0072
<異世界35日目>
おはようございます。今日は狩りに行く前に、武具屋で矢羽を買って行きます。森の中なので弓は使わないだろうけど。手裏剣とか作った方が良いのかな? 棒手裏剣でも作るか。
今日の予定を頭の中で考えながら浄化していると、ダリアが起きてきて目の前のテーブルに座った。
「ダリア、おはよう」
「ニャー」
今日の機嫌は普通らしい。昨日は弓を作っていて放っておく形になってしまったので、今日は朝から可愛がろう。浄化しながらモフっていても、やはりトロンとはしない。
会った時に灰色の様だったのは、邪生になりかかってたと見て間違いなさそうだ。今は完全に浄化されきったんだろうな。……という事は、なりかけの方が完全浄化し難いのか。
それで時間が掛かったんだな。もっと強力にやれば早かったのかもしれない。悪い事してしまったな。謝罪の気持ちを込めてモフっていると、2人が起きてきた。
「「チュッ! おはよう。アルド、ダリア」」
「おはよう、2人とも」 「ニャ!」
「今日は晴れてるし森へ行こうか」
「今日は邪生狩りに行きましょう!」
「前にも言ったけど、邪生が居たら狩ろう。邪生が居たら」
「昨日の弓は使うのかい?」
「たぶん、使えないだろうな」
「森の中ですからね」
話しながら全て浄化し、食堂に行って注文をする。4人分の大銅貨4枚を払うと、直ぐに朝食がきたので頂く。女将さんは忙しく働いているが、代わりに女性従業員が居ない。
昨日の事もあって今日は休みなんだろうか? ちょうど朝食が終わるタイミングで、女将さんが話し掛けてきた。
「昨日は迷惑を掛けちゃったから、お休みにしたんだ。けど、朝から大変だったよ」
「仕方がないさ、迷惑掛けた以上はね」
「少しは反省した方が良いですよ。流石にあの子達も怒るでしょうしね」
そんな話の後、また忙しくなったようなので部屋に戻る。準備を整えて、まずは武具屋に行って矢羽を買う。ダリアが先導してくれるが、道が分かっているのか間違う事は無かった。
「いらっしゃい、今日は何だい?」
「今日は矢羽と矢筒を買いに来たんですよ」
「あぁ、矢羽ね。20本分で大銅貨1枚だよ。矢筒は銀貨1枚」
「じゃあ、銀貨1枚と大銅貨2枚で。40本分お願いします」
「あいよー。まいどあり」
矢羽を購入したので収納してもらい村を出る。崖の階段まで行き、今日は南西に進んでいく。進んでいくと魔物の反応だが幸先が良い、これはスマッシュボーアの反応だ。
「皆、スマッシュボーアの反応が3頭だ」
「「了解」」 「ニャー」
スマッシュボーアが突進してくる前に足を斬る。1本でも深く傷つければ殆ど戦えなくなるので楽だ。狙い通りに足を斬ったので、後は倒すだけで終わる。さっさと首を落とし、浄化と処理をしよう。
そういえば邪生の肉が余っていたのを思い出したので、出してもらった。凍らせておいたので、特に痛んではいない。ダリアが欲しがったので、解凍して食べさせておいた。
邪生のフレイムラットの肉は捨てて、ダブルホーンの肉だけ残しておく。余ったら旦那さんに渡そう。その後は高値で売れない奴等ばかりだった。昼前になった頃、広場のような場所を発見した。
前にもこんな事があったな。あの時はアダマンタイトが見つかったんだっけ? 反応は……無い。やれやれ……ちょっと焦ったじゃないか。マナリアとか出てきたら面倒過ぎる。
魔銅鉱床のマナリアはどうなったんだろう? 聞くとトラブルに巻き込まれそうだから聞いてないんだよなー。……このまま無視するか。面倒事は要らないよ。
この広場で昼食にしよう。昼食は邪生のダブルホーンのステーキと、スマッシュボーアの骨で出汁をとったうどんを作る。小麦粉は昨日使えなかったので残っているから、うどんはやや多めに作ろう。
出来たので3人の椀に入れ、皿と餌皿にステーキを乗せる。皆は昼食後に少しゆっくり休み、俺は羽を裂いて2つにし矢羽として【融合】していく。皆は全て終わるまで待ってくれた。
矢筒に矢を20本入れて準備完了だ。ちなみに身体強化で手を保護する為、指貫グローブがあれば十分である。左手に持って歩くもやはりデカイ、ちょっと動き辛いなコレ。……ん? 魔物か。
