0078
宿に帰ってカエデの事を相談する。カエデは元々体長4メートル近くあったのだが、今は2メートルないぐらいに小さくなっている。しかも足が普通の虎なので、部屋に入れるんだ。
その事を女将さんに相談したら、宿を壊さないなら構わないと承諾してもらえた。本当にありがたい。夕食を全員分注文して、大銅貨5枚を支払って部屋に戻る。
部屋で浄化していると、カエデが近づいて来た。どうやら浄化してほしいらしい。内側から丁寧に浄化してやると、何故か安らかな顔をし始めた。カエデもこの反応か。
どんどん強めてやると、目がトロンとしてきたのでモフってやる。すると完全に眠ってしまった。その様子を見ていたダリアが浄化をおねだりしてきたので、ダリアも撃沈させた。
それを見ていた2人が側に来たので、3人でイチャイチャする事にした。少しすると女将さんに呼ばれたので、全員で1階の食堂に下りる。
カエデを見た他の客はかなりビビっているが、当のカエデは我関せずという態度でついて来る。いつものカウンター席に座ると全員分の夕食が来た。カエデだけ床でスマン。
食事中もチラチラこっちを見てくるが、俺達は無視し続けた。夕食後、早々に部屋に戻り、シュラの下着を調整する。驚いた事にEに近いところまで大きくなっていた。
大きくなる基準が分からないが、邪生の心臓で大きくなるのは確定だ。胸を見せびらかすのは止めて、早くブラを着けなさい。嬉しいのは分かったから!。
シュラはテンションが高いまま酒を飲み始めた。大丈夫かな? 悪酔いしなきゃ良いんだが……。俺は浄化しながら、ダリアとカエデと遊んでいる。
2匹をモフったり、抱き締めたり。そんな事でも凄く嬉しいらしく、やたら喜んでいる。やっぱり、【精神浄化】の影響は魔物にもあるんだろう。2匹から悪意は一切感じない。
もちろん魔物全てがこうなる訳ではないが、浄化してやれば一緒に生きられる魔物は居る。そういう意味では、やはり元々は動物なんだという事だろう。
2匹は既に熟睡していて、2人も嬉しそうに撃沈している。浄化しながら考える事じゃなかったな。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界39日目>
おはようございます。今日は特に急ぎの用事はありません。ゆっくり森に狩りにでも行くか。昨日は安値の魔物を多く納品したから、村の肥料は大丈夫だろうし。
椅子に座りボーッとしながら浄化していると、ダリアとカエデが起きて来た。
「おはよう。ダリア、カエデ」
「ニャー」 「グル~」
2匹をモフりながら浄化してると、テンションの高い2匹に舐められまくった。2匹が落ち着いたので、もう1度浄化していると2人が起きたようだ。
「「チュッ! おはよう。アルド、ダリア、カエデ」」
「おはよう、2人とも」 「ニャ」 「グルッ!」
全員でのイチャイチャタイムが今日も始まった。2人と2匹が満足するまで続き、服を着させて食堂へ下りる。全員分注文して、大銅貨5枚を支払うと席に着く。
「おはよう、皆。この子、カエデちゃんだっけ? 随分大人しいんだね」
「おはよう、女将さん。まぁ、カエデは女の子だからね」
「おはよう、トーカ。女の子だからねぇ、恥ずかしい事はしないさ」
「トーカ、おはよう。女の子ですから、良く見られたいのですよ」
「成る程。話しは変わるけど、森で何かあったのかい?」
「「「「「???」」」」」
「昨日、山の方に行ってたんで分かりません。何かあったんですか?」
「私もよく知らないんだけど、魔銅の採掘を邪魔しようとした奴が居たんだって」
「そういうバカが出てくるとは思ってたけどねぇ」
「トーカ。ソイツはどうなったんです?」
「ごめんよ。私もそれ以上は知らなくてね」
「ギルドに行ってヴェルさんに聞くか」
部屋に戻り準備を整えて、ギルドへ行く。ギルドの中に入り、ミュウさんの所へ行こうとすると妙な奴等が居た。そいつ等は直ぐにギルドを出て行ったので、2人に後を任せて尾行する。
尾行の理由は、【悪意感知】で奴等から強い悪意を感じるからだ。村を出て南へ進むようなので、【気配消失】【誤認】【幽体】を使って見つからないように尾けて行く。
