴく幸せでした///」
「悪用厳禁の技だから、あんまり使う気は無いよ」
「「えーっ!!!」」
「全く使わないとは言ってないんだから、多少は我慢しなさい」
「「はーい……」」
2人があの技にハマった気がする。麻薬じゃないが依存症の危険が無いとは言えない、今後は注意しよう。皆でイチャイチャしながら、そんな事を考えていた。
2人が服を着るのを待ち、皆で食堂に下りる。朝食を頼んで大銅貨5枚を支払い、カウンター席でゆっくり浄水を飲む。昨日2人にあったストレスは、今日は全く見られない。
【浄化】の権能を使っていても、俺が認識していなければ浄化されない。昨日の事は、それを痛感させられた出来事だった。きっちり反省しないとな、アホの仲間入りは嫌だ。
そんな事を考えていると、女将さんが朝食を持って来た。なんだか機嫌が良いようで、嫌な予感がするな。
「3人とも、おはよう。ダナさんとシュラさんは、朝から凄く機嫌が良いね」
「おはようございます」
「おはよう、トーカ。トーカと同じ理由で機嫌が良いのさ」
「トーカ、おはよう。トーカも沢山愛して貰ったのでしょう?」
「そうなんだよ! 昨日旦那とねぇ……」
いつも通りだが、これ以上聞く気は無い。目の前の女性従業員は、凄い聞き耳立ててるな。時折、顔を赤くしたり頷いたりしてる。ダリアとカエデと一緒に朝食を食べよう。
朝食後も、まだ喋ってる……。2匹を連れて部屋に戻り、浄化しながら一緒に遊ぶ。今日は出掛けないと思ったのか、2匹は猛烈にじゃれついてきた。嬉しがり過ぎだろ!?。
興奮したままの2匹と遊んでいると、2人が部屋に帰ってきた。
「今日はどうするんだい?」
「今日はお休みですか?」
「狩りに行っても良いし、休みでも良いし。自由で良いんじゃないか?」
「そうだね。お金は十分にあるから無理する必要も無いし。お酒の材料を買ってくるよ」
「あ! 私も行きます。私の方もあまり残ってませんから」
「作るのは良いんだけど、飲み過ぎないようにな」
「「は~い」」
2人は食料店に行った様だ。本当に分かってるのかねぇ? 健康を害する事は無いから良いけどさ。
何で無いんだって? そんなもん【浄化】の権能の御蔭に決まってる。
浄化の加減というのは、そういうものだ。そもそも浄化の力というのは非常に強力で、究極の浄化とは【消滅】を意味する。体の中の悪い部分のみ消滅させる事は不可能じゃない。
5つに制限されていても、洒落にならない程に強力なのが【浄化】の権能だ。制限の無い浄化には【存在浄化】や【根源浄化】などがあって、本当に洒落にならない。
つまり【浄化】の権能って、制限されて当たり前の力なんだよ。最初は唯の浄化だと思ってたけど、理解してからは微塵もそんな事は思わなくなった。
「ただいま。今までと同じ材料を買ってきたよ」
「ただいま戻りました。私はツマミになる青豆と干し肉を買ってきました」
青豆というのは大豆ぐらいの大きさの豆で、炒った後に塩を掛けて食べるのが一般的だ。屋台でも売られていて、子供のおやつから酒のツマミにもなっている。
この辺りだと1年を通して収穫できるありがたい作物だが、他の作物よりも多めに肥料を消費してしまう。収穫量自体は多く、1季節ぐらいで収穫出来るので重宝されている物だ。
昔から、この豆の御蔭で飢饉を凌いでこれたらしい。ダナとシュラの故郷でも作っているくらい、何処でも育てられている作物となる。
酒を作りながら、豆の事を考えていたら怒られた。酒を作る事に集中しろ、との事だ。集中しなくても同じ物は作れるんだがなぁ。完成まで集中して頑張るか。
完成したのは良いんだが、確認と称して飲んでいる。全部1杯ずつ確認する? それもう普通に飲んでるよな? えっ、普通に飲んでる? せめて言い訳ぐらいしろよ。
