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0076




 ライブルに頼まれたのはピック付きの長柄の武器と戦斧、止めを刺す短剣を2種類だ。作るのは戟と戦斧、そしてダガーとスティレットを作る。


 戦斧は俺達が持ってる物と同じ形の物を作る。芯はソードグリズリーの骨を圧縮した物で、ソードグリズリーの爪を被覆していく。気になるのか、ライブルは振って感触を確かめている。


 ダガーは短剣。それ以上の説明が出来ない程に、両刃の短剣だ。刃長は20センチにしてソードグリズリーの骨を芯にウィンドディアーの角を被覆した。折角なのでソードグリズリーの骨で鍔も作っておく。


 スティレットは止め用の短剣だ。刺突専用の短剣で刃が付いていないのが特徴となる。断面は四角や三角などがあり、刃の長さは30センチ程だ。骨を芯にレッドパンサーの爪を被覆する。


 戟は枝と呼ばれるピッケルのような物が穂の根元にあり、穂には槍の穂や矛の穂が付いている武器の事だ。この枝は両刃の刃であり、引っ掛ける事も切る事も出来る。


 この枝が穂の根元から垂直に付いていて、柄の先に穂がある。2つの武器を組み合わせた物であり、多少練習しないと正しく使えない。ちなみに槍の穂を取り付けてある。


 槍や矛に立場を奪われ消えていった武器だが、重装兵を落としたり、引っ掛けて転ばせる事は十分に可能だ。俺としては早過ぎた武器だと思っている。


 ともかく、これで全て完成だ。近衛の女2人は戟に感心しているみたいで、振りながら話し合っている。どうやら王国には、このタイプの武器は無いらしい。


 という事はハルバードも無いのかな? 武器も利便性や性能を追求していき、発展していくからなぁ。まだそこまでは、世界的にも進んでないんだろう。


 とにかく、終わったのでさっさと帰る。全員で村に向けて歩き出したが、こういう時に襲ってくる奴が居るんだよな。…………ほら来た!。



 「前方からゴブリン5体。右からゴブリン3体が来る!」


 「私が参ります!」 「「りょ……」」 「ニャ?」


 「殿下! お前達、我等も行くぞ!!」


 「「「「ハッ!!」」」」



 もうアイツ等に任せて俺達はサポートに回ろう。意外と言ったら悪いが、順調に王女がゴブリンを倒してる。ライブルは……斧はコンパクトに振るんだよ、大振りしてどうする。


 そこの戟を使ってる近衛さぁ、振れよ! 引っ掛けろ! 突きをあっさり回避されて戻すんじゃない! 剣で戦ってる女性騎士の方が役に立ってるぞ。


 あっれー? これ見てると、思ってる以上に王女が優秀に見える不思議。……いや、他がポンコツなだけか。王女は意外にも小太刀も十手もちゃんと使えてる。センスはかなり良い。



 「昔と違って、ちゃんと戦える様だね」


 「そうですね。昔は戦えもしないのに、敵に突っ込んでいました」


 「ライブル! もっとコンパクトに、小さく鋭く斧は振るんだ!」 「応っ!」


 「ライブルは剣一筋だから仕方がないさ」


 「斧って、ああやって振るんですね」


 「ああやって振ると言うより、敵に応じて振り方を変えるって感じかな」


 「小さく振ってもゴブリン程度なら十分倒せるからねぇ」


 「ああ、成る程。そういう事ですか……」



 そうやって観戦していると戦いは終わった。死体が結構酷い有様だが処理して収納してもらう。必要以上に傷付けるのは素人だよなぁ……。王女はまだしも近衛はどうなんだ?。



 「何故、私には助言が無いのですか!?」


 「必要か? 上手く戦えていただろう。センスは良いと思うけどな」


 「そうだね。体を動かすセンスと、武器を扱うセンスはあるよ」


 「本当ですか!?」


 「それに比べて、ライブルとそこの近衛の男はどうなんだ?」


 「戟ですか? アルドは引っ掛けろと言ってましたね」


 「その戟は枝が付いてるんだから、引っ掛けて転ばすんだよ」


 「そういえば、そういう武器だったね」



 近衛の男は「あっ!」と言って気不味そうな顔をした。練習しなきゃ使いこなす事は無理だが、それにしても酷い。慣れないと引っ掛ける事ばかりしようとするが、まさかの完全無視。


