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0079




 伯爵家の嫡男と会う為に宿の食堂に戻ると、3人の男が椅子に座って待っていた。俺達はその対面の椅子に座る。1人は青年になったばかりに見える若い男。こいつが嫡男だろう。


 俺に喧嘩を売ってきたカームという名前の奴と、マークさんが居た。カームとかいうアホだけこっちを睨んできているので、【闘気】と【念力】を使って威圧しておく。


 1人だけガタガタ震えて失禁しているが、ここに居る全員がスルーした。前も同じ事をされたのに、もう忘れたのか? アホはある意味最強だな。



 「この度は、真に申し訳なかった!」 「申し訳ありませんでした!」



 この2人が謝るのは分かっている。ここで謝らないと、伯爵家の名前は終わる。俺達がどうこうではなくて、貴族社会から攻撃されて潰れかねない。アホは分かってない様だが……。



 「謝罪は受けよう。……で、何でアホを連れてきた?」


 「その事は私が。ラームはモルガノ様を補佐していたのですが、”不幸がありました”。ですので、弟のカームを補佐にしておったのですが……」


 「兄弟揃ってアホだったって事か。伯爵家の顔に泥を塗りまくってる事実を、全く理解してないな」



 俺は威圧を解いてアホが喋れるようにしてやる。案の定アホはあっさり引っ掛かった。



 「キサマ! モルガノ様に対してその態度は何だ!」


 「お前より遥かにマシだろ。お前の行動は貴族の間でどう思われる? 理解してないのか?」


 「なにっ!?」


 「お前は目の前の伯爵家の跡取りより、偉そうに喚いているぞ? それは貴族の醜聞になり、伯爵家を不利にするんだが……そんな事も分かってないんだろ?」


 「なっ!?」


 「な、じゃねーよ。お前等アホの所為で、他の貴族に付け入る隙を与えるハメになってるんだ。いいかげん、気付け」



 アホはようやく理解したのか、顔面蒼白になって震えている。平民相手としか考えてなかったんだろうなー。こういうアホは基本的に周りを見ないから。


 アホ1人すら止められない貴族。格好の攻撃相手だな。



 「そこのアホは放っとけばいいな。そんな事より、帝国の間者を今日捕まえたんだが……知ってる?」


 「「は?」」


 「は、じゃなくて。帝国の間者。何でも魔銅の採掘を邪魔しようとしてたらしいよ」


 「「な、なんだってーっ!!」」


 「牢屋で取調べ受けてるから、ギルドに行って聞いてきたら?」


 「マーク! 直ぐに確認に行くぞ!」


 「はっ!」



 モルガノ君とマークさんは食堂を出て行った。だがアホはまだ震えていたので、蹴り出して浄化する。替わりに5人組が椅子に座った。はて? 何かあったのか?。



 「すみません。兄上もマークも、帝国の間者の事で忘れてしまったのでしょう。御爺様は現在、行方知れずとなっています」


 「逃げたのか? アホの元凶」


 「えぇ、逃げたそうです。父上は御爺様を賞金首にしたそうで、生死は問わないと決められました。これが似顔絵です」


 「ふーん。これさ、俺達でも賞金貰えるって事か?」


 「はい。もちろんお支払い致します。実は私達も賞金を狙っています。事実を知った今、せめて賞金になってもらわないと納得出来ません」


 「だろうねぇ。驚くほどに恥を掻かされたんだし」


 「こっちは驚くほどコケにされましたが」


 「アホが1人でも居ると大変だからな。これからは早目に始末する事をお奨めする」



 その後は雑談をしていたんだが、昼前になっていたので全員分の昼食を注文した。大銅貨10枚を支払い、運ばれてきた昼食を食べているとヴェルさんが来た。



 「私にもお昼を。ダナさん達に少しお話があります」


 「帝国の間者の事なら、そっちでやってくれ」


 「そうだね、アタシ達には関係ないよ」


 「ええ。アルドが捕まえてくれたのですから、それで十分でしょう」


 「そっちではありません。大森林の調査をお願いしたいんです」


 「調査なら多少はやってるけど。何が知りたいんだい?」


 「やってたんですか……。知りたいのは魔銅以外に金属の鉱脈や鉱床があるかどうかです」


 「見つかってないな。魔銅の鉱床だって、偶々見つかっただけだしなぁ……」


 「やはり、そう簡単には見つかりませんか」


 「見つけてどうすんだい? 結局、村じゃ持て余すだろう?」


