0070
昨日の下着作りで余った布を使い、予備の下着から調整する。確かに大きくなっていて、ダナはEに、シュラはDの中間ぐらいまで育っていた。邪生の乱獲を始めそうだな。
下着作りが終わったので、余っている色々な素材で何か作ろう。2人に聞くとネズミはフレイムラットと言い、火の能力持ちだったらしい。
フレイムラットとスピアウッドとダブルホーンの素材か……悩む。
色々と悩んだ結果、ククリと戦斧を作る事を決めた。ククリはグルカナイフとも言われる物で、便利で使い勝手の良い刃物だ。”く”の字型で内側に刃がついている。
刃長は30センチ程で斬撃や投擲に使う。芯をスピアウッドで作りダブルホーンの角を被覆する。これを3本作った。戦斧は新しい物に交換するついでに全員分作る。作れ! という圧が凄いんだよ。
斧頭の大きさは30センチの三日月型で、全長は120センチ程にする。斧頭は分厚く、見るからに凶悪そうな武器になってしまった。何故か分からないが、2人が凄く喜んでいる。
2人は振り回しているが、風切り音が凄い。ゴゥッ! とかボッ! という音がして、スンゲー怖いんだけど!? ソレ簡単に兜ごと頭をカチ割る武器だからさ、笑顔は止めて!。
要らない斧を【破砕】してから【粉砕】して裏庭に捨てる。帰ってきても、2人はまだ振り回していた。ストレス解消道具じゃ無いんだが……。
ダリアを連れて食堂に緊急避難をした。2人の心の中で何があったのか知らないが、勘弁してほしい。あー……、モフってると癒されるわー。俺は4人分注文して、大銅貨4枚を支払う。
ゆっくり待っていると、落ち着いた2人が食堂に下りてきた。まだ機嫌が良いようで、嬉しそうに隣に座る。
「いやー、あの斧良いね! 昔アレがあったら、あの貴族の頭をカチ割ってやったのにさぁ!」
「私も頭をカチ割りたい貴族が30ぐらい居ますよ!」
どんだけ恨まれてるんだ貴族? 2人に対して碌な事をしなかったんだろうなぁ……。簡単に想像できるわー。ここの領地持ってる伯爵家でさえ、アレが処分されてない家だからな。
そんな話をしていると夕食が来た。今日は珍しく女将さんが来なかったな? 来ない方がありがたいんだが、何かあったのか? でもこの前も結局アレな理由だったしな、触れないでおこう。
食事後も女将さんは来なかったので、いつもの女性従業員にダナが聞くみたいだ。聞かなくても良い気がするんだけどなー。
「ちょっと聞くんだけどさ。トーカはどうしたんだい?」
「女将さんなら、今日はもう上がりですよ。旦那さんも、もう上がってます」
「……息子に任せたって事かい?」
「えぇ。”早く上がって夫婦の時間を過ごす!”。と仰ってました」
「……部屋に戻って、アタシ達もイチャイチャしようかね!」
「そうですね! 直ぐに戻りましょう!」
お二人さん、急がなくても部屋は遠くないよ? ダリアを持ち上げて部屋に一緒に戻る。ダリアは、されるがままで何の抵抗もしない。これはこれで大丈夫なんだろうか?。
部屋に戻ると2人は早速とばかりに酒を飲み始めた。俺とダリアはいつも通り浄水を飲む。全て浄化しながらダリアと遊んでいると、2人が真剣な表情でお願いをしてきた。
「戦い方を教えろって?」
「そう、基礎から徹底的にね。色々な武器を作ってくれるだろ? それでね、アタシ達が知ってるよりも深い”基本”があると思ったんだよ」
「全ての事は基本より始まります。当然戦いにも基本がありますが、私達の知っているものは浅いのではないか? そう思った訳です」
「なら足運びと重心移動だな。それ以外は使う武器と戦い方によって変わってくる」
2人には最初に足運びを教える。抜き足や差し足、摺り足や忍び足など長所と短所を含めて学んでもらう。2人は予想外の難しさに結構苦戦している。
こういう地味な訓練ってキツイんだけど、思っている以上に重要なんだよなぁ。俺もジジイの元で徹底的にやらされたから、キツイのは良く分かる。
重心移動はゆっくりの動きから教えていく事になる。最大の威力、最高の速度になるように重心を移動させ、肉体の各所に力を伝えていく。これもキツイんだよなー。
まぁ、これらは一朝一夕では上手くならない。なったら天才どころじゃなく、最初から出来てたろ? と決め付ける程だ。それぐらい修練しないと身に付かない技術なんだよ。
