0699
話し合いを終えてナコヤの城を出た俺は、温泉地へと戻っている。広忠の復讐は予想以上に早くなりそうだ。とはいえ、早くて悪い事は何も無い。戻るのが遅れれば遅れるほど、求心力は減ってしまい纏める事が難しくなる。
日本の歴史上でも、松平広忠は大した事も出来ずに亡くなっているからな。戻るのが遅かったのと今川の力で戻ったので、どうしても今川の家臣的に見られたんだろう。三河の武士って忠義が無い感じだし、平気で主君を暗殺する様な連中だ。
そういう奴等を躾けるのは難しい。でも、躾ける必要が無ければ別なんだよな。言葉は悪いが、従わない奴は潰して土地を接収してしまえば良い。そこまでされないと分からないなら、そこまでされても文句は言えないんだ。簡単な事だろ?。
俺達が居るか、西部さん達が助力してくれる間にやってしまえば良い。参加した奴等は武功になるし、邪魔者どもは始末できる。広忠にとっても損は無い。直接自分が治める領地は増えるが、その分やりたい事が出来るだろう。
特に戦の事しか考えない、もしくは出来ない連中は抹殺するべきだ。統治の邪魔にしかならない。豊かさは強さとも言うが、とにかく豊かな国の方が強いというのは当たり前の事だ。武具に弓矢玉に兵糧。どれも豊かじゃないと集められない。
血筋や家柄で勝てるほど戦争というのは甘いものじゃない。そんな事を体操中の皆に話している。
闘神直伝の体操は、とにかく基本が詰まったものだ。足運びや体重移動、重心の位置に重心移動の方法。ありとあらゆる基本が詰め込まれてるんだから、しっかりと覚えろ。
4人の中で1番早く覚えそうなのが広忠だ。次に早そうなのが塚原さんで、藤と半蔵は同じぐらいかな? 2人とも、今まで覚えたものが少し邪魔をしている。少しなんで、わざわざ【集中】を使ったりなんてしないが、だからこそ自力で頑張れよー。
俺は4人から離れて台所に行き、昼食を作り始める。昼はご飯と羽蛇の唐揚げに野菜スープだな。土鍋でご飯を炊きつつ、スマッシュボーアの骨で出汁をとる。その後、出汁を【浄化】したら野菜を入れて煮込んでいく。
羽蛇の肉を一口大にし、魚醤と米酢と砂糖と灰持酒で味を整えた調味液に漬け込む。【浸透】を使って十分染み込ませたら、鍋に竜の脂を入れて溶かす。小麦の全粒粉を表面に塗したら、後は揚げていくだけだ。
ジュワー、パチパチ。その良い音と暴力的な香りに、3匹が引き寄せられてきた。相変わらずだが、俺に絡まる様にして出来上がりを待つのは何故なんだろうか。結局、出来上がるまでには時間が掛かるんだから、落ち着いて待ってなさい。
仕方ないとでも思ったのか、今回は離れて行儀良く待つらしい。3匹は俺から離れて、食事の時の定位置に座っている。何だか催促されている気分になるな。急いだって良い事は無いので、シッカリと料理を作っていこう。
丁度料理が終わりかけた時に全員が台所に来たので、準備を手伝ってもらう。と言っても、自分の食べる分は自分で入れるというだけだ。入れ終わった者から早速食べ始めている。俺も入れ終わったので、食べ始めるか。
「アルドは手に入れたお金を渡しに行ってたんだろ? いったいどうなったんだい? ここ最近、戦ばっかりだったから難しいとは思うんだけどね。それに風の季節が近いし」
「北部織田家が、やっと正式に従う様になったらしい。それは良いんだが、ゴネてた連中が一転して武功の場を寄越せと五月蝿いんだそうだ。それで今日と明日に用意をさせて、明後日には進軍するらしい」
「随分と急ですね。そんなに早くには揃わ……もともと用意はしてたんですか。それなら分かります。北部は美濃でしたよね、攻めてくる恐れは無いんでしょうか?」
「多分大丈夫じゃないかな。土岐というのと斉藤で揉めているらしいし、小競り合いが激しくなってるそうじゃないか。その状態だと当分纏まらないだろうさ。そして、纏まらないと他国には攻め込めない」
「流石に斉藤とかいう者でも、纏まった尾張を片手間では攻められないという事だな。勝てると思わなければ動かないらしいから、纏まった相手に対しては簡単に動いたりはしないだろう」