 「普通の金属なら別でしょう? 国では普通の金属も不足気味のようなんです」


 「成る程。鉱脈か鉱床が見つかれば、村は更に楽になるでしょうね」


 「ただ、そっちの仕事に傭兵が取られると、間引きの方で困るんじゃないのかい?」


 「それは………」


 「ま、あれだ。高望みすんなって事じゃないか?」


 「地道にコツコツやって行け。そういう事でしょうね」


 「運が良かっただけなんだから、調子に乗んなって事さ」



 そう言って、俺達は断った。激しくフラグ臭いのは、何故なんだろう? 物凄く嫌な感じがする。5人組はタダ飯食って、どこかへ行ったみたいだ。中々いい根性してるよ。


 俺達は川を越えて大森林へと入る。ダリアは抱きかかえて跳び、カエデは自分で跳んでいた。今回は東側に進んでみる。しかし何事も無く東の川まで辿り着いてしまった。


 一旦戻って、今度は南東へと進む。途中でフォレストゴブリン6体と、フォレストウルフ4頭が来たが、あっさり倒して処理した。更に南東へ進むも川に突き当たってしまう。


 そこから南西の方角に進んでいると洞窟を発見した。中に居るのはアースゴブリンか? 結構多いな。2人に伝えてから、俺を先頭にして洞窟の中に入っていく。


 弓は使わず、ククリで暗殺しながら進む。途中にある小部屋などは、悪用厳禁の技を使い3人で暗殺する。20体を超えた辺りで、最奥の部屋を残すのみとなった。


 中に居るのは大きいアースゴブリンと、それより少し小さなアースゴブリン、普通のアースゴブリン3体だ。小部屋に侵入し、普通のゴブリン3体を同時に始末して、残りを倒す作戦でいく。



 「今だ!」


 「ハッ!」 「ヤァーッ!」



 上手く普通のアースゴブリンを始末出来たので、後は2体だけだ。俺は1番大きなアースゴブリンに接近し、最速で矛を頭に振り下ろす。首から上を唐竹割りにして、後ろに跳んだ。


 もう1体の方はダナが首を斬り飛ばして終わった様だ。5体の死体を処理してから辺りを確認すると鉱脈があった。やっぱり嫌な予感はフラグだったらしい。


 ただ、思ってたような鉱脈ではなかった。金でも銀でもなく、鉄でも銅でもない。ここにあるのは、主に錫と亜鉛だ。【土魔法】を使い掘り出していく。


 【錬金術】と【練成術】を使って、1キロ程を精錬して持って帰る。鉱脈には沢山ある訳ではなさそうだが、それなりの利益にはなるだろう。元々合金にする為の金属だしな。


 更に握り拳1個分づつの錫と亜鉛を作り収納してもらう。小さい方をギルドに提出して、大きい方はギルドからガルドルさんに渡す用だ。洞窟を出て村まで戻ると、もう夕方だった。


 村に着いたので、解体所に行って獲物を売り払いに行く。解体所では、いつも通りのベグさんとジャロムさんが査定してくれる。



 「フォレストゴブリン6体にフォレストウルフ4頭は良いのだが」


 「こちらのアースゴブリン28体ですね……」


 「仕方ないさ。洞窟の中に棲んでいた奴、全て殺したからね」


 「成る程な。ゴブリン34体で大銅貨102枚、フォレストウルフ4頭で銀貨4枚と大銅貨4枚だ」


 「それで問題ないよ」



 登録証を返してもらい、木札と売却金を受け取る。ギルドへの道すがら俺の取り分を貰った。銀貨2枚と大銅貨36枚で、余りは俺が貰う取り決めになってるみたいだ。


 その後ガルドルさんの所へ行き、鉄と銅をそれぞれ大銀貨1枚分購入してギルドへ向かう。


 ギルドでミュウさんに手続きをしてもらう間、ヴェルさんに錫と亜鉛を渡す。



 「錫と亜鉛が見つかったので、渡しておきます」


 「はぁ……わかりました」



 手続きも終わったので、ギルドを後にした。後ろからダナとシュラのジト目を感じるが、気にしないで宿に帰ろう!。



 ▽▽▽▽▽


 0079終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 金貨30枚

 大銀貨33枚

 銀貨19枚

 大銅貨69枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 剣熊の爪のグラディウス

 二角の角のククリ

 二角の角の戦斧

 風鹿の角の十手

 槍木の弓

 二角の革の帽子

 剣熊と銅亀の革鎧

 剣熊の革の剣帯

 剣熊の革の指貫グローブ

 剣熊と銅亀の肘防具

 剣熊と銅亀の膝防具

 剣熊と銅亀のブーツ


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