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0077




 <異世界38日目>



 おはようございます。今日は朝から村長の家に行き、ムルーガを受け取ります。餌は何を与えれば良いんだろう? 俺に飼えるのか? 色々考えながら浄化しているとダリアが起きた。


 「おはよう、ダリア」


 「ニャ~ン」



 今日の機嫌は良いらしい。椅子に座っている俺に全身を擦り付けてくるので、浄化しながら受け止める。テンション高いなー。ん? 2人も起きたか。



 「「ん~、チュッ! おはよう。アルド、ダリア」」


 「おはよう、2人とも」 「ニャァ!」



 そのまま2人も混ぜて、全員でイチャイチャする。ダリアだけじゃなく、ダナもシュラも嬉しそうだな。下着姿で抱きついてきたり、キスを強請ったりと物凄く甘えてくる。


 最近は寝ている時にも下着を着けてくれるので助かるよ。2人は基本的に裸族なので、目のやり場に結構困るんだ。ワザとやってる事もあるけど、大体は天然だ。


 服を着させて食堂に下り、いつもの注文をする。大銅貨4枚を払い、イチャイチャしながら待っていると王女一行がやってきた。5人組は宿の1室で、二日酔いらしい。


 朝食を済ませ、皆で村長の家に行く。ムルーガを初めて見たが、虎に水牛の小さい角を付けた感じと言えば伝わるだろうか? 牙も虎のようで雑食らしい。それ以上に足がぶっとい。


 そのムルーガだが、やたら高いテンションで俺とダリアに近づいてきた。ダリアは警戒もしていないし、ムルーガは俺の足に頬を擦り付けている。一体何に興奮してるんだろう?。


 王女とライブルに聞いても分からないそうだ。ただ、このムルーガは気難しくて懐き辛いらしく、今まで王女以外に懐いた事が無いらしい。こんな姿を見るのは初めてだそうだ。


 ムルーガを受け取ったので、王女一行はアイテムバッグに荷物を入れて村を出発した。このムルーガは毛が黒い色をしているんだよなぁ……、名前どうしようか?。


 目が赤いから、赤に関わる名前……。石……花……宝石……ダリアも花だし、紅葉か楓かなぁ。



 「名前なんだが、紅葉か楓にしようと思う」 「グルッ」


 「??? ……モミジかい?」


 「では、カエデですか」 「グルッ」


 「どうやら楓で決まりのようだな。……ってこの子も女の子かー」


 「そうみたいだね」


 「そのようですね」



 歩きと考えると、そこまで遅くはないな。速く走れないから色々言われるんだろう。しっかし足がエグい程に太くて、牙が凶暴だ。よく考えたら牛だって暴れると恐ろしいんだよな。


 村を出て、昨日と同じ山の近くまで行く。歩きだが昨日より早く着いたという事は、カエデ以上に王女一行はお荷物だったらしい。おそらくは、鉄の鎧の近衛の所為だろう。


 昨日と同じく山へ向かうのだが、カエデは何故か楽しそうだ。そのカエデの背の上でダリアも楽しそうにしている。遠出が楽しいのかな? それとも山歩きが楽しいのかね?。


 そうして楽しそうな2匹と進んでいると、遠くに邪生の反応があった。……その反応が一気に近づいて来る。



 「皆! レッドパンサーの邪生がこっちに来る!」


 「「了解!」」 「ニャー!」 「グルッ!」


 「ガアアァァアアァーーーッ!!!」



 このレッドパンサー、邪生だという事を考慮してもデカイ。倍近くあるか? それ程までに大きい。更に、邪気が異様な程の濃さをしてる。こんな奴が山に残ってたんだな。



 「【肉体浄化】【精神浄化】【魂魄浄化】【空間浄化】」


 「グゥ……グ……ル………」



 いつも通り、邪生は安らかな顔で逝った。俺は心臓を取り出し、他は解体と処理をしておく。予備の皿を餌皿として、心臓を5等分して皿に載せて出す。


 ダリアとカエデは早速美味しそうに食べていて、2人も普通に食べているな。俺も食べていると、目の前で変化が起こった。まただよ……もういいって……いい加減にしてくれ。



 「んっ!? 胸がキツイです! やりました!」


 「おめでとう、シュラ」



 いやいや、そっちじゃないから。俺が変化してるって言ったのは、そっちじゃないから! カエデの足が細くなって、伸びてるから。今までは太く短かったけど、細く伸びてるんだよ。