 唯の槍として使うという暴挙を行うとは……。ただ、引っ掛ける武器に関しては、近衛騎士団長として一考の余地ありと判断したらしい。


 村に戻り解体所に行く。いつも通りベグさんとジャロムさんが来たが、ちょっと緊張している様だ。



 「中途半端な残り方だ。また何か作ったのか?」


 「王女サマと騎士団長に頼まれたら、しょうがないだろ?」


 「成る程。それは仕方がないな。こちらは全て合わせて大銀貨1枚だ」


 「こちらはフォレストゴブリン8体ですので大銅貨22枚です」


 「あの、私達の時より高いのですが……?」


 「それは綺麗に浄化してあるのと、綺麗に処理されているからですよ」


 「あー……。凄く丁寧だったもんね。何してるか分からないトコもあったけど」


 「【錬金魔法】と【練成魔法】を使っていましたね」


 「あれは私も驚きました。獲物の処理にあれだけの魔法を使うなんて」


 「だから御三方の獲物は高額で買い取っても、こちらは儲かるんですよ」


 「儲かるから、高く買い取れる。お嬢さん達も色々工夫する事だ。そうやって傭兵は一人前になっていくのだからな」



 3人で銀貨3枚と1枚ずつに分ける事になった。俺は銀貨3枚を貰って良い様だ。登録証を返してもらい、売却金と木札を受け取り解体所を後にする。


 今日はギルドには行かず、宿に帰って肉を旦那さんに渡しておく。これで夕食はタダになる。部屋に戻って装備を外し、浄化して一息吐く。


 食堂に下りると5人組も居たが、どうやらタダ飯目当てらしい。新人に奢らないベテランはケチだと認識されるので、奢らざるを得ない。俺も新人なんだがな。


 王女とライブルは魔銅の採掘状況の確認に来ていたらしいので、マナリアの岩盤を壊した事を伝えておいた。あのマナリアの行き先は王様のところか、それとも伯爵家のところか、どっちかね?。


 魔銅の採掘状況はヴェルさんに確認したので、明日には王都に帰るそうだ。明日の朝にムルーガの引渡しをするので、村長の家に行く事を話した。


 妙に盛り上がってるので見てみると、近衛を除く女性陣は酒を飲んでいた。酔っ払いどもの誕生か。余計な事をしやがってと思うが、どうしようもない。王女は大丈夫か?。


 心配は杞憂だった。ライブルいわく、王族は酒に強い血筋らしく何の問題も無いそうだ。酒に強い為、普段は自制している程らしい。理由はドワーフの血だった。


 初代の王の妻はドワーフだったらしく、2代目以降、酒に強い人ばかりなのだそうだ。どんだけドワーフの肝臓の遺伝子は強いんだよ! ……もう、放っとこう。


 ダリアとイチャイチャしていたら、夕食が来たので食事をとった。ソードグリズリーのステーキは、相変わらず臭みの無い見事な焼き加減だった。皆、酒を飲んで機嫌が良さそうだなー。


 そう、飲んでないのは俺だけだ。当然、早々に部屋に引き上げる。ダリアと遊んでいたら、思ったより早く2人は部屋に帰ってきた。皆は既にダウンしたらしい。



 「お酒の飲み方も知らないから、簡単に酒に呑まれるのさ」


 「ダナ、仕方ありませんよ。あのような強いお酒は飲んだ事が無いでしょう」


 「それでも飲んだら分かるだろうに。近衛の意味が分かってるのかねぇ?」


 「酔い潰れるまで飲んだのか? 何を考えているのやら……」


 「ライブルまでもが、ダウンしたからね」


 「ホントに大丈夫か?」


 「心配はいりませんよ。私達で無理矢理運んでおきましたから」


 「それなら、いいや」



 全員を綺麗に浄化する。どうもダリアが2人を嫌がっているな。酒の臭いが駄目なんだろう。ダリアは俺にくっ付いてきて浄化を要求する。可愛いから許そう。


 ダリアを浄化しながらモフっていると寝てしまい、後はいつも通りになった。2人は嬉しそうに撃沈して寝てしまったので、俺も浄化して寝るか。おやすみなさい。



 ▽▽▽▽▽


 0076終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 金貨29枚

 大銀貨35枚

 銀貨7枚

 大銅貨16枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 剣熊の爪のグラディウス

 二角の角のククリ

 二角の角の戦斧

 風鹿の角の十手

 槍木の弓

 二角の革の帽子

 剣熊と銅亀の革鎧

 剣熊の革の剣帯

 剣熊の革の指貫グローブ

 剣熊と銅亀の肘防具

 剣熊と銅亀の膝防具

 剣熊と銅亀のブーツ


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