ダリアとカエデと遊ぼうか。2匹は酒の匂いが好きではないので、離れて2匹をモフる。2匹ともされるがままになっていて、表情はとても嬉しそうだ。
「ニャ~ン。ウニャ」 「グルゥー……。グー」
気持ち良さそうな声を出しながら、スライムのごとくダラ~ンとしている姿はどっちも猫だな。偶にはこうやって相手をしてやるのも良いもんだ。
2匹と遊んでいると昼になったので、昼食の為に食堂へと下りる。昼食の注文をして大銅貨5枚を払い、カウンターで待っていると5人組が来た。また、面倒事か? 勘弁してくれよ。
5人組もカウンター席に座り注文すると、ルタが話し始める。
「面倒事を持ってきた訳ではありませんので、その顔は止めて頂けると助かります」
「最近、面倒事しか持って来ないんだから仕方ないだろう?」
「それは、そうですが……。そうではなくて!」
「うん? なんだ?」
「アルドさんに聞きたい事があります」
「ん? 何を聞きたいんだ?」
「私達が素材を持ってきたら、武具を作って頂けますか?」
「まぁ、それは構わないが。多少の手間賃は貰うぞ?」
「それは当然お支払いします。コレで私達の武器を作って欲しいんです」
そう言って出されたのは魔銅だった。魔銅で武器ねぇ……作れるけどさ。武器に使うんなら、せめて魔鉄だろう。よくよく考えたら魔力金属って自分で作れなくもないのか。……考えるの止めよ。
嫌な予感しかしない。【魔術】と【錬金術】を駆使すれば、多分可能だとは思う。だが作れるとバレたら、面倒事に何百年煩わされるか……。自分の首を絞めるだけだな。
ちなみに、希少金属を魔力金属との合金にしてはいけない。最大限の力が発揮できないからだ。魔力金属と合金にすると、技術が未熟だと優秀だと言える物が出来る。
ただ普通の金属を使った物の半分ぐらいのポテンシャルになってしまう。つまり、武器強化をした時の限界値が半分程度まで落ちてしまい、非常に勿体ない結果になる。
普通の金属を純粋に近いぐらいまで精錬し、それを使って希少金属との合金にしなければ最高品質にはならない。それでも最高の物を作るには、希少金属と魔力金属を合金にしてはならない訳だ。
「よく魔銅が買えたな? 金額もそうだが、王族が絡んでるだろうに」
「村の傭兵の中には、魔銅を買って鍛冶屋さんに持ち込んでる人は居ますよ?」
「へー。ガルドルも忙しそうだね」
「お金に関しては、兄上が村に来た時に”迷惑料”として頂きました」
「成る程な。……で、話は戻るんだが、何が欲しいんだ?」
「何が良いんでしょうか?」
「俺に聞くなよ。相談なら方向ぐらい決めてくれ」
「まずは私から。私はこのまま一撃が重い片手武器が良いのですが」
「ならメイスか斧だな」
「これが、アルドが作ってくれた戦斧ですよ」
シュラは途中居なくなってたが、部屋にアイテムバッグを取りに戻っていた様だ。戦斧を受け取ったルタは振って確かめている。まぁ、好きなだけ考えてくれ。
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0082終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
金貨30枚
大銀貨33枚
銀貨19枚
大銅貨47枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
剣熊の爪のグラディウス
二角の角のククリ
二角の角の戦斧
風鹿の角の十手
槍木の弓
二角の革の帽子
剣熊と銅亀の革鎧
剣熊の革の剣帯
剣熊の革の指貫グローブ
剣熊と銅亀の肘防具
剣熊と銅亀の膝防具
剣熊と銅亀のブーツ