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 広忠は理解していない様だが半蔵は物凄く喜んでいたな。大銀貨10枚というのは簡単に稼げる額じゃない、自分で稼ぐ様になれば、それがよく分かるだろう。松平家の次期当主だった広忠は、自分で稼ぐどころか金を使った事も無かったらしい。


 そりゃ理解できないな。明日は休みにして買い物でもさせようか。そんな事を考えながら進み、皆と合流したら昼食にする。チャパティを焼いて、周りに居たフォレストウルフの肉と野菜を挟んだタコスモドキに決めた。


 全員に自分で作らせたんだが、意外にも藤と広忠は楽しそうに料理をしていた。やった事が無いから嬉しそうに作っていたし、今は美味しそうに食べているな。


 ちなみにシュラの分だけは俺が作っている。とはいえ肉は俺が【熟成】しているし、料理道具は貸した物だ。


 自分でやっていればそのうち覚えるだろうし、俺達と別れた後も生きていけるだろう。塚原さんや半蔵は自分で料理をするので、特にどうこうと言う事は無い。それでも煮込むのが主で、蒸したり揚げたりした事は無いそうだ。


 昼食を食べた後、再び狩りを始める。狩ったダンジョンモンスターを持って帰って、お金に換えたらダンジョンへ。それを何度か行った後、浅い層で魔石を稼ぎ始めた。加熱機の事を思い出したらしく、必要な魔石だけを抜き出し後は捨てていく。


 ダンジョンに入る傭兵もそうだが、持ち帰れる量は限られている為に取捨選択をするしかない。高値で売れる物を選別する知識も、傭兵にとっては重要だったりする。狩りで生活をするというのは、馬鹿でも出来る訳じゃない。


 必要な知識などを教えていくのだが、広忠は割と素直に聞いてくるので教えやすい。半蔵は聞いて良いのか分からない為、基本的には聞いてこない。まあ身分差とかがあって元々聞きにくいというのもあるんだろう。聞いたら教えてくれる時代じゃないし。


 十分に魔石を確保したら外に出るのだが、もう夕方だった。俺達は温泉地の家に帰りゆっくりとする。俺だけは夕食作りを始める訳だが、今日は猪肉のフライにしよう。トンカツじゃないのは、コレだけの為にパン粉を作る気が無いからだ。


 猪肉をステーキ状に【分離】したら全粒粉を塗していく。人数分の倍の数を作り終わったら、竜の脂で揚げていこう。土鍋で炊けているご飯よりも、遥かに暴力的な香りが台所に広がる。その香りに我慢出来なくなったのか、3匹が引っ付いて離れない。


 料理途中にも係わらず、全員が台所に集まってしまった。青豆食べたり干し肉を齧ったりしながら凌いでいる様だ。


 仕方がないので、ご飯が炊けたらさっさと食べていってもらおう。揚がった猪肉はトンカツと同じ様に【分離】してあるので、箸で食べやすい。


 3匹は揚げたてを食べたいのか、「早く揚げろ」という感じで催促してくる。意外にグルメな3匹だ。他の連中はとにかく腹が減っているので早く食べたいんだろう。3匹よりも動物に近くないか? と思うが口には出さない。


 やっと揚げ終わったので、そろそろ俺も夕食にしよう。流石に28枚も揚げるのは大変だよ。それじゃあ、いただきます。



 「うん。これなら合格と言って良いかな。上手く揚がっているみたいだし硬くなってない。失敗すると肉が硬くなって美味しくなくなるからなぁ……」


 「へー……意外に難しいんだね。ただ油を温めて揚げれば良いんだと思ってたら、やっぱり甘くはないか。アタシでも出来そうな気がしたんだけど……」


 「そんなには難しくないさ。大事なのは油の温度と揚げる時間だよ。高温過ぎると焦げるし、長いと硬くなる。シビアな具材もあるけど、猪肉はそこまでじゃない」


 「そうなんだね。難しいのは……魚介類!? ああ、海の物を揚げても美味しいんだ。流石にその発想は、主様じゃないと無いかもしれない」


 「そうね。海の物を揚げて美味しくなるイメージが……って、前にアルドがアジフライとか言って魚を揚げてたじゃない。すっかり忘れていたわ」


 「そう言えば、そんな料理を食べたような……。ああ、何か美味しかった記憶がありますね」


 「美味しかったという記憶だけか? 何を食べたかの記憶じゃないんだな。それも珍しい記憶の仕方な気がするが……」


 「良いんじゃない? 子供の頃に食べた美味しい物って、何を食べたか覚えてないよ。その時の皆の笑顔と美味しかったのは覚えてるんだけど、何を食べたかまでは思い出せないんだよね」