「皆、魔物だ。アースゴブリンが6体」
「「了解!」」 「ニャー!」
「「「「「「グゲゲ! ゲゲッ!!」」」」」」
2人は右と左に分かれて攻め始めたので、俺は中央の奴を射つ。弓を引き絞り……って強いぞコレ。結構な力を込めないと引けないな……良し、狙ってー、今だ!。
ズドンッ!! ……ドスッ!。
え!? 何コレ? 威力おかしくない? アースゴブリンの頭を貫通して、後ろの木に突き刺さったぞ。これ本当に弓の威力か? もしかして素材の所為? 邪生の素材だからな。
とにかく、どんどん射ち殺そう。その後2体殺したところで終わったが、2人がちょっとパニックになってるので落ち着かせるのに苦労した。見た事が無い威力だったからなぁ。
「その弓の威力は、どう考えてもおかしいよ」
「ですが、ダナ。この弓は、私でも引けない程の弓ですから」
そうなんだよな、シュラはこの弓を引ききる事は出来なかったんだ。それ程の張力の弓を作ってしまったらしい。俺しか扱えないなら、それはそれでアリだと思う。
矢は壊れていたが、【変形】や【融合】を使って直しておいた。そういう意味でも俺しか使えない弓になってしまっている様だ。これならプレートアーマーでも楽に貫通するだろう。
魔物の処理をするのだが、こいつらも高値では売れない。とはいえ、昨日も今日も持って帰らないのには問題があるので、こいつらは持って帰る事にした。
2人も落ち着いた様だし、先に進もう。2人が前衛の逆三角形の形で進んでいく。南西に直進する形で歩いていても大した変化は無く、高値にならない魔物を間引くだけの結果に。
3人で相談し、夕方前なので村に帰る事にした。今日の結果で、結構な間引きと浄化は終わったと思う。低ランクの邪魔をするのもアレなので、明日は北の方に遠征に行ってみるかな?。
村に着くと解体所に行き、スマッシュボーア3頭とアースゴブリン6体の査定をしてもらう。査定中のベグさんとジャロムさんとの雑談で、意外な事を言われた。
「最近は高値で売れん魔物を持って帰ってきておらん様だが、なるべく持って帰ってきてくれんか?」
「やっぱり必要かい?」
「ちょっと肥料用の魔物が足りていないんです。魔銅の鉱床の事がありまして……」
「あっちの仕事をしている者が多いのですか……あぁ、低ランクの仕事だから」
「うむ。肥料にする魔物は低ランクが狩ってくるのだが、現在は鉱床の仕事をしている者が多くてな」
「分かりました、なるべく持って帰ってくる事にします」
「すまんが、頼む」
登録証と木札と売却金を受け取り、ギルドへ行く。売却金は大銀貨10枚と大銅貨18枚だったので、大銀貨3枚と大銅貨6枚に分ける。大銀貨1枚は俺が貰って良いらしい。
希少金属の武器などを考えたら、俺が貰うのは当然の事だと2人から言われた。まぁ、そうなんだけどね。2人がそう思っている事が重要だ。当然だと思われても困るからな。
ギルドに行き、ミュウさんに手続きをしてもらっていると、ヴェルさんが近づいて来た。
「領都に行かれたと思いますが、返事はどうなりましたか?」
「それは5人組から聞きな」
「??? ……何かあったのですか?」
「私達をコケにした。それだけですよ」
「……何という事を……」
「という事で、あんまりその話はしたくないんですよ」
「手紙は渡してやったんだから、後は無視しておきな」
「分かりました、何とか頑張ってみます。……無理でしょうけど」
手続きが終わったので、俺達はギルドを出て宿に帰る。部屋に戻ってゆっくりしよう。
▽▽▽▽▽
0072終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
金貨29枚
大銀貨35枚
銀貨5枚
大銅貨12枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
剣熊の爪のグラディウス
二角の角のククリ
二角の角の戦斧
風鹿の角の十手
槍木の弓
二角の革の帽子
剣熊と銅亀の革鎧
剣熊の革の剣帯
剣熊の革の指貫グローブ
剣熊と銅亀の肘防具
剣熊と銅亀の膝防具
剣熊と銅亀のブーツ