 アレ絶対走れるよな!? ムルーガなのに速く走れるよな!? 色々マズいだろうなー……コレ。まぁ、いつも通り見なかったことにしよう。それが1番良い。


 皆を落ち着かせて先へと進む。シュラは驚く程に機嫌が良く、鼻歌を歌う始末だ。余計な音は立てないでほしいんだが、言った所で聞かないだろうな。


 少し進むと魔物が現れたが、これは……魔物同士で争ってるな。



 「皆、左前方にイエローコボルト6体。右前方にオーク5体」


 「「了解!」」 「ニャ!」 「グルルゥッ!」



 あ!? カエデがかなりの速さで走っていった。……っというか、ダッシュが速い! 瞬発力が虎並みなんだけど!? 思っている以上に速い! ……でも、1頭で大丈夫か?。


 あーあー、バリバリ頭を噛み砕いてるよ。ダリアは目を爪で切り裂いてるのか? アレもエゲツないな。俺も矢を射ったが、1本だけで終わりそうだ。浄化でサポートしておこう。


 戦闘が終わり処理をする。解体が必要ないので、掛かる時間が少なくて助かる。終わったので、再び先へと進む。


 そろそろ昼かと思ったら、また邪生だ。これはコボルトか!?。



 「【肉体浄化】【精神浄化】【魂魄浄化】【空間浄化】」



 コボルトの表情が安らかになったので、どうやら死亡した様だ。心臓を取り出して5等分にし、皆で分ける。……また少し足が細く長くなってるけど? もう普通の虎の足だな。


 逆に言えば、物凄く俊敏で足が速そうなんだ。ダリアもそうだが、細くなったり小さくなった方が強そうなんだよなぁ。魔力も闘気も明らかに増えてるからか、凄い喜んでる。



 「更に大きくなりました! ホントにちょっとキツイです!」


 「アタシは大きくなってないねぇ……? ある程度からは大きくならないのかね?」



 あっちもあっちか。下着は作るけどさ、さっきも大きくなったと言ってたのに。もしかしたら、1ミリ以下の話だったんだろうか? 余計な事を考えるのは止めとくか。


 浄化と処理は終わったので収納してもらい、昼食を作る。今日は面倒なので、肉団子のスープと硬いパンになる。【破砕】を使えば肉団子は直ぐに出来るので、骨で出汁をとろう。


 肉団子は少しだけスープを掬って掛け、肉の臭さをとってから入れる。後は塩とコショウモドキで味を整えて完成だ。パンは水分を【合成】して柔らかくしておく。


 ダリアとカエデにはレッドパンサーの生肉だが、生の肉への食い付きがスゴイ! 興奮しながら喰い千切っている。カエデの角が危ないな、食い千切っているので振り回されてる。


 昼食後は皆ゆっくりして休む事にした。俺は皆を浄化して、ダリアとカエデと遊んでいる。カエデの体は小さくなって、アムールトラから小型の虎ぐらいになったな。


 見た目は完全に虎だ。ただし、頭に水牛のような角が2本ある。ちょっと奇妙な見た目だが、ここまでになると並の魔物より遥かに強いな。特に闘気の扱い方が上手い。


 その後、夕方まで狩りをしたが邪生は見つからなかった。アースゴブリン13体、コボルト6体、オーク8体と数だけは多かったが、カエデ無双だっただけだ。


 角で引っ掛けて投げたり、角を突き刺したり、爪で切り裂いたり、噛み砕いたり。カエデがやりたい放題やっていた。ダリアも頑張ってはいたのだが、最後は一緒に見物をしていたぐらいだ。


 村に帰って解体所に行く。査定を頼むと、いつもの2人が来た。



 「今日は多いな。邪生のレッドパンサーが中途半端だが、この様子だと食べただけか」


 「そうだよ。お昼に食べただけさ」


 「あのスープは美味しかったです」


 「ふむ? そうか。獲物は全部で金貨3枚、銀貨26枚、大銅貨111枚になる」



 かなりの値段になったな。俺達は解体所を出た後に、売却金を3等分する。俺の取り分は金貨1枚、銀貨10枚、大銅貨37枚になった。その後ギルドに行き、手続きを終わらせる。


 さーて、宿に帰ろう。



 ▽▽▽▽▽


 0077終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 金貨30枚

 大銀貨35枚

 銀貨17枚

 大銅貨53枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 剣熊の爪のグラディウス

 二角の角のククリ

 二角の角の戦斧

 風鹿の角の十手

 槍木の弓

 二角の革の帽子

 剣熊と銅亀の革鎧

 剣熊の革の剣帯

 剣熊の革の指貫グローブ

 剣熊と銅亀の肘防具

 剣熊と銅亀の膝防具

 剣熊と銅亀のブーツ


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