 皆はたらふく食べて満足したのか、ゆっくりとした足取りで部屋へと戻って行った。後片付けを終わらせた後、順番を待って風呂に入る。風呂上りに涼んでから部屋に戻ると、既に3匹は撃沈寸前だった。


 満腹になった後で風呂に入り温まったからか、眠気が凄いみたいだ。いつ寝てもおかしくないので布団を敷いていると、敷き終わるまでに撃沈してしまった。3匹を布団に入れた後、女性陣を【至天】でキメて布団に入れる。


 布団に入った後で目を瞑り、家全体を【浄化】していく。今日は何の問題も無く全てを浄化できたので気分良く眠れる。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界292日目>



 おはようございます。今日はお休みの日です。皆はツシマかアツタに買い物にでも行くのかな? 俺はいつも通りだけど。


 さて、朝食を作りに熊のきぐるみを着て台所へ行こう。今日の朝食は、肉巻きおにぎりと魚介の味噌汁だ。さっさと作ろうと思い料理をしていると、皆が起きてきたので朝の挨拶をする。


 朝食が出来たので食べながら今日の予定を確認していると、皆は色々と欲しい物があるらしく買い物に行くそうだ。塚原さんと半蔵に、くれぐれも気を付ける様に言っておく。藤と広忠は子供と変わらないだろうから、目を離すと迷子になりかねない。


 流石に2人とも怒っていたが、塚原さんと半蔵が頷いていたのが答えだろうに。とにかく今日は休みなんで、皆は好きに過ごしてほしい。毎日修行ばかりでも気が滅入るからな。そう言って、無理やり話を終わらせる。


 全員が家を出た後で閂をして跳び越える。後はいつも通りにダンジョンへ行き、素材を手に入れてツシマヘ行く。精錬と貨幣作りをして、今までの報酬である大金貨3枚を貰う。


 その後、大橋さんの店などで買い物をしておく。小麦を大銀貨2枚分、野菜を大銀貨1枚分、濁酒を金貨1枚分買ってツシマを出る。今日はスマッシュボーアを3頭、ウィンドディアーを3頭狩ったので肉は大丈夫。


 今日の昼食の事を考えながら帰っていると、広忠と半蔵の反応が林の向こうにあった。ツシマから東へ行く道からは見えない位置だが、いったい何をやってるんだ? 2人以外にも7人の反応があるので襲われてるのかもしれない。


 俺はそう思い、隠密の4つの技を維持したまま近付いていく。すると、言い合いをしているらしく声が聞こえてきた。



 「素破ごときが邪魔をするな! 広忠などに生きていられては迷惑なのだ。あの愚かな男をようやく排除したと思ったら、我が殿の命も碌に聞かぬ愚か者ばかり! あの戦の時にさっさと始末すれば良かったわ!!」


 「いちいち喚いておる場合か? さっさと始末して逃げるぞ。ここで殺せば織田の所為に出来るからな」


 「たかが小倅と素破だ、大した力もあるまい。こやつらを殺せば日和見の者どもとて、殿の命に従うであろう」



 そう言って始まった戦いだが、広忠と半蔵は槍で的確に相手の足を狙い動けなくしていた。ダンジョンでの戦いが役に立っている様で何よりだ。7人居た連中のうち最早まともに動けるのは2人しかおらず、そいつらは逃げていった。


 俺は広忠や半蔵には声を掛けず、逃げていった2人を追う。逃げて行った2人は隠していたのであろう馬に乗り、東へと走って行った。


 俺は離されない距離を保ちつつ追っていく。ある程度走り刈谷城に着くと、そこで替えの馬を寄越せと言い、別の馬に乗って東へと走る。


 どうやら刈谷城の水野氏は協力している訳じゃないらしい。悪態吐きまくってるし、激怒してるしな。情報収集したいが追い駆けるのが先か……。更に馬で東に走って行く連中を追っていく。


 こいつらは、いったい何処から来たんだ?。



 ▽▽▽▽▽


 0695終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨36枚

 大金貨791枚

 金貨496枚

 大銀貨870枚

 銀貨850枚

 大銅貨1353枚

 銅貨52枚


 神石の浄化剣

 神鉄の杖

 神鉄の大太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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