2人が苦労している横でダリアをモフってたら、どうやら眠たいらしく目を閉じてしまった。
そうしたら、急に近づいてきた2人にベッドに押し倒されてしまう。……修行はどうしたんだ?。
2人をいつも通り撃沈させて、浄化して寝る。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界34日目>
おはようございます。今日は生憎の雨のようですが、ゆっくり出来るんでしょうか? とにかく起きて浄化しよう。いつも通りに浄化してる最中にダリアが起きてきた。
「おはよう、ダリア」
「ニャ~ン」
何だか今日は機嫌が良いみたいだ。機嫌の良いダリアをモフっていると、今日はトロンとする事も無く元気いっぱいだ。邪生のような反応が無くなったが、悪い事ではないだろう。
ダリアを更に浄化してみる。内側から完璧に一点の曇りも無いように浄化していくと、ダリアは更に興奮して俺に体全体を擦り付けて来た。
そんなダリアを受け流していると、2人が起きたようだ。
「「チュッ! おはよう。アルド、ダリア」」
「おはよう、2人とも」 「ニャ!」
「今日は雨みたいだから、ゆっくりしようか」
「そうですね。アルド、お酒が減っているので作って下さい」
「良いよ。ただし、材料はそっちで頼むよ」
「分かっています。ついでに小麦粉も買ってくるので、何か作って下さい」
「アタシも一緒に行くよ」
全員で食堂に下りて、4人分注文をする。大銅貨4枚を支払ってゆっくりしていると、朝食が運ばれてきた。……今日は女将さんが来ないパターンらしい。全て無視して朝食を食べる。
朝食後、やはり聞かなくてもいいのに、ダナが女性従業員に聞く。いつもの結果だと思うが……。
「ちょっといいかい? トーカが居ないのは昨夜が理由だと思うんだけど、知ってる?」
「はい。早い時間での帰宅だったので、旦那さんが腕をふるわれたそうですよ」
「ん? どういう事だい?」
「夕食が素晴らしくて大変盛り上がったそうです。その所為で立ち上がれないようですね」
「トーカ……。気持ちは分かるんだけどさ。何やってんだろうねぇ、まったく」
やっぱり、いつものパターンだ。女将さんも懲りないなぁ。そろそろ力加減とか体力の限界とか、分かってもいいと思うんだけど。感情が昂って忘れるのかね?。
2人もこれ以上聞いてもしょうがないと思ったんだろう、食料店に買い出しに行った。俺も部屋に戻ろう。
部屋で丁寧に丹念に装備品の浄化とチェックをしていると、2人が買い出しから戻ってきた。装備品は後回しにして、先に面倒な酒を終わらせる。
シードルにミード、ブランデーにウイスキー、それにワインを終わらせて一息吐くと、もう昼だった。全員を浄化して、食堂に下りて昼食にする。いつも通り注文し大銅貨4枚を払う。
料理を待っていると女将さんがニコニコしながらやって来た。
「いやー、申し訳ない。昨夜凄くてねぇ、朝立ち上がれなかったんだよ」
「次の日にまで影響を残すのは、ヤリ過ぎさ」
「そうですね。溺れてはいけませんよ」
「分かってるつもりなんだけど。こう、盛り上がっちゃうとねぇ」
「「分かるけど……」」
そこで同調すんのかい!? もうちょっと真面目に反省しなさいよ! 旦那さんが大変だって分かってるだろうに。ホントに大丈夫かな? 急に……ってのは勘弁してほしい。
ダリアをモフって癒されよう。相変わらずこの手触りとモフモフ加減は素晴らしい。そういえばダリアは2人に触らせる事はあるんだが、俺の時みたいに喜ばないんだよな。
浄化してなくてもダリアはやたら喜ぶ。何が違うんだろう? そんな事を考えながら、横の話をスルーし続けた。
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0070終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
金貨29枚
大銀貨32枚
銀貨6枚
大銅貨15枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
剣熊の爪のグラディウス
二角の角のククリ
二角の角の戦斧
風鹿の角の十手
二角の革の帽子
剣熊と銅亀の革鎧
剣熊の革の剣帯
剣熊の革の指貫グローブ
剣熊と銅亀の肘防具
剣熊と銅亀の膝防具
剣熊と銅亀のブーツ