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0683




 土岐の刺客だった伊賀の連中を始末して穴を掘る。いつもの通りに身包み剥いで放り込み、【浄炎】で燃やした後に【粉砕】する。一連の流れを見ていた塚原さんに「手馴れとるの?」と言われたので、暗殺組織の事などを話す。


 そんな話の最中に調べたが、碌な物を持ってなかったので纏めて穴に捨てて埋めた。伊賀の連中も懲りないというか、土岐の仕事ってそんなに儲かるのかね? 噂で聞く限りはケチそうだけど。


 土岐に対する噂なんかを話しながら帰っていると、港には舟がいくつか在る。誰かが使ってるんだろうと思ったら、大橋さんが来ていたらしく挨拶された。何しに来たんだろう?。



 「そんな不思議な顔をされても困りますぞ。実はトコナメで出来た、試しで作った塩をツシマに持って帰る最中なのですよ。上手く出来た様でしてな」


 「そうですか。陸の孤島みたいな場所というか、半島の先に住んでいる者が居るくらいの場所だと聞いています。そういう所で生きるのは大変ですから、儲かれば良いんですが」


 「そうですな。あっ! そうそう、松平が戦に勝ったらしいですぞ? ただし雑兵どもが神殿の富を奪っていったらしく、松平が手に入れられた物は殆ど無かった様です。場合によっては……」


 「暗殺ですか……。三河の紅衆である吉良を倒し、三河中央神殿も倒したものの、代わりに戦も出来ないほど貧しくなってしまった。今川の目論見通りですかね?」


 「ええ。弾正様も殿もそう見ています。おそらく松平は今川を巻き込んで尾張と戦をする気だろうと。あわよくば尾張から奪い、奪えず負ければ今川の所為にする。そんなところでしょう」


 「今川は笑う程度で済むものの、その威信に傷が付くという事ですか。確か<海道一の弓取り>とか言われてるんでしたっけ? 先代の斯波家当主に勝ったらしいですけど、それだけをいつまでもネチネチ言ってるのはどうかと思いますけどね」


 「まあ、仰る事はよく分かります。お前達にはそれしかないのか? というのは誰もが思う事です。私達が尾張者だという事を排しても、今川からは他に聞こえてきませんしね。おっと、風が出てきた様です。それでは皆様、失礼します」



 そう言って、大橋さんは慌しく帰っていった。それにしてもトコナメで塩が作られ始めたか……。このまま塩の生産が続いていけば、必ずトコナメに手を出してくる奴等が出てくるだろう。その為にも石と木の武器なんかを作っておいた方が良いかな?。



 「松平は三河の白衆筆頭だった筈だが、いったい何をやっておるのだ。紅衆殺しに飽き足らず、神殿まで滅ぼすとは……」


 「三河の神殿もクソみたいな奴等だった様だし、仕方がないんじゃないかねぇ? 正直に言って、さっき話に出てた土岐とかいう奴と何も変わらないよ」



 藤は知らなかった様なので、少し教えてやる。


 神殿に近い奴が松平清康を暗殺しようとした事。それが失敗すると、神殿と吉良が協力して暗殺しようとした事。失敗して吉良は攻め滅ぼされた事。東三河の神社が戦を止めようとしたら、その使者を神殿が殺した事。


 話を聞き終わった藤は、深い深い溜息を吐いた。気持ちはよく分かる。「何やってんだ、コイツ等?」そう言いたいんだろう事は顔を見れば明らかだ。


 塚原さんも呆れている。三河の騒乱に関して、松平は半分被害者と言える。暴れたのは松平なんだが、報復するのはむしろ当然だからだ。


 武士としては報復しないと、弱腰だとして家臣にそっぽを向かれかねない。もちろん、現状を見れば松平は完全にやり過ぎている。


 ただ、その発端が暗殺というのが、誰もが文句を言い辛い理由だ。暗殺を企んだ者に厳しい報復をしないと、暗殺を認める事になりかねない。


 そうなると自分が暗殺されかかった場合も、報復を緩めないといけなくなる。それに、暗殺を企んでもその程度で済まされるとなれば、暗殺を企む者が増えかねない。


 色んな事を考えても、報復の手は緩めてはいけない訳だ。とはいえ、明らかにやり過ぎではある。そんな状況なので、藤は深い溜息を吐いた訳だ。


 今川が裏に居るので、最初の暗殺を仕組んだのは今川の可能性も捨てきれないんだけどな。あそこには雪斎も居るし。それぐらいの事は平然とやりそうだ。仮に居るとしても、ここまでの事を想定していたかは疑問があるが……。