「簡単に動く方は、動いたとしても大した相手では無いわね。むしろ蹴散らされた土岐という者の家臣を、嬉々として襲うんじゃないかしら? マムシって言うぐらいだし」
「そうだね。1番上がポンコツなら、意図的に放置して下を崩すのかもしれない。もともと悪い噂しか無い様な人物みたいだし、求心力を更に落とす方向に向かうのかもね」
「三河でも、土岐氏の事は悪い噂しか聞いた事がありません。御家騒動を続けている暗愚な人物だと。あの様な恥は絶対に晒すなと、父上からも強く教えられました」
「土岐頼芸は、とにかく周りを巻き込む人物です。伊賀の情報網でも信用ならぬ人物として、利の良い仕事だけ請ける様にと言われております。まあ、その結果が皆さんだった様ですが……」
「勝てる訳も無し、と言ったところかの。とはいえ、知る事が出来なんだのだから仕方あるまい。それよりも、関東にも似た御仁がおるが、本当に碌でもない者はどこにでもおるのう」
「土岐も碌な事をせぬ者の一家ですな。他にもありますが、斯波も碌でもない事をしてくれましたからな。とはいえ、あそこは先代の所為で落ちぶれておったので、今はそこまで言われておりませぬが……」
「まあ、そこら辺の話は横に置いといて。明後日から進軍だから、今日と明日で集中的に鍛える。特に広忠は復讐の機会だ、確実に勝てる様に鍛えるんで頑張れよ!」
「えぇ……」
広忠が心底嫌そうな顔をしているが、そんな事には構っていられない。時間が無い以上は、出来得る限り鍛えるのは当然だ。昼食後、他の者達に体操をさせながら、広忠は俺と実戦訓練だ。俺は十手だが広忠には槍や脇差を使わせる。
下手な動きをしたら容赦無く叩き、どこが間違いかを教える。【集中】を使っているので大変だろうが【生命活性】まで使って無理矢理体に叩き込む。1対1の状況は作ってやるが、広忠に力を貸す気は無い。つまり自力で勝つ必要がある。
そもそも力を借りての復讐には、本人が1番納得しないだろう。誰かの力を借りても、仇を討ったとは思えないだろうしな。本人が納得出来る形にするのが1番だ。だからこそ、今日と明日で徹底的に叩き込む。
今の力でも多分勝てるだろうが、復讐が終わったら松平の当主に戻らなきゃならない。だが、三河だからなぁ……暗殺を考えるバカが必ず出る。出る以上は、身を守れる力を持たせるしかない。
夕方まで様々な技を駆使して教えた広忠は、今は地面に倒れこんでしまっている。半蔵は心配そうにしているが、藤と塚原さんは楽しそうに見ている。広忠がやり切ったという顔をしているからだろう。相当手加減してるんだが、まぁいいか。
ついて来れない程の鍛え方をしても意味が無いんで、常について来れるギリギリをキープし続けたんだが、【集中】の御蔭で上手くいったと言って良いだろう。明日の予定を修正しつつ、夕食の料理を始める。
菜っ葉飯と焼き魚に、干し肉と野菜の味噌汁が今日の夕食だ。皆は部屋で寛いだり、風呂に行ったりしている。
体を洗わずとも【清潔】の魔道具で綺麗になるので、綺麗にしたらさっさと浸かっているだろう。半蔵が一緒だし、疲れ果てて溺れるなんて危険も無いだろうし。
ただ、既に眠たくなってそうだと思いながら、料理を続ける。戻ってきた広忠は思った通り眠そうな顔をしているが、気合いで夕食までは起きようとしている。もうそろそろ出来るから我慢してくれよ?。
出来た夕食を直ぐに入れ、掻き込む様に食べている広忠は放っておいて、皆はゆっくりと食事をしている。体力の限界が近いからか、とにかく動ける間に食べてしまおうという気概を感じるな。
マナーは気にしなくて良いさ。頑張って食べろよ。
▽▽▽▽▽
0699終了時点
大白金貨3枚
白金貨36枚
大金貨836枚
金貨570枚
大銀貨969枚
銀貨919枚
大銅貨1353枚
銅貨52枚
神石の浄化剣
神鉄の杖
神鉄の大太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