どうやら魔銅の鉱床まで行くらしいな。……奴等は全く喋らない、まるで破壊工作員のようだ。雑談もしないとか、怪し過ぎるだろう。こいつらプロじゃないのか?。
疑問はあるが……おいおい、門番が確認もせずに通したぞ? これって間違いなく、入り込まれてるよなぁ。……ん? 途中で止まった? 小部屋に身を隠すのか?。
「無事ですか?」
「お前達。スマン、ドジッた」
「今更です。それより本国からの新たな指令が来ました。隊長に見てもらわないと……」
1人の男が懐から紙を出した瞬間、俺は【衝気】を使って気絶させる。俺の存在に気付かず、更に紙に集中した瞬間を狙ったので完璧に成功した。
5人に石で作った手枷と足枷を嵌める。
入り口に居る門番も【衝気】で気絶させて、中の奴等と同じく手枷と足枷を嵌めておく。森の中に行き蔓を手に入れて、簡易ロープを【錬金術】と【練成術】で作った。
6人の足を縛り引き摺っていく。周りの奴等が奇異の目で見てくるが、気にしない。村まで半分ぐらいの所で妙な男に声を掛けられた。
「ちょっといいか? 君は一体何をやってるんだ? 彼等を何故引き摺っているんだ?」
「コイツ等が犯罪者で、俺が捕まえたからだ」
「彼等が犯罪者だという証拠が何処かにあるのか!? 君の方が犯ざ」
「コイツ等を庇うという事は、コイツ等の仲間だな?」
そう言った瞬間、腰のナイフを抜こうとしたので、それより速く目に指を突き込んだ。更に顎へフックを喰らわせて気絶させる。石で手枷と足枷を作って、コイツにも嵌めておく。
後は足を蔓で縛り、一緒に引き摺って行くだけだ。途中で全員起きたが、枷を壊せずに喚くしか出来ていない。傭兵と擦れ違うが、コイツ等の言い分に耳を傾ける者は居なかった。
村の入り口まで戻って来たので、門番に事情を説明しよう。
「これは!? 一体どうしたんだ!?」
「ア、アンタ! 助けてくれ! この男がァブッ!」
「コイツ等は帝国の間者で、コイツ等が持っていた帝国からの命令書がコレだ!」
「こ、これは!?」
「俺はコイツ等をギルドに連れて行く」
「分かった! 村の中にも居るかもしれないから、注意してくれ!」
「ああ、分かってる」
俺は犯罪者どもを引き摺りながらギルドへ向かう。悪意の反応は無いが、気を付けるに越した事はない。強く警戒しながら進んで行き、やっとギルド前まで辿り着いた。
ギルドに入ると2人と2匹、それにヴェルさんが居て話し合っていた。2匹は俺に気付いたのか直ぐに駆け寄ってきたので、2人も気付いたようだ。
「「アルド!!」」 「ニャーン!」 「グルルゥッ!」
「ただいまー。皆、心配掛けてすまん」
「この者達は? コイツ等は4日程前に村に来た者達ですね?」
「コイツ等は帝国の間者だった。この紙が証拠の命令書だ」
「「「「「帝国の間者!?」」」」」
事の大きさが分かったのか、直ぐにベテラン連中が牢屋に連れて行った。俺はダナやシュラ、ヴェルさんや他のベテラン傭兵達に何をしていたかの説明をする。
実際に破壊工作員の証拠があるので、皆が信じてくれた。これから徹底的に取り調べをするようで、”殺さないように”と指示を出している。この時代は拷問なんて普通の事だ。
これ以上は俺達にも何も出来ない為、出発しようと思ったら5人組が来た。
「お三方! 兄上とマークが来ましたので、お願いします!」
「「「「お願いします!」」」」
「………。宿の食堂か?」
「はい、宿の食堂でお願いします」
面倒臭いなー。何回目だよ? これで終わりなら良いんだが。
▽▽▽▽▽
0078終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
金貨30枚
大銀貨35枚
銀貨17枚
大銅貨43枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
剣熊の爪のグラディウス
二角の角のククリ
二角の角の戦斧
風鹿の角の十手
槍木の弓
二角の革の帽子
剣熊と銅亀の革鎧
剣熊の革の剣帯
剣熊の革の指貫グローブ
剣熊と銅亀の肘防具
剣熊と銅亀の膝防具
剣熊と銅亀のブーツ