 焼き場の前で夕食を作りながら、そんな話を皆としている。今日の夕食の献立は、ご飯、骨の出汁の野菜スープ、猪肉と鹿肉のハンバーグだ。大根おろしも添えるので、後でシュラにおろしてもらおう。料理をしながらウダウダ皆と話して今後を予想する。


 こんな話も無駄にはならない。情報収集をするなら先読みしてするべきだし、武士としては戦が起きるかどうかは重要だ。武功を立てる場でもあるし、機先を制する意味でも重要な事だ。そんな話の最中に季節の話が出たので気になった。



 「我が国で戦が起こるのは、主に火の季節と水の季節だ。田仕事が終わらねば雑兵も集まらぬ。一族郎党で戦うなど平安の頃ぐらいであり、そんな戦は古い絵物語の中だけだ」


 「裏に今川というのが居そうなんでしょう? もしかして、今川という人達は戦いたがっているのかしら。水の季節も半分を切ってしまったし」


 「折角準備をしたのに、って事かな? まあ、分からなくもないけれど……武功が欲しい下の者から突き上げを受けているならば、分からなくもないね」


 「しかし、そうなると今川というのが攻めてくる可能性は高いのか。どれだけこの尾張というのは攻められるのだろうな? 私達が居なければ、とっくに奪われているぞ」


 「ここは米が沢山取れるらしいからね。作物がいっぱい育つ所なんて、喉から手が出るほど欲しいんじゃないの?」


 「まあ、それは当然だろうな。北の美濃からすれば、海を手に入れて塩も欲しいんじゃないか? 尾張もそこまで塩を作っている訳じゃないみたいだが、自分達で作れるかどうかは重要な事だ」


 「そうだろうな。昔から美濃が攻めてくる理由は、米か塩だと言われている。オレ達が思っている以上に、美濃者の塩に対する執着は強いのかもしれん」


 「まあ、コウカ出身の僕達からすれば、美濃の人達の気持ちはよく分かりますけどね。塩が自分達で作れるなら、どれだけ楽になるだろうかと思います」


 「とはいえ、塩作りも簡単じゃないぞ? 塩を作るのに職人は要るし、大量の薪や炭が要る。必要な物が多く手間が掛かっているからな、ある程度の値がしても仕方がない」


 「そうなのね。塩なんて簡単に作れて儲かるものだと思ってた。海が無いと分からないのは仕方ないのかしら?」


 「そうだと思いますよ。大きなものが掛かると海に引き摺り込まれますから。山だと獣は出ますが逃げれば済むとも言えますし、土の季節には食べられる物も多いですしね」



 そう考えると、この世界では海の近くの方が生活は苦しいのか? 国土が広いから魔物も多く生息してるが、山には食べられる実をつける木も多いと言える。


 海は魚が必ず獲れる訳じゃないし、大物に舟を壊される可能性もある。そのうえ水の季節は凍死するほど寒い。戦う力があれば、山の方が楽だと言えなくもないな。大陸でもそうだが、とりあえず肉は確保出来る。


 食う物が全く無いよりは遥かにマシだと言えるだろうが、塩が無いのがやはりネックか。そういう意味では海と山、どっちにも不満はあるんだなぁ……。


 当たり前と言えば当たり前だし、隣の芝生は青いって事か。おっと、そろそろご飯も炊けたし夕食にしよう。って、こういう時だけ動きが速いな。さっさと自分の分だけ用意をしているが、なら自分で入れていってくれ。


 全員が1人前を食べられるだけの量は作っている。毎回言っているが、それ以上は食べ終わってからおかわりしろ! 最初から増やすな、阿呆が!! 他の人の分まで取ろうとした勝家君に拳骨を落としておく。


 流石に武士としてどうかと思うぞ、俺は。



 ▽▽▽▽▽


 0683終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨36枚

 大金貨785枚

 金貨497枚

 大銀貨873枚

 銀貨850枚

 大銅貨1413枚

 銅貨64枚


 神石の浄化剣

 神鉄の杖

 神鉄